AAEEの活動記録 ~多文化共生時代に生きる私たちが身につけるべきこと~

AAEE, 一般社団法人アジア教育交流研究機構の関係者が、当機構の十数年に及ぶ活動から…

AAEEの活動記録 ~多文化共生時代に生きる私たちが身につけるべきこと~

AAEE, 一般社団法人アジア教育交流研究機構の関係者が、当機構の十数年に及ぶ活動から得た知見を綴ります。健全な多文化共生社会の構築に向けて、日々考え続けています。

最近の記事

「価値観」を考える

大瀬:前回、パーソナリティ(性格)について先生と一緒に話し合っている中で別の疑問が湧いてきました。それは「価値観とパーソナリティの違い」です。先生は「価値観は簡単には変わらない」というお話をされていましたよね。 関:価値観は心の奥底に潜んでいるものだから簡単には変えられないという話をしたね。 大瀬:では、パーソナリティと価値観はどのような違いがあるのでしょうか。友達間でも、パートナーの関係でもよく、性格の不一致や価値観の不一致というワードが出てきますよね。全く同じ人間なん

    • 「パーソナリティ」を考える

      大瀬:3月ですね。年度末、大学生は春休みですが先生は学会発表などで大忙しですね。 関:数日前にタイのバンコクで開催された国際教育学会で発表した。初日Plenary Session(全体総会)での発表だったので結構緊張したよ。でも、世界20カ国以上の教育関係者と情報共有できて貴重な機会でもあった。 大瀬:先生の学会活動って、いつも海外ですね。 関:学会というのは研究の情報共有と同時に新たな出会いの場所でもある。外国で開催される国際学会の方が世界中の多様な文化やパーソナリテ

      • 「文化」を考える

        大瀬:先日オーストラリアからご帰国された翌日にも関わらず、AAEEの学生勉強会にご参加いただきありがとうございました。相変わらずお忙しい日々ですね。 関:体力的には消耗したけど、オーストラリアの南部(アデレード)には初めて訪れたので学ぶことも多かったね。シドニーやゴールドコーストなどは雰囲気も人々の働き方も全然違う。同じ国なのにね。 大瀬:そうなのですか。具体的にはどのように違うのですか。 関:一言で表せば、のんびりした環境でのんびり生きている。のんびり生きていける。シ

        • 多文化共生における「文化軸」

          大瀬:久しぶりに先生と「多文化共生」という用語について考え直してから、改めて、自分の身の回りに溢れる多様な他者の文化や価値観を敏感に感じながら生活するようになりました。私は昨年の今頃はオランダに留学中で、日本と異なる文化や多様性を日々感じて暮らしていたのですが、自分のホームである日本にいると、文化の観点にどうしても鈍感になってしまって、「こんなことではいけない」と思ってしまうこの頃です。 関:「多文化共生」という言葉を聞いた時に、多くの人は何を考えると思う? 大瀬:外国と

          日本の多文化共生とは

          大瀬:アメリカから帰国されたばかりの中、お時間ありがとうございます。今回のアメリカ出張もかなりハードスケジュールで、大変そうでしたね。 関:アジアに行くのと違い、時差が17時間も違う。さらに、4泊7日の強行軍でアメリカ国内の移動も長かったから本当に大変だった。けれども、アメリカの地でそこに暮らすアメリカ人と議論できたおかげでアメリカという国について少し深く知ることができた気がするよ。 大瀬:私も中学一年生の時に初めてアメリカのオレゴン州を訪れたのですが、ホームステイをしな

          心と心の交流の実践_BJEP2023

          大瀬:先生、お久しぶりです。2024年もどうぞよろしくお願いいたします。2020年、世界中でコロナが大流行してから気がつけば 3年。2023年は久しぶりに、VJEP、ベトナムで国際学生交流プログラムを開催することができましたね。 先生もAAEEでの活動はもちろんのこと、海外渡航の多い一年になったのではないでしょうか。 関:そうだね。年末も、12月22日から1月1日までバングラデシュのダッカに滞在し、バングラデシュ・日本国際交流プログラムであるBJEP2023 (Bangla

          (連載)BJEP2021 バングラデシュー日本学生交流プログラム ~栄光への道~(2)日本オーガナイザーチーム、奇想天外な船出

          こんにちは。AAEE、一般社団法人アジア教育交流研究機構で学生アシスタントをさせていただいている、国際基督教大学1年、Nです。私を含めた新人1年生4名と先輩2名とで、BJEP(バングラデシュー日本オンラインプログラム2021)の企画・運営に携らせていただいています。本連載では、BJEP企画・運営の赤裸々な内幕を学生目線で綴ります。 前回の記事→ https://note.com/multiculturalism/n/nbb1efec069b6 波乱のプログラムテーマ決め

          (連載)BJEP2021 バングラデシュー日本学生交流プログラム ~栄光への道~(2)日本オーガナイザーチーム、奇想天外な船出

          (連載)BJEP2021 バングラデシュー日本学生交流プログラム ~栄光への道~(1)新1年生とBJEPとの出会い

          こんにちは。AAEE、一般社団法人アジア教育交流研究機構で学生アシスタントをさせていただいている、国際基督教大学1年、Nです。私を含めた新人1年生4名と先輩2名とで、BJEP(バングラデシュー日本オンラインプログラム2021)の企画・運営に携らせていただいています。本連載では、BJEP企画・運営の赤裸々な内幕を学生目線で綴ります。 私たち新1年生がAAEEに加入した経緯  BJEPのオーガナイザーチームは昨年からAAEEの学生アシスタントとして活躍しているICUと上智の2

          (連載)BJEP2021 バングラデシュー日本学生交流プログラム ~栄光への道~(1)新1年生とBJEPとの出会い

          2021年夏、バングラデシュ-日本学生交流プログラム(BJEP2021)開催に向けて

          Jamilur Reza Choudhury(ジャミラ・レザ・チョードリ) 教授と聞いてもピンと来ないであろう。彼はバングラデシュ人であり、バングラデシュのために多大な功績を遺した著名人である。同国資源エネルギー大臣を務め、名門ブラック大学やアジア・パシフィック大学や副総長も歴任した。 私は、自身が関わる団体(AAEE, 一般社団法人アジア教育交流研究機構)を支えてくださるバングラデシュの知人を介して彼と2012年に知り合った。その友人はAAEEの活動をジャミラ先生にメール

          2021年夏、バングラデシュ-日本学生交流プログラム(BJEP2021)開催に向けて

          コロナ禍の大学一年生の皆さんへ

          奥本「関先生こんばんは。今日は真っ赤なチェック柄のシャツですか。ずいぶん派手な服を着ていますね(笑) 目がチカチカします。」 関「気分を上げたくて、わざと着ているの。」 奥本「落ち込んでいるんですか?」 関「もうね、ずっとどん底なの。もちろん顔には出さないけど、この半年間くらい、僕の心はずっと吐いている。」 奥本「そうだったんですか(笑) 珍しいですね。」 関「髪をブラウンに染めてみたり、派手な服を着たり、バーチャル背景を明るくしたり、色々試してみた。しかし心のつら

          元旦、ベトナムからの電話でAAEE2021年の活動の幕開け

          奥本「関先生、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。お正月はゆっくり過ごせましたか?」 関「全然ダメ。頭がまったく休まらない。」 奥本「やっぱり、そうだと思いました(笑)」 関「というか、僕とさえは今、ルール違反をしているの気付いている?AAEEでは『お正月休みとして、1月5日までは活動停止』と決められているのに。今日はまだ3日ですよ?これは、規則を無視した禁断の対談です(笑)。」 奥本「お正月早々、大変失礼いたしました。でも、本当に、一年中AA

          元旦、ベトナムからの電話でAAEE2021年の活動の幕開け

          AAEE 2021年 新年度の幕開け(1)

          奥本「関先生、こんにちは。約4か月ぶりの対談ですね。ずいぶんとお久しぶりなので、まずはこの数か月間、どのようなことがあったのか教えていただきたいです。」 関「AAEEの年度は正式には11月中旬に始まる。理由は、夏休み期間に開催される国際交流プログラムの報告会を兼ねたイベントを11月に設定していることによる。このイベントを終了し次年度に引き継ぐんだ。しかし今年はコロナの影響でいろいろとあり、新体制での活動が例年よりかなり早く始まった。」 奥本「そうだったのですね。今年度の新

          バングラデシュ・プログラムの振り返り(後編)

          大瀬「今回のバングラデシュ―日本オンライン学生交流プロジェクトについて、参加した学生たちは皆、すごく良いプログラムだったと言っていますよ。私は成功と言っていいと思うのですが・・・成功に至るやプロセスや、成功に導いた工夫などあれば教えてほしいです。今後の活動の参考になりますので。」 まず、関わった学生たちが言う「成功」とは「主観的」な判断に基づくものであるということを押さえて置く必要がある。 彼らはこのプログラムを通じて何らかの学びを得て、自分自身の成長に繋がったことを感じ、

          バングラデシュー日本学生交流プログラム振り返り(前編)

          大瀬「先生、お久しぶりです。前回の対談から2週間以上経過してしまいました。相変わらずお忙しそうですね。バングラデシュ・プログラムの総括をしたかったのですが、中々お時間をいただくことができませんでした。東京経済大学のお仕事もお忙しそうですね」 BJEP 2020(バングラデシュー日本学生交流プロジェクト)は思った以上に大変で、終わったときには体力も気力も使い果たしてしまった。数多くの国際交流プログラムに携わってきたけど、これまでのどのプログラムよりも大変だったよ。追い打ちをか

          バングラデシュー日本学生交流プログラム振り返り(前編)

          AAEE オンライン国際交流の挑戦(バングラデシュー日本学生交流プログラム(2)

          大瀬 新企画「バングラデシュ・日本学生交流2020 (Bangladesh-Japan Exchange Project 2020」は今日で3日目ですね。序盤の展開はいかがだったでしょうか。AAEEのこれまでの対面型国際交流プログラムでは、隠れた問題点や混乱が表面化するのが3日目と言われてきましたが。オンラインの場合は何か違いなどありますか?」 一昨日のオープニングセレモニーは、オーガナイザーや参加者の努力のおかげで見事だった。自己紹介動画配信、それに続くアイスブレーキング

          AAEE オンライン国際交流の挑戦(バングラデシュー日本学生交流プログラム(2)

          バングラデシュ―日本オンライン交流プログラム、いよいよ明日開始!

          大瀬「先生、あっという間に8月が終わってしまいますね。例年であればベトナムプログラムやネパールプログラムがクライマックスの時期ですが...。ところで、8月29日はバングラデシュ新プログラム(BJEP 2020)の開会式前日ですよね。先生の一言から急遽始まった新プログラムですが、オーガナイザーとして集まったメンバーは学生中心でプログラムを作るのが初めての人がほとんど。先日、オーガナイザーの定例会議に参加してみてメンバーの一生懸命さを感じた一方で不安感もありました。」 4日前の

          バングラデシュ―日本オンライン交流プログラム、いよいよ明日開始!