眠い眠いと言いながら、半袖で冬の布団に入り込む。過去に一度だけ入った寝袋を思い出すフカフカ感。腕に当たる掛け布団のぬくもりが心地良い。

　明日は浅草に行きたいんだ。母が生協で筍を注文し、大鍋であく抜きして朝から筍ご飯にした。毎春の恒例行事である。
　千葉に住んでいた頃は、馴染みの産直場に午前中馳せ参じて大きな筍をゲットしていたが、都内のマンションで受け取った筍は小さかったとぼやいていた。それでも、炊かれるご飯の量は変わらない。

　明日も暖かいという。日曜日の浅草へ行きたい。カフェで本を読むんだ。とめどなく読書をし続けたくて、何か文章を取り込んでいないと落ち着かない。
　カフェで飯まで食うと値が張るから、筍ご飯をラップに包んで持ち歩こうと思っている。ああ、一昨日作った大根の中華スープを食べ忘れていた。あたためてスープジャーに入れて行こう。

　何はともあれ、今は寝なくてはならない。昼間、換気しながらベッドでウトウトしたせいで眠るのが遅くなっている。
　もうちょっと…もうちょっと本の続きを読ませて…そしたら枕に頭をつけるから。

　朝が来た。寝床がほかほかしてる！カフェオレを温めずに飲んだのに冷たさが胃に染みない。内臓も気温に温められたのかもしれない。

　外の暑いこと暑いこと。てきとうに町の地図を見ながら歩けば着くだろうと安易に考えていたら、春を超えた陽気の隅田川沿いを延々歩くハメになった。やっとのことで着いた浅草周辺、人混みに蒸されて逃げ込んだチョコレート屋さんが営むカフェ。アイスカフェラテ、うまい…うますぎる。

　空のショーウィンドウに転がる何かの部品を見つけるデジャヴ。歩き過ぎているサインだ。
　浅草から上野へ流れて、大阪王将で夕食を食う。米うまい！今日は麻婆豆腐を頼んだけど、次は定食を頼もう。こんな贅沢は今日だけだ、久しぶりの外出と、運動したご褒美と…なんだ、春が来たお祝い？

　前髪を上げて河川敷を歩いたせいか、額が赤い。頭がクラクラするまで河川敷で太陽を浴び続けた。鼻と頬も赤いが、これは普段から赤いため日焼けかどうか判別できない。


　いつもたくさん歩くと、足首の内側がピリついてくるのが、今日はふくらはぎが痛くなってきた。最終的に18キロ歩いた。頭がクラクラする、達成感に満ちている。