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命にとって本当に自然な社会の在り方を探して"長井雅史"さん

共同出版で「対話のことば」を出版され、現在は対話、コーチング、組織開発、自給自足できるコミュニティーつくりなど様々な活動しながら、命にとって本当に自然な社会の在り方を追求されている長井雅史さんにお話をお伺いしました。

出身地:神奈川県活動地域:東京都、千葉県現在の活動:自身が大学時代に研究して、共著で出版された「対話のことば」をベースに、対話について学べるイベントやオンラインプログラムを提供。対話を実践するための探求の場、「Dialogue Practice Program」を共同運営。コーチングやファシリテーションを学べる場、「間結道場」(あいゆいどうじょう)の運営にかかわる。個人へ向けたコーチング。組織開発のプロジェクトに関わる。自給自足できるコミュニティー作り、パーマカルチャーに取り組む。

「命にとって本当に自然な社会の在り方を見つけて形にしたい」

長井雅史さん(以下敬称略)はどのような夢やビジョンをお持ちですか?

長井:命にとって本当に自然な社会の姿を見出したいし、形にしたいと思っています。そして、それと同時にそうではない今の社会の姿に対して、それがなぜその様になっているのかを明確したい思いがあります。

私は、この社会を生きていると、あまりにも不思議なことが沢山あると感じています。私は、現在パーマカルチャーというものを学ぶプログラムに参加していて、千葉県のいすみ市、という所で仲間4人と、毎晩をテントの中で過ごしています。パーマカルチャーとは、自然の中に元々ある循環に沿った暮らしの在り方のことを指すもので、元々自分は、自給自足できるコミュニティー作りに関心があったので、参加しているのですが、そこの土地に住みながら、畑をやったりしながら、自然の循環や対話について、自分たちで実験しながら学んでいくことをやっています。
 そして、そこでは夜は日が沈むと、段々と眠たくなってきます。大体20時から21時頃には眠たくなります。そして、朝は日の出と共に鳥が鳴き始めてその声で段々と目が覚めていきます。大体4時から5時には起きる、という自然なサイクルがあって、目覚ましとかは使わないんです。
 だけど、その前までの自分の生活を見てみると、「なぜ日が暮れているのに、0時近くまで働いているんだろう」とか「なんで、目覚ましで無理やり起きるんだろう」という素朴な疑問があったり、またそれは果たして、本当に命にとって自然なリズムなのだろうかと、疑問に思うことがあるんです。
 あとは「いただきます」もそうですね、「いただきます」の本来の意味は「命を頂きます」という意味なんだけど、都会にいると"食"が命だったころとは、時間的にも、物理的にも遠くなってしまうので、それらが生きていたという時を感じにくいのは仕方がないことではあるのですが、それらが、生きていた頃を知ったうえで、食べることの大切さだとか、豊かさや、「本来の食ってこういう事だよね」「命に生かされているから自分たちはいるんだよね」という事を、ちゃんと感じられることが大切じゃないかと思います。
 しかし同時に、そうではない社会があって、それが、なぜそうなってしまっているのか、その歴史的背景であったり、誰のどういう意図によって、そのようになっているのかを知りたい思いがあります。
 命にとって、本当に自然な社会の在り方を見つけて形にしたいこと、そして、そうではない今の社会の側面を解明したい。この両軸が、自分の人生の中に常に存在しています。

記者:命にとって本当に自然な社会の形にイメージはありますか?

長井:一つ考えているのは、今取り組んでいる、自給自足できるコミュニティーはそれに近いと感じています。自分自身が食べるものに対しても、それが命だったころと繋がっていたという気持ちがあるし、自分たちは生かされているんだという風に思える。地球に居れば、お金がなくても暮らしていけることが分かるので、誰しもが持っている、お金に対する不安や、気がかりからも解放されると思います。
 その安心感によって、人が本来持っている可能性や、創造性を開花させることにも繋がると思います。

 そもそも、人が地球と繋がり直す事が大切だと思います。現代は、あまりにも地球とかけ離れてしまっているので、人との相対比較によって、絶対的な安心感も得にくいですし、何かしらの不安とか、恐れや焦りが、生まれやすいと思います。
そもそも「地球に生きてる限りは命に生かされている」そのことに立ち返れた時に、本当に安心できると思います。それができた時には、人同士も、本当に繋がり合えるんじゃないかと思っています。

自分自身の使命に素直であり続けること

ビジョンを具現化するためにどのような目標計画や活動指針がありますか?

長井:一番大事にしていることは、自分自身の使命に対して、素直になり続けることです。自分の中で起きていることに、正直であり続けることで、結果的にビジョンを具現化してくれると思います。
 目標や、計画自体はそこまで大事にはしていませんが、三ヶ月以内には、狩猟とか解体の経験をしっかり形にしたいと考えています。また、来年にはこの社会を理解することを、今よりも実体験を通じて深めていくためにも、様々な場所に赴いて、社会の情勢を知ることに力を入れていきたいと考えています。

そもそもその夢を持ったきっかけには何があったんですか?

長井:原点のようなきっかけは無いんじゃないかと思います。極論そういう人生だから、今の生き方になっていると思います。

でも、関連する出会い、というのは過去にたくさん落ちている気がします。例えば、一つは去年友人が主催している、スタディーツアーでアメリカの西海岸に行ったのですが、その時に羊の解体から、それが肉となって、自分が食べるまでの一連のプロセスを始めて目の当たりにしました。自分自身が、それに関わった事は、本当に自分は、命を頂いてるんだ、という事を思い出させられた出来事でした。

後は、関連する出会いで言うと、ある種コーチングは、人の命に向き合い、可能性に向き合う事でもあるのですが、学生時代にコーチングを教えてくれた、「株式会社はぐくむ」の代表のたけさん、という方がいるのですが、その人からは人の可能性に関わることなどを学びました。

 その人と、対話や相談をするときには、自分のことを信じて、最後まで話し終えるまで、待ってくれるんです。タケさんと話していると、自分がモヤモヤしていることも、段々と自分の中から、答えや気づきが現れてくる感覚があったりするのですが、それがなぜかというと、たけさんは、自分のことを、本当に信じて話を聞いてくれるからこそだと思います。その体験があったことで、誰かの可能性に関わることや、命と向き合う事がどういう事なのかを分からされたと思います。 

 なので、最初のきっかけは、人の命とか人の可能性に関わることから始まり、その背景には、そもそも地球との繋がりがあることを感じ始めたことで、人間以外の命にも目が向き、そことの繋がりも大切にしはじめたという感じですね。

記者:ありがとうございます。長井さんの優しさが言葉一つ一つから感じられますね。貴重なお話しありがとうございました。

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長井雅史さんの活動、連絡先についてはこちらから

【facebook】
https://www.facebook.com/MasafumiNagai0220

編集後記:今回インタビューを担当した森本、竹内です。長井さんの、人を安心させる暖かさと、その中にある芯の強さを感じさせられる素晴らしいインタビューでした。
 人との相対比較で不安が生まれてしまう、今の社会のなかで、本当に安心できる人との繋がりや地球との繋がりを取り戻すことの大切さを感じました。これからの更なる追求、活動を心より応援しています。


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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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