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『影響力の武器』2/3

さて、今回も前回に引き続き『影響力の武器』について書いてみたい。

3.社会的証明

社会的証明の原理の意味はこうだ。
「私たちは、他人が何を正しいと考えているかにもとづいて物事が正しいかどうかを判断する」

この原理も思い当たることは多いのではないだろうか?
何か、食事をしたい時のことを考えてみる。
・友人との会話やSNSでお勧めされている店
・店の前を通ると店内は賑わっており、時には行列ができている店
・テレビやネットでお勧めされている店

ネットで買い物をする時はどうだろう?
・沢山の評価がついている商品
・評価の高い商品

こんな店や商品を選ぶことが多いのではないだろうか?
僕たちは不確かな状況にある時、他人の情報を参考にする。

でも、実際のところはどうだろう?
SNSにはインフルエンサーがいて、企業や店舗からお金を貰って宣伝している。テレビでも、スポンサーからお金を貰ってゲストに宣伝させることだってある。
通信販売サイトも同じだ。レビューを書いている消費者の中には、サクラがいることもある。最近では、「サクラチェッカー」というサイトもあり、サクラがレビューしている商品を見つけ易くはなっているが、ネットショッピングに慣れていない人は、騙されやすい。

こういうのは、作られたイメージであり、本当に良い商品、本当に良いサービスだとは、必ずしも言えない。

政治についても同じである。政党や政治家に関係の近いコメンテーターが、毎日のようにテレビで、ヨイショや火消しに励んでいる。

お店や商品選びに失敗してもたいした問題ではないが、政治に関しては、そうはいかない。僕たちのビジネスや生活に大きく関わってくる。毎日の買い物で支払っている消費税、病院にかかれば必要になる医療費、老後に生きていくために必要な年金など、決めているのは全て政治である。
間違って選択した結果、生活していくのが困難になってしまう。
とても笑っていられないだろう。

人間は、日頃から、難しい選択は避けて、簡単に選択できる方を選ぶ傾向にある。「正しく選択」できることよりも、「楽に選択」できることを選ぶ。
そういった傾向を知って心に留めておくだけで、本当に重要な選択をしなければいけない時に違ってくる。注意しておきたいものである。

最後に、ウォルター・リップマンの言葉を。
「みんなが同じように考えてるときは、誰も深く考えていないときである。」

4.好意

この原則は、もう単純である。
好きな人から、商品やサービスを買いたくなるという原則だ。

本書で紹介されているのは、自動車のセールスマンとしてギネスブックにも載った人物の例。

彼曰く、「自分が好きなセールスマンを見つけること、それに価格。この二つが一緒になれば、誰でも車を買いますよ。」。

テレビCMや雑誌の広告なども、ほとんどがこの手法である。
好感度の高いタレントに商品を紹介してもらう。
商品の良し悪しなんか分からなくても、好きなタレントが紹介しているだけで、つい、欲しくなってしまう。
こういうことは、よくあることではないだろうか。

では、そもそもどういう対象に好意を抱くのか。
例えば、人の容姿。どんな容姿の人を好ましく感じるかは、人それぞれ違うだろうが、誰しも容姿に対する好みを持っている。好きな花、好きなファッションがあるように、容姿に対する好みがあるのは自然なことだ。

容姿が好みであれば、その人の才能、知性、性格なども好ましく感じる傾向がある。他にも、自分とよく似た考え方や趣味を持った人、普段から活動を共にする人などにも、好意を感じ易い傾向にある。

もっとも、たまたま、同じ職場だったり、同じクラスだったりで、一緒に過ごす時間が長いという理由で好意を感じる場合、環境が変われば疎遠になることが多いのはご存知の通りである。

こういった好意を利用した売り込みが、選挙の候補者の紹介だったり、ねずみ講などの勧誘などで利用される。

好意を持ってる人からのセールス、勧誘などには、一旦冷静になって考える必要がある。というのを、日頃から意識しておくだけで、冷静に対応できるのではないだろうか。


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