【15日目】浮気と嫉妬について②嫉妬のメカニズム(レンアイのトリセツ)
◆「当たり前」の中に『信念・習慣』が隠されている
前回から『浮気』の話をはじめました。浮気とは、パートナーが他の人と仲良くすることです。これの何がいけないのか? という話なんですが、人によっては「いけないのが当たり前」すぎて考えたことすらなかったりするかもしれません。
入門編で書いたとおり、この「当たり前」の中には【無意識の信念】が隠されています。そう信じて生きている、ということです。パートナーの浮気で苦しい思いをするのは、この【無意識の信念】の部分が自分の感情を揺さぶっているからです。
14日目で書いたとおり、この【無意識の信念】があなたに感情をわき起こしています。ここで重要なのは
相手の行動がどうか、とは関係がない
という点です。【役割の押し付け】という概念を思い出してください。
こう言われると「いやいやいや、相手が浮気するからでしょ!!」と思うと思うんですが、こう思っている段階ですでに
B(信念)= 浮気は許してはいけないものだ
というものが、あなたの「当たり前」としてアタマの奥底にある、ということなんです。
これがもし
B(信念)= 浮気は許してもいいものだ
になると、多分あなたは怒ったり嫉妬したりしません。
ここまで行くのがご自分のために理想的なのですが、そういう【無意識の信念】というのはなかなか手放せないものです。ですので上級編で「許す」とは何か? という話をしますので、その時にもういちど考えてみてください。
◆『嫉妬』の気持ちにも「メカニズム」がある
ではここからは、前回挙げた二つの要因のもう一つ
『嫉妬(しっと)』
についてのメカニズムと対処法を、モトの仕組みから考えていきます。
僕たちはなぜ『嫉妬』するのでしょうか?
嫉妬はネガティブな気持ちなので、当然ココロのモトが減っているときに出てくる感情です。なぜ減るのかというと
「自分がもらえているはずのモトが入ってこなかった」
ことに由来します。アタマで計算したとおりにモトが増えなかった、という「考え」が好き嫌いゲージを減らし、嫌な気持ちである「嫉妬」を出してくるというわけです。
ところで……実は、嫉妬の根源は「あこがれ」なんです。
背の低い僕が「もうちょっと身長があったらいいなぁ」と思っている気持ちがマイナスに振れすぎると「僕の身長が低いのが悔しい!背が高い人が憎い!」という『嫉妬』になります。
◆嫉妬心の根源は「あこがれ」の気持ちだ
先ほどの例をもう少し詳しく。「あこがれ」というのはこんなメカニズムで出てきます。
背が低い……アタマの中の「自分」への認識
↓
背が伸びる……高いところに届くだろう、モテるだろう
こういう感じの「考え」がアタマにあるわけです。背が伸びるといいことがあるはず、と「想像」しているわけです。
あこがれをいだくと、初めはいい気分になります。それは「そうなった自分を想像して、モトを増やしている(二番目のモトあつめ)」からです。
ですが、これがもっと進むと「そうなったときに入ってくるはずのモトを、今持っていない」という(ある意味当たり前の)気づきに変わります。これがモトを減らすんです。
この「今はそうではない」がずっと続くと「理想の自分だったときに入ってくる『はず』だったモトがずっと足りない」という考えが起こり、それがココロのモトをグイグイ減らして、最後には好き嫌いゲージの半分を下回って、ネガティブな「嫉妬」という感情に変わります。
「自分より背が高いなんて許せない!!」
となるわけです。
◆恋愛の『嫉妬』とモトの減少
こういう仕組みでもって「嫉妬」という感情が出るのですが、恋愛において浮気相手に出る嫉妬も、同じメカニズムで出ます。
すなわち
【理想】……パートナーが自分だけに「恋愛アピール」をし続ける(素晴らしい体験への「あこがれ」)
↓↓↓
【現実】……他の誰かに「恋愛アピール」をして、そちらにモトを与えている
こういう「認識」がアタマにできるわけです。こうなるとアタマは
自分に入ってくる『予定』だったモトが、他人に分けられているため、自分に入ってこない
と判断します。この判断がココロに送られ、好き嫌いゲージを「ギュギュッ」と下げるのです。
嫉妬の気持ちは、パートナーや浮気相手への「怒り」を伴うものです。怒りがなぜ出るか? 思い出してください……好き嫌いゲージが「嫌い」側へキュッと下がると、怒りが湧くんでしたね。
こういう仕組みで僕たちは「浮気に嫉妬と怒りを覚えている」んです。まとめると、こうなります
彼・彼女が浮気している(かも)
↓
浮気相手にモトを送っている(恋愛アピール)
↓
本来、自分が受け取る「はず」だったモトである
↓
好き嫌いゲージが上がらない→下がっていく
↓
ココロが好き嫌いゲージを見て「嫉妬と怒りの気持ち」を出す
ちょっと複雑かもしれませんが、こういうプロセスでアタマが無意識に判断するため、ココロに気持ちとして「嫉妬」「怒り」が出てくるのです。
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)