髙橋宗芳

ヴァイオリン指導と、音楽の普及とコミュニティーにおける活用について書いています。 桐朋…

髙橋宗芳

ヴァイオリン指導と、音楽の普及とコミュニティーにおける活用について書いています。 桐朋学園横浜鎌倉音楽教室講師、リアスオーケストラ主任講師・指揮者、元住吉のヴァイオリン教室を主宰。ヴァイオリンを桐朋学園大学、イーストマン音楽学校修士課程で学び、指揮法をニューヨーク市立大学で学ぶ。

最近の記事

第一回弦楽器指導者の会を終えて

去る9月20日に台風14号の接近の危ぶまれる中6名の参加者にお越しいただき楽しい意見交換の場を得ることができました。 参加者は現役音大生から近く独自の教本を出版されるというベテランの先生までと幅広く、様々な視点での意見を交換することができ有意義な時間でした。 立場や世代によって興味関心は異なりますが、やはりひとりひとりの先生のその時に関心のあることを軸にした切り口があってこそ、教えることを楽しみ充実したものにできるのだなと感じました。よく教えたいのは皆同じですが、心の中の

    • 弦楽器指導者の会 開催

      こんばんは。今日は短い投稿です。 ようやく弦楽器指導者の会を開催することになりました。 なんと明後日です。主にFBで告知したのでこちらでのお知らせが後手に回ってしまいすみません。(イベンリンク→https://fb.me/e/2byak3OCr) 幸い8名の方がきてくれることになりました。 終わったら報告、感想などをこちらにアップいたします。

      • 大船渡のオーケストラのこれまでと今後に向けて

        初めて岩手県沿岸地方にある大船渡を訪ねたのは2020年1月末だ。大船渡出身のピアニストで、震災後10年に渡り津波被害にあった故郷の復興支援のためのチャリティーコンサートを開いてきた桑原裕子さんからお誘いを頂いた。それまでにも彼女の故郷には長い間弦楽器の指導者がいないから指導に来てくれとは言われていたが、自宅でもできることを何もそんな遠くにまで行ってやりたくないと言うのが本音だった。(新幹線で一ノ関まで行き、そこから1時間半運転して4時間以上かかる。)オファーをいただくたびにの

        • ③教本についてより深く考えてみる~後編

          前編のまとめ・学校教科書はプランに従って細かく作りこまれているということ ・実際に教える上では教科書の内容よりもさらに小さなステップに落とし込まれていること ・教えるノウハウの共有が学校関係にはありそうだということ 前編では国語教科書を例にとって、上記のポイントを導き出してみました。これらのポイントを弦楽器指導に当てはめて考察してみます。 教本の成り立ち-リダクショニズムとホーリズムの視点から教本をは教科書と基本的に同じプロセスで作られています。まず目標があり、それ分解し

        第一回弦楽器指導者の会を終えて

          ②教本についてより深く考えてみる~前編

          ヴァイオリンを上手に弾くために押さえるべき数々の要素がありますが、現代では要素自体はどの教本をとってもほぼ共通のものです。主に違いはどのような順序で教えられるかということ、各要素を単体として教えるか或いは複数の要素のコンビネーションで教えるかといった整理分類と与え方の問題です。 これを教本の譜例を用いて読み解いていくと煩雑でマニアックになるので、今日は小学校一年生の国語の教科書を例にとってこのことを考えてみたいと思います。弦楽器の指導をする方は楽器レッスンの場合を想像して関連

          ②教本についてより深く考えてみる~前編

          ①「先生が教本を読まない」ということについて考える

          この一年ほど楽器を教える知人友人に説き続けてきたこと、それは「使っている教本を読もう!」ということです。これは比較的初心者のヴァイオリン指導をする場合に大切だと思っていて、それについて数回に分けて書いてみたいと思います 初めてヴァイオリンを習う生徒にどの教本を使うかという問題があります。このことを身の回りにいる弦楽器の先生や、オケの仕事などでお会いした弦楽器の方などにたくさん尋ねてきました。 「なぜその教本を使うのか?」と訊ねると、大半の人から「自分が子供の頃にその本で教

          ①「先生が教本を読まない」ということについて考える