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丑年特別企画・キャトルミューティレーションみやげを探せ!/山下メロ・平成UMAみやげ

バブルをまたいだ平成は、いわゆるオカルト事象がやんわりと世に受け入れられていた時代でもある。「ファンシー絵みやげ」研究家の山下メロが、当時を彩った”UMAみやげ”の世界をご案内。
今回は2021年・丑年にちなんで、キャトルミューティレーションみやげを捜索!

文・写真=山下メロ #平成UMAみやげ

キャトルミューティレーションとアブダクション

 もはや2月というタイミングではございますが、新年1発目ということもあり、今回は今年の干支である「丑」をテーマに出来たらと思っております。年賀状などのモチーフになるため、新年には干支を意識するものの、2021年は12月31日まで変わることなく丑年ですので何月にやっても良いわけなのですが……。

 そんなわけで、牛といえば、もうこれは考えるまでもなく「キャトルミューティレーション」でしょう。1970年代に家畜の怪死が相次いだ事件のことです。

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キャトルミューティレーション=家畜惨殺。

 そこで生まれた数々憶測のひとつに「UFO・宇宙人による仕業」というものがあり、それによってUFOが真下にビームを発して家畜(牛)を連れ去るイラストが生まれました。家畜のみならず人が宇宙船の中に誘拐される事件(アブダクション)とは別なのですが、キャトルミューティレーション=宇宙人の仕業となった段階で、「UFOに連れ去ってから血を抜いて戻した」イメージが付与されたようです。アブダクションありきなのか直接地上でコトに及んだのか分かりませんが、何しろUFOにおけるロマンとしては、あのビームを出して吸い上げる感じがないと盛り上がらないわけです。

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このイラストの段階では「牛がアブダクションされている」。

 そういった訳で、牛さんがビームで浮き上がってる感じのイラストを「キャトルミューティレーションだ!」などと言おうものなら「キャトルミューティレーション警察」の方から「それは、ただ牛さんが『アブダクション』(誘拐)されてるだけだよ」などと訂正される憂き目に遭うのです。大体において、そういうイラストの牛さんは元気ですからね。怪死してたり、蹂躙されてたりしなければ、それは「キャトルミューティレーションには至ってない状態」というわけです。

 しかし、牛さんがUFOに自らすすんで乗り込んでいる可能性もあるわけで、だったらそれは「アブダクションでもないのでは!?」……などと個人的には思ったりもするのですが……。そうなると今度は私がアブダクション警察として「いや、それは牛さんの意思がハッキリしないので誘拐(アブダクション)されてるとは言えない状況なので、それは『UFOビーム牛さん』だよ」と言わなくてはなりません。
「いや、これはお尻の方から浮き上がってるから牛さんに乗り込む意思はない。よって『アブダクション』だろ!」と言い返される可能性もありますが「でも、その牛さんは乗り込もうとしだけど勢い余ってビームエリアから上半身を出しちゃった可能性もある。だから『アブダクション』と確定はせず、『UFOビーム牛さん』としておくのが妥当でしょう」と言い返すしかなくなります……。

ふしぎ半袖Tシャツのイラスト

 そういったわけで、なかなか難しいのがこの現象なのです。そんな中、こんなイラストのTシャツを見つけました。

 こちらは月刊ムー公認、ベルメゾンから発売されていた「ふしぎ半袖Tシャツ」(現在は販売していません)。UFOのビームで浮き上がる牛と牧場、宇宙人グレイが描かれています。前述した、論争の元凶となるワードを使わない商品名というところも、さすがはムーです。

 このイラストに描かれたホルスタイン種の牛さんは意思に反してビームで浮き上がりUFOに収容され、この後グレイによって船内でキャトルミューティレーションが行われるものでしょう。
 そう仮定し、そんなミステリーをはらんだ牛と同じ模様の「あの牛」を探したいと思います。

 どうやって探すかというと、筆者が個人的に集めている観光地みやげ「ファンシー絵みやげ」から、この「首、背中、お腹、お尻、それぞれに黒い部分がある牛」を探します。

ファンシー絵みやげとは

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