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始まりはひとりだった

ショック! ひとりだった。

4月に開講する釜石市国際外語大学校。
定員40人に入学予定者は1人。
3月27日の岩手日報が報じた。
3月議会で何人が集まっているか市当局にしつこく質問して、
そのたびに「民間の学校法人だから」情報が来ていない、
と、しつこく答弁していた。

釜石には大学がない。
だから、高校生が進学する際、
100%すべて市外に出ていかざるを得ない。
18歳19歳がごっそり街から抜けていく。

大学を卒業して帰ってくればいいけど、
都会にそのまま、というパターン。
日本の地方のどこもそうなんだろうけど、
釜石はとくにそう。
だから、大学とか高等教育機関が欲しかった。

2021年に盛岡市の学校法人と提携をを結んで、
大学校という教育機関をつくることになった。
外国語と観光を学ぶ外語観光学科、
留学生が日本語を観光を学ぶ日本語学科、
それぞれ2年制で、1学年40人ずつの定員。
最大160人が釜石で学ぶことになる。

しかし、岩手県が認可したのは去年の10月。
「すでに高校3年生は進路が決まっていた」
と学校側はいう。

校舎はかつて専門学校として使用していた「教育センター」。
これを改修して使用するが、改修費は3億6000万円かかった。
日本語学科の運営補助金として950万円、
留学生の住居として600万円。

これだけお金をかけたから、ということではないが、
この1人の学生を、大事に育てよう。
「始まりはひとりだった」
というストーリーをつくっていこう。

ひとりを育てられない街が、
たくさんの人を育てられるわけがない。

こども園の卒園式で、「卒園児は釜石のたからものだ」と思ったが、
外語大学校の学生もまた、釜石のたからものだ。
大事に育てていきましょう。