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公園はタイムカプセル

釜石にある「こすもす公園」を再生させることにした。

2011年につくって、もう10年。
すこし草臥(くたび)れてきた。

校庭や広場に仮設住宅が建ち、
子どもたちの遊び場がなくなった。
その子どもたちのために、と
こすもす畑をつぶして、手作りの遊具を置き、
誰もが遊べる公園をつくった。

浜側の街は津波の被害にあったが、
山側の自分たちは失ったものはほとんどない。
であるならば、浜の方の人たちの役に立ちたい、と
炊き出しボランティアにも参加して、
そのお礼に、と公園づくりを手伝ってくれた人たちもいた。

こすもす公園は、出来上がったら予想通り、
子どもたちがたくさんきた。
見たこともない滑り台や、見たこともないブランコがあって、
木のチップが敷き詰められてるから、地面はふわふわ。

そして公園に、大きな壁画ができあがった。
タイのバンコク在住の画家阿部恭子さんが釜石に通い、
1年かけて幅43メートル、高さ8メートルの壁画を描いた。
「再生 太陽の国」という作品名だが、みんなは
「きぼうの壁画」
と呼んだ。
壁画には、子どもたちが自分の立ち姿を描いた。
手をつないで横一列になって、希望をつないでいるような絵を描いた。

こすもす公園再生計画の第1弾は、
描かれた子どもたちがどんなぐあいに成長したか。
それぞれの絵といっしょに写真を撮ろう、だ。
10年前の自分といっしょに写真を撮ろう。
そして、みんなで手をつないで横一列になって、
希望がつながっているのを感じてみよう。

ここにくれば、10年前の自分に会える。
こすもす公園は、タイムカプセルでもあった。

写真は『あしたがすき』(指田和・文 阿部恭子・絵 ポプラ社 2016年)より