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希望ってなんだろう

『希望学』を読み返している。

希望ってなんだろかな、と。

『ドン・キホーテ』を書いたセルバンテスは、
「つまらぬ財産を持つより、立派な希望を持つほうがマシだ」
といった。
ヘレン・ケラーは、
「希望は人を成功に導く信仰である。希望がなければ、何事も成就するものではない」
といった。

その一方で、
『星の王子さま』のサンテグジュペリは、
「人類が最後に罹るのは、希望という病気である」
といい、
『異邦人』のカミュは、
「希望とは一般に信じられていることとは反対で、あきらめに等しいものである」
という。

どっちがホントなんだろうか。
こうした「希望」に関する矛盾に、『希望学』は、

それらは、矛盾というよりもきっと真実なのだろう。希望がつねに失望を伴いながら、それでも希望が充実の源泉であるというのは、希望に関する信念ではなく、希望に関する事実なのだ

と書いている。

希望は心に明るい光を差し込む、と同時に、
絶望とか挫折につながるものでもある。

なんだけど、希望が失望や挫折に変わることで、新しい希望を見出すことができたり、
それが結果的にやりがいにであう確率を高めるらしい。

希望学は2005年に始められ、釜石を調査対象として研究されてきた。
その成果を出したあとに、2011年3月11日がやってきた。


『希望学』 玄田有史編著 中公新書クラレ 2006年