きずな商店

首都大学「きずな商店」

首都大学東京の「都祭」(大学祭)って、
飲酒可能なのがすごい。
いまどき、校内でお酒が飲めるなんて……。

早稲田じゃありえない、なんで首都大は……
って考えてみると、きっと酒飲んで暴れるのがいないんだろうな、と。
お酒を飲んでもきっちりしてる学生たち。
よくわからん名前になってるけど、
東京都の公立大学だもんな、そもそも。
品格が……。

岩手県大槌町に通う
「東日本きずなプロジェクト」
という学生団体がある。
首都大学の公認サークル。

きずなプロジェクトは毎年都祭で飲食模擬店をだすので、
ちょっと行ってみたら、
「赤武 AKABU」という日本酒を売っていた。
赤武酒造は盛岡市にあるが、
もともとは大槌町にあった。
東日本大震災の津波で流され、
2013年に盛岡で復活。

ほんのり甘い香り立ちがあります。
口に含んだ瞬間には舌の上で少し甘味を感じます。
その後に僅かな炭酸ガスの刺激とともに
バランスの良い旨味と酸味が心地よく広がります。
キレも抜群、食事とともに食卓を飾ってくれます。

日本酒売れるのかな、と思っていたら
売り切れになるほど売れていた。
男子学生だけじゃなく、
女子学生も買っていく。

恐るべし首都大。

東日本きずなプロジェクトは、
2011年に早稲田大学の大隈塾の学生と、
慶應義塾大学の文明塾の学生たちが立ち上げた。
文明塾からは、SNSやチラシやパンフレットやあらゆるところで
「文明塾」って使ってはいけない、と申し渡されたので、
きずなプロジェクトに参加している文明塾の学生たちは
「文明塾会」という有志団体を立ち上げて、
こっそり活動していた。

2011年という世の中「なんかしなくちゃ」という雰囲気いっぱいのとき、
大学生が「なんかしなくちゃ」で夜行バスに乗って東北の奥の方に通って、
ちょっとしたボランティア活動、
ひところでいう関係人口化して頑張ってるのに、
知的財産権があるから使用禁止、って、
まあそりゃそうなんだろうけど、
なんか不便なこともあるもんだね〜、と思っていたことを、
都祭の模擬店で赤武を飲みながら、
懐かしく思い出した。

2019年、いまでは早慶両校の学生はいなくなり、
首都大の学生たちだけになり、
首都大がちゃんとしたサークルであることを認めてくれて、
2018年は新入生ゼロだったけど、
2019年は1年生が入ってくれて、
少人数高齢化した団体ではあるけれども、
ちゃんと活動を続けてくれている。

感謝の意味も込めて、
慶応の卒業生も早稲田の卒業生も、
都祭にはお客さんとして顔を出したり、
スタッフとして販売を手伝ったりしている。

早慶の学生だと派手なことを考えがちだが、
首都大の学生たちは、堅実な活動に抑えている。

やっぱり、大学祭で飲酒可能な大学はえらいな、
と感心した。