たくみくんのアートツアー1

たくみくんのアートツアー

植田工くんの壁画を観に、大隈塾ゼミ生たちと行ってきた。
目黒駅のアトレの階段。

壁画は4枚。
2階と3階の踊り場から始まって、
目黒のさんま

たくみくんのアートツアー2


目黒川の桜
お買い物
母子像

たくみくんはしゃべりだしたら止まらないので、
5分ずつ、アラームをセットして、
ピピピっと鳴ったら、しゃべりの途中でもゼミ生、次へ移動。
たくみくんは、しゃべりながらついてくる。

目黒のさんまでは、絵の見方を教えてくれた。
一枚の絵でもストーリー仕立ての絵があって、
目黒のさんまがそれだった。
右上から始まって左に移動していく。
ストーリーは落語の「目黒のさんま」だから
お殿様が鷹狩り→帰りにお腹すいた→百姓ん家でさんまを食べる
→はまる→屋敷でも食べたくなった→みんな困る→アタマと骨を脂を抜く
→きれいに配膳→お殿様ザンネン→「さんまは目黒にかぎる」

視線が動くリズムを考えて描かれている。
逆にいうと、観る人は作家のしかけたリズムで、視線を走らせることにもなる。

目黒川の桜は、目黒川が一点に収束しているのに対し、
桜の花が視線の一番手前にがわわわわ〜と咲いている。
二重構造になっている。

桜の木の枝がちゃんと描かれていない。
どこまで描き込むか、これも観る人の視線のスピードを考えてある。
「たとえば、アニメーション映画の背景を描くときに
1秒でどのくらい観客の印象に残すか、って考えます。
1秒ですから描き込み過ぎても、
描き込まな過ぎてもダメなんです」

「お買い物」は抽象画。
「自分では具象中の具象だと思ってんですけど(笑)」
¥の杖をついた家族が、アトレにお買い物にいく。
使ったお金はやがて、$になって吸い上げられていく。
むちゃくちゃシュールだ。

母子像は、たくみくんのライフワーク。
近くに寄ってみる観方と、
ちょっと離れて観る観方があって、
この絵はそうして観るとそれぞれ違った味わいが得られる。

絵は、
「きれいだな、ってところからはじまって、
それで終わらずに、もうちょっと楽しめるものなんです」

イラストとの違いは、
「時間に耐えられる、ってことですかね、絵は。
その場でじっくり観ることもできるし、
100年後でも価値が変わらない絵もある。
ってことですかね」

試験中だったので、4人しか参加できなかったのが残念だったけど、
おもしろくて学びのあるアートツアーだった。