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電池エネルギーを最後の一滴まで

走ってたら、懐中電灯が消えていた。
ちょっとした達成感があってうれしかった。

毎朝5時に走り始める。
外はまだ真っ暗だから、懐中電灯を手に持って走る。

それは道を照らす、自分のためじゃなくて、他人のため。
わたしがここにいて走ってますよ、と存在を知らせるため。
ぶつからないでくださいね、と。

毎日だいたい小一時間ぐらい点けっぱなしだから、
単三電池2つの懐中電灯の光は、
2ヶ月3ヶ月すれば小さく暗くなってくる。

このごろは明るくなった。
写真は、5:50ごろの釜石港。

ふと気がついたら、灯りがホントに小さく小さくなっていた。
スイッチをオフにして、しばらくしてまたオンにしたら、
さっきよりは光度が増したけど、
すぐにまた小さくなっていって、
そして消えた。

電池を使い果たした。

電池を使い果たした瞬間を実際に見るのは、
1.8リットルパックの牛乳を飲み干すより稀で、
コーヒー豆を使い切るより稀で、
歯みがきを絞り切るより稀で、
ボールペンのインクがなくなるよりも稀だろう。

電池を最後のエネルギーまで使い切った。
ちょっとした達成感があってうれしかった。