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うれしいと思ったことを言語化してみる

実家の事業が倒産、家を追い出される

『ミーニング・ノート』を読んでいる。

著者の山田智美さんは、一部上場企業のお嬢さんだった。
山田さんのお父さんの会社は、丸の内の新丸ビルの最上階にあった。
なんの苦労も心配もなく、育ってきた。

ところが、リーマンショックで事業が傾くと、
倒れるまで超スピートだった。
山田さん一家は、仕事もお家も手放さざるを得なかった。

山田さんは、父の会社で働いていたが、
実質なんの仕事もしてなく、利益にも損益にも貢献していなかった。

世間知らず何も知らず、ネットカフェに通い、
職業安定所で失業手当の手続きをするしかなかった。

ネットカフェで3ヶ月過ごしてみて

3ヶ月たって、「なんとかしなきゃ」と一念発起、
書棚にあった自己啓発本を引剥しだして、
心に響いたフレーズを紙に書き出した。

「鏡の前で自分を褒めてみる」
「寝る前に感謝することを思い出してみる」
「毎日うれしいことを3つ日記に書く」

このうち、毎日うれしいことを日記に書く、ならできるかもsと思った。

でも、ネットカフェに引きこもっているんだから、
うれしいことなんてなにもない。
「コンビニで買ったチョコレートが美味しかった」
「YouTubeで見たお笑いが面白かった」

これっぽっちの人間なのか、人生なのか、
と希望を持つどころか、逆に絶望した。

でもこれしかできることはない、自分にはこれしか残されてない、
と思い直し、「3つ日記に書く」ことを続けた。

「『きみたちはどう生きるか』を読んで感動した」
「雨の日も悪くないって思えた」

「うれしいこと」は探せば見つかる、ってこと、
ただ見てなかっただけ、ということに気がついた。

うれしいことは1000個以上に

1年書き続けたら、「うれしいこと」は1000個以上になった。
あるとき、学生時代の同級生が一斉送信(本気じゃないコミュニケーション)で、
近況報告のメールが周ってきた。
一斉返信(機械的に返信してしまう)に気をつけて、
「すてきな仕事ですね」
と、ダイレクトメッセージを贈ったら、
「いっしょに働かない?」
と。急成長しているIT企業だった。

そこから、留学、転職、本の執筆、取締役への昇進、起業、
など、わらしべ長者的にキャリアステージを駆け上がった。

すべては「うれしいこと3つ書き出すノート」に始まる。

うれしいことを書き出す。
それをきちんと言語化する。
つまり、「うれしい」と思ったことを意味づけする(ミーニング)。
言語化、意味づけされたこころの叫びを、
こっちのそれと、そっちのあれを結びつけて、
新しいことを初めていった。

内発的動機づけ

やがて、それらが「自分がやりたいこと、ワクワクすること」であり、
内発的動機であることに気がついた。
一生懸命にやらなきゃいけないこと、ではなく、
夢中になってやりたいこと、になった。

目には見えていることでも、心に届いていないことはたくさんある。
心に届いていないことを心に届に届けるためには、
意味づけ、言語化して、
関連付けする・

いま山田さんは、ミーニングノートのメソッドを広げて、
多くの人がチャンスを見逃さないように、
チャンスだと気がつくように、
そのときに行動できるように、ワークショップを開いている。


thanks to: 『新板 ミーニング・ノート』 山田智恵 金風舎 2021年