人事に自分の人生を委ねたままでいいの?

今日は公務員時代の友人に会い、また当時のことを思い出したので久しぶりにマガジン書いてみます。やはり人間昔のことは忘れるようにできているらしく、きっかけがないとホントに思い出せなくなってきています。

今日は人事(部署)の話。どこの組織でもそうだと思いますが、なんか人事って偉そう、みたいな印象がありますよね。実際そうでない人もいるし、ステレオタイプが多いのもわかるのですが、それでも実際感じのよくない人もいたりします。人事の人だって所詮組織のコマであることに変わりはないので、「好きで人事になったわけじゃないんです、この仕事ホントに嫌なんです」という人も大勢いるでしょう。最初はそう思っていても周囲や仕事内容に染まってしまったりして、感じの良くない人になってしまう可能性も十分あります。気をつけないと、驕ってしまったり、天狗になりやすい部署だと思います。

人事のことを「なんか嫌だな」と思ってしまうのは、話していてもいつでも評価されているのではないかと思ってしまうこと、同じ社員(職員)として入社したのに、自分の配属先決定に大きく関わる存在であるということ、秘匿情報が多く謎めいていること、特権のように社員の個人情報に触れられること、などが理由としてあると思います。それで、イケてない人事の人は「自分は選ばれた人間だ」とか「人事は権力を持っている」みたいな勘違いをしてしまい、横柄な態度、偉そうな態度をとったりして煙たがられる、みたいなことが往々にしてあります。同じ社員(職員)の立場なのに、なぜ相手だけは私の個人情報を知ってるの?って思ったりもしました。まさに、「支配・被支配」「管理・管理下」という感じで、これぞ上下関係ですよね。なぜ「たまたまその組織で人事に配属された人」に一方的に評価されないといけないのかも不明ですし、上司との関係のみならず、人事部署と自分の間にも上下関係があるという、多重ピラミッド構造によく耐えていたなぁと、当時を振り返ると思いますね。そして、人事部署があったのは総務でしたが、総務にいた人は異動希望を叶えてもらえることが他より多いことを肌感覚として得ていて、その辺りも納得いかないなぁと思いながら日々過ごしてました。どこか特定の部署に絶対に異動したければ、その部署があるおおもとの総務に配属されれば、次は叶う可能性が高い、というのが私がいた組織の通例でしたね。

採用担当の人事の方もいらっしゃいますね。裁量がどのくらいあるのかはその組織によるでしょうが、採用は人事異動よりもその人の人生を左右するものですから、責任重大なお仕事です。就活で苦労した私としては、「人事は何を見て採用しているのだろう」とよく疑問に思ったものですが、基本的には「健康で組織に従順な人」を採りたいというのが共通認識だと思います。いわゆる「能力」=「組織の奴隷としての能力」が高い人を探しているわけです。内定をもらえたということは、組織の奴隷としての能力を認められたとも言えるでしょう。結局民間企業どこも受からず公務員になった私は、組織に耐えられず仕事を辞めたので、民間企業の採用担当は見る目があったのかもしれません(笑)。

人事異動にしても採用にしても、人の人生を決める大きな仕事、そして、人を「評価」し「裁」くことで、自分に権力があるように錯覚しがちな仕事です。大きな組織には人事部署が必ず存在しています。本当に人としての器がしっかりしていて、人を見抜く力がなければ、人事の力不足で変な組織になってしまうということは十二分にありえるわけですよね。人を見極め、適材適所に配置するというのは、想像以上に難しいものだと思います。人事は常に間違うのが大前提で、「人事がおかしい」というのはすべての組織に普遍的な事実だと思います。だから、不採用だったとか変な部署にいかされた、ということがあったときに、自己肯定感をやたらと下げてしまうのは非常にもったいないし、時間とエネルギーの無駄です。自分の価値は他人の評価で左右されるものではないからですね。

公務員時代の「キャリアデザイン研修」は無意味でしたの記事にも書いたとおり、大きな組織にいると、自分で自分の人生を創造できるという意識が希薄になり、適性のない仕事ややりたくない仕事に就く可能性が高くなります。さらに、常に不満を持ちながら働く人が増え、それでもお金のために無理してしがみつかなければならないという無力感にさいなまれ、社員(職員)の士気が下がり、サービスの質は上がらず…という書き出したらきりがない無限ループに陥る気がします。「やりたくないけど無理してやっている」という個人が多いほど、組織の内部は荒廃していきます。「働く」ということは、人生の生きている時間の大半を占める重要な営みですから、それを自分以外の他人に委ねて生きていて良いのだろうか、ということは非常に疑問に思います。組織の絶対的な上下関係に従うことを強制される働き方は、もういい加減無理、という人がこれからさらに増えるのではないでしょうか。「自分の人生は自分で創造する」という意識の方が増え、ピラミッド組織が徐々に崩壊して個人が輝く社会になることを強く願っています。

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