「話を聞く方が好き」という人はいない

世の中に話し好きの人は多いですが、聞く方が好きという人は少数派な気がしています。もっと言うと、「聞く方が好き」と言っている人も実は話す方が好きです。何らかの理由で自己開示したくないか、相手を選んでいるか、そういうキャラを演じているか、どれかです。ですから、「人の話を聞ける人」というのは必然的に貴重になってくるので、表向きの人間関係を円滑にしたければ、ひたすら聞き役に徹すれば、嫌われることはまずないでしょう。

食欲、性欲、睡眠欲と「しゃべりまくりたい欲」を制御するの記事にも書きましたが、「しゃべりまくりたい欲」というのは、見方によっては人間の4大欲求に入るほどの欲求であり、誰しも備わっているものです。大学での大教室の講義などを思い出していただけるとわかるのですが、一方的に話を聞くだけの講義はつまらないですよね。ゼミ形式で活発に意見交換して交流するタイプの授業の方が、参加している感が出て充実感を感じるのではないでしょうか。自分の感じたことや意見を言って、その反応をもらいたいし、わかってもらいたいという欲求は誰にでもあるので、それをうまく満たしていくことが人間関係でストレスを溜めないコツなのだと思います。

最初の段落と矛盾が生じるのですが、相手に気に入られよう、嫌われないようにしよう、と思うと、聞き役に徹するのがカギなので、自分の話は少な目、あんまり言わないことがキモです。適度な相槌を打ち、反応を大きめにする、相手の話したいことを引き出していく。そういう上手な聞き役に対して反感を持つ人はいませんし、もっとプライベートなことまで話してくれる可能性大です。親しくなりたい人に対しては聞き役になることが、知り合った最初の方は大事だと思います。

しかし、そういったアンバランスな人間関係ではやはり聞き役の方にストレスが溜まってしまい、親しくなりたかった人なのに、話していると自分ばっかり聞いていてつまらない、という状況に陥ると思います。よく聞く夫婦の不和でも、旦那さんが自分の話を聞いてくれないと不満を感じる奥さんや、オチのない話を聞かされて苦痛という旦那さんの話などがありますが、「聞く・話す」のバランスがうまく保てないと、いろんな人間関係がうまくいかなくなってしまいます。

おそらくそれは人間関係におけるパワーバランスを表していると思いますし、「場の主宰者」というのは、たいていはそのコミュニティの中で一番よく話す人ということになります。もっと言うと、エネルギー的な話にもつながりますが、よく話す人は相手のエネルギーを奪い、よく聞く人は相手にエネルギーを吸われていると言えます。誰かが話している間、その「時間」はその話している人の「時間」だからです。聞いている人は貴重な「時間」というエネルギーをその人に明け渡していることになります。

そんなこともあって、私が自分でワークショップを開催した時や、これからの活動においても気を遣うことの一つに、「私ばかりがしゃべり続ける形式はやめよう」というものがあります。これからもワークショップなどを開催していこうかな、と思っているのですが、やはり参加者の方に感想や意見をシェアしてもらったりして、満足度の高い会にしたいという思いがあり、その点は非常に気を配るところです。そうなると少人数制の方が楽しいんですよね。そもそも今の私に大人数集められる集客力がないということもありますが(笑)。

「聞く・話す」のバランスを考えてコミュニケーションを取るようにすると、色々な関係性が見えてきます。自分なりの心地よいあんばいで一緒にいられる人というのが、相性の良い相手なのかもしれませんね。

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