「月給+残業代」×「年功序列」は病み組織

今日は気になる概念「時給(月給)」と「年功序列」について。私は現在週1~2回ですが、アルバイトをしているので時給で働いています。その時間働けばもらえるわけですから、手を抜こうが頑張ろうが同じお給料しかもらえない、というのが時給。頑張れば頑張るほど労力の無駄遣いになってしまうのが時給制。残業代についても同じで、残業してやればやるほどその時間の分もらえるわけですから、残業しないで効率良く終わらせるほど、お給料がもらえない。公務員を辞めたかった理由の一つがそれでした。

公務員の特徴、「年功序列」も結局は同じなのではないかと思います。能力はさておき、その組織にいる「時間」が評価されて昇給するわけですからね。とにかく「時間」単位。簡単に数値化できるので、わかりやすいといえばわかりやすい指標です。しかし、時間を評価軸にしてしまうと、いればいい、さぼってもいい、と考える人が必ず出て、組織として荒廃するのは明らかなんですよね。それで、頑張って効率よく仕事しようとする人がやりきれなさにメンタルやられて、見切りをつけて退職・転職っていうのが頻発するわけです。別に自分の能力では割に合わなかったから辞めたのだ、と言いたいわけではないのですが、組織の構造に対する我慢の限界にあったということは言えると思います。いくら頑張っても、人事の評価が良くても、給料は1円も上がらないんですからそれはやる気は出ませんよね。かと思えば老害世代の人はたんまり退職金もらえるわけですから、やりきれなさマックスでした。「公務員は真面目でコツコツ型の人が向いている」とよく言いますが、そういう人はやめておいた方が良いと思います。サボり体質の人にイラついてしまうストレスでおそらくつぶれてしまうでしょう。

公務員は正確に言えば時給制ではないのかもしれませんが、月の決まった労働時間に対して月給が決まっているわけですから、ほぼ同じですね。大企業もそういう給与体系のところが多いのでしょうか。頑張れば頑張るほどやる気を失う構造の組織なんて、絶対にうまく回るわけがないと思います。なぜ真面目に働けば働くほどつらい思いをすることになるのか、なぜ残業をしないで帰ることに罪悪感を感じることになってしまうのか、今でも本当に疑問です。純粋に頑張りたい人にとって、「月給+残業代」×「年功序列」はマジで精神病む組織構造だと思いますよ。

かといって、「残業代は払いません」というのもブラックだと思うわけで、定時で終わるはずのない仕事を与えておきながら残業代が出ない、というのは絶対におかしいわけです。月給制を維持するのであれば、残業代は払われてしかるべきと感じます。しかし、能力の個人差によっては、誰々がやれば終わるけど誰々がやると終わらない、みたいなこともあったりして、そうすると早く終わる人にとっては公務員の例と同じく不満の種になることもありますよね。そこが給与体系の妙で、時間を軸に給料を払うことも、完全成果主義というのも、どっちもバランスが悪いわけです。なので、私の考えでは「固定給+歩合」というのが一番しっくりくる給与体系かなと思っています。私が会社の社長になるとしたら、そうしたいですね。

給与体系の話もまた、自分の中で結論が出ていない話の一つで、「新しい組織のあり方」シリーズにものちのち書いていこうと思っています。「残業代が払われない」とか「従業員がだらだら残業して困る」というのは、全く発展性のない愚痴に過ぎず、そういうことを言うなら、「じゃあどういう給与体系であればみんなが納得できるだろうか」ということを考える必要があると感じます。「月給+残業代」の概念を採用する以上は、その問題は絶対に、100%生じてくるからです。根本的な構造の問題なのです。給与体系の改革は、新しい時代の働き方を考える時には欠かせない概念だと思います。今の社会全体が病んでいるのは、この給与体系によるものもかなり大きいと感じます。どうしたらみんなが納得して働けるか、「月給+残業代」×「年功序列」の組織構造から少しずつ離れて、新しい組織の給与体系のあり方を考えていきましょう。

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