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すかいらーくホールディングス 2023年12月期 第3四半期決算短信 まとめ


まとめ

業績としては、順調に推移するのではないかと考えられます。新NISAでも人気の銘柄になる可能性がありますので、施策の内容に納得いくのであれば投資を検討するのも良いのではないでしょうか。
ただし、PERが高く配当利回りも低いため割安株とは言い難く下落する時は大きく下落する可能性があります。

外食産業における厳しい経営環境にもかかわらず、当四半期では既存店売上高の回復、キャンペーンや新業態の導入による売上増など、積極的な経営施策が功を奏しています。また、経費削減や新規出店、業態転換など、経営努力と戦略の成果が明確に示されています。新業態の導入や店舗改装など、将来の成長に向けた取り組みも進んでおり、決算数値でも好調な業績が示されています。今後の展望に期待が寄せられます。
インフレによる厳しい経済状況にもかかわらず、柔軟かつ効果的な対応策を講じ、同時に戦略的な成長に向けた施策を進めています。これにより、コスト削減や業績向上だけでなく、将来の成長にも備えています。このような変革が、企業の強さと柔軟性を証明しています。


1. 決算概要


2. 連結経営成績(累計)


3. 1株当たり利益

基本的1株当たり四半期利益:

  • 2023年12月期: 19.93円

  • 2022年12月期: △20.29円

希薄化後1株当たり四半期利益:

  • 2023年12月期: 19.93円

  • 2022年12月期: △20.29円


4. 財政状態

  • 資産合計: 421,676百万円

  • 資本合計: 162,172百万円

  • 親会社の所有者に帰属する持分: 162,172百万円

  • 親会社所有者帰属持分比率: 38.5%


5. 配当の状況

  • 2022年12月期配当: 0.00円

  • 2023年12月期予想配当: 6.00円


6. 2023年12月期の連結業績予想



7. その他の指標

  • EBITDA(2023年12月期第3四半期): 45,895百万円(増減率 +46.8%)

  • 調整後EBITDA(2023年12月期第3四半期): 49,852百万円(増減率 +41.5%)

  • 調整後四半期利益(2023年12月期第3四半期): 4,533百万円

8. 経営成績に関する説明


経済状況: 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、外食産業は厳しい状況にあります。しかし、感染者数の減少による回復が見られ、一方で選択的消費の増加や生活防衛意識の高まり、原材料費・物流費・光熱費の価格高騰などの課題もあります。

既存店売上高: 第3四半期の既存店売上高は前年比120.4%となり、春休み以降の回復基調が強まっています。特にヤングファミリー層や地方ロードサイド店舗、ファミリーダイニング業態の回復が顕著です。

施策とキャンペーン: メニュー改定やキャンペーンが功を奏し、特に「半額クーポン祭」などのキャンペーンが売上に大きく寄与しました。これにより、8月以降も売上が堅調に推移しています。

経費削減: 経費削減策も実行され、売上増による純増分を除いて水道光熱費の使用量を約6%、食器費・消耗品費を約13%削減。全社レベルでのプロジェクトにより実質的な経費抑制が達成されました。

店舗展開と業態転換: 新規出店や業態転換が積極的に行われ、新業態「八郎そば」「飲茶テラス 桃菜」の好評が得られ、将来的な業態展開の候補として位置づけられています。

業績回復と閉店: 業績回復により閉店を撤回する店舗もあり、のれんの除却損は予想よりも減少しました。

その他:

  • 店舗数: 2,977店舗(期首時点は3,056店舗)

  • のれんの除却損: 28,120百万円

  • 新規出店: 18店舗(うち5店舗は海外)

  • 業態転換: 31店舗

  • 店舗改装: 73店舗

インフレへの対応と成長戦略: ビジネスの変革と前進

インフレの影響と概要

最近の経済状況がインフレによる影響をもたらし、企業もその波に乗り越えるべく様々な対応策を講じています。2022年対比で112億円ものコスト増加があり、その主な要因は生産・物流費、消耗品・食器費などに起因しています。特にQ3累計において、人件費、食材原価、水光熱などのカテゴリでコストが上昇していることが明らかになっています。

対応策の概要

企業はこの厳しい経済状況に対処するため、以下のような対応策を講じています。

  1. 原価低減の進捗:

    • 購買改革、価値コスト最適化、生産物流改革などを通じて、年間目標である30億円の原価低減に向けて進捗が見られています。

  2. 購買改革:

    • 規格緩和、契約条件変更、価格交渉、そして入札による取引先選定などを実施し、効果的なコスト削減を目指しています。

  3. 生産物流改革:

    • メニューセグメントの見直し、レシピ・食材の最適化、物流効率の向上など、生産物流に関するさまざまな施策が進められています。

  4. 店舗改革とエネルギー効率向上:

    • 電気・水道・ガスの使用量削減、消耗品費の最適化、配膳ロボットや新POSシステムの導入など、店舗運営の効率化が進行しています。

  5. 拡大効果:

    • 深夜営業時間の延長やUberEatsへの対応を通じて、Q3累計での改善効果は4億円(深夜営業延長)および20億円(UberEats拡大)と見積もられています。これは年間換算で40億円(深夜営業延長)および5.4億円(UberEats拡大)に相当します。

戦略的な成長と変革

単なる対応策だけでなく、成長に向けた戦略的な取り組みも行っています。

  1. 新店/リモデル:

    • 駅前出店の厳選により、新規店舗の展開を進めています。

  2. 業態転換:

    • ストアポートフォリオを最適化し、業態転換を通じて自社のカニバリ解消を目指しています。

  3. リードサイン/IN看板:

    • 視認性向上による客数増加と、クルーの研修・外国人採用を通じてサービスの向上を目指しています。

  4. QSC向上・トレーニングへの投資:

    • クルーの研修を継続し、外国人トレーナーチームを結成してトレーニングセンターを開設。サービスの品質向上に注力しています。

  5. メニュー政策:

    • ファミリーダイニングやカジュアルダイニングの事業において、メニューの見直しと新たな提案を行っています。

  6. DXアップデート:

    • セルフレジの全店展開や宅配ドライバーの外部化など、テクノロジーの導入を通じて業務プロセスを効率化しています。

  7. 物流2024年問題への対応:

    • 物流の効率向上と働き方改革を進め、IT活用や車両大型化、無人納品拡大により効果を上げています。


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