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不動産価格はゆっくり上がってゆっくり下がる


不動産投資をするなら、なるべく安く物件を買いたいと思うのが普通です。

では、不動産はどんな時に安くなるのでしょうか?

それを理解するために、まずは不動産価格の動きの基本を押さえておきましょう。

不動産取引は時間がかかる

まずは不動産取引の特徴をみてみましょう。

株と不動産の取引には大きな違いがあります。

それは何でしょうか?

取引にかかる時間の違いです。

株は売買がしやすい資産です。

買いたい時はボタンをクリックすれば買えてしまします。

売る時も買う時と同様です。

一方、不動産はボタンをクリックしても買えません。

契約に至るまでには価格などの条件交渉が必要です。

交渉がうまく行っても、銀行から融資のOKをもらうまでの時間もかかります。

例えば、交渉の開始から最終的に取引が完了するまでにかかる時間は

・買付証明書の提出〜条件交渉:2-3週間

・契約締結:1-2週間

・融資申し込み〜承認:2-4週間

・決済(取引の完了):1週間

これくらいかかります。

早くても1ヶ月半、大体2ヶ月前後かかるのが一般的です。

不動産の売買には多くの人が関わるので、買主の都合だけで物事を進められません

・売主が海外出張中なので、帰国まで1週間は保留

・銀行担当者が忙しいので、融資審査の進みが遅れている

・決済日を決めたいが、関係者のスケジュールが合わず2週間先になる

このようなことは頻繁に起きてきます。

不動産取引は株の売買と違って時間がかかる、ということを押さえておきましょう。


不動産の価格はゆっくり上がってゆっくり下がる

不動産の価格は比較的ゆっくり動いていきます。

理由は、上で説明した通り一回の取引に時間がかかるからです。

株の取引であれば、株価の急上昇や急落が起きます。

例えば、リーマンショックのような時は、株を売りたい人がたくさん出てきます。

彼らがボタンをクリックして株を売り、株価はどんどん下がります。

次に、その値下がりの様子をみて不安になる人が出てきます。

「このままではまずい」と思った彼らもボタンをクリックし、ますます株価が下がるという流れです。

一方、不動産価格はそう簡単に上下しません。

不動産オーナーが「まずい、売りたい」と思った時、ボタンをクリックしても売ることは出来ません。

代わりにスマホの画面をクリックし、不動産会社に電話します。

「不動産を売りたいから購入希望者を探して欲しい」と依頼を出します。

そこから不動産会社が買主を探しに動きます。

この買主探しの時間は、上で説明した「通常1ヶ月半〜2ヶ月かかる」の中に含まれていません。

買主探しに数ヶ月かかることは良くあることです。

つまり、不動産会社に依頼してから実際に売れるまでは3-6ヶ月はかかることが多いです。

株の取引とは大きな違いです。

売ろうかな → 売れた

このやじるしの期間が3-6ヶ月もかかります。

不動産価格がゆっくり動くのはこのような理由があります。

もちろん、売主が相場価格より大幅に値下げしているような場合はこの限りではありません。

すぐに購入者が見つかることでしょう。

ただ、売主がそこまで大幅な値下げをすることは珍しいです。

不動産を保有していても家賃収入が入るので、焦って売る必要がありません

売却理由で多いのは

「売らなくても良いけど、なるべく高いうちに売っておくか」

というケースです。

特殊な事情がない限り、不動産価格が急激に上がり下がりすることは起こりづらいことを知っておきましょう。

*なお、この記事は一般個人投資家が不動産投資をすることを前提にしております。


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