子供の頃は、毎年クリスマスパーティをした

 私は、お酒を飲むことは好きである。
 弱い方ではないし、そもそも大量に飲むことはないので、酔うことはあまりない。
 八分目、味わう余裕のあるところでごちそうさま、ああ美味しかった、これが醍醐味というものだろう。

 他人に迷惑を掛けてまで飲む酒は美味くない。
 まして、自ら他人に迷惑を掛けにいくというのは、どうした心持だろうと、思うものである。

 ここ数日、あまり愉快でないニュースを目にする。"Trick or Treat!"――警察動員、街はゴミの山、あれ、おかしいな、ハロウィンは明日ではなかったか。
 お菓子をもらえないからと言っていたずらの度が過ぎていやしないだろうか。これではお菓子を配る"大人"も命がけだ。

 クリスマスと言いハロウィンと言い、当日でなくとも、そのイベント事にかこつけて馬鹿騒ぎをしようというのはつまり、それがそもそも何のための日であるか、そんなことはどうだって良いということだろう。

 否定するつもりもないし、他人の楽しみを邪魔する気はない。私とてお祭りは大好きだし、仮装、良いじゃないか、楽しいじゃないか、と思う。考えてみれば、子供の頃は毎年家族で予定を合わせて、クリスマスを「やった」ものだ。

 ただ、何のイベントかも考えることなく、度を越して他人に迷惑を掛けることが果たして本当に「楽しい」のか、という疑問が浮かぶのは私だけだろうか。
 楽しむ余裕を残して、ああ楽しかったな、そう反芻しながら眠りにつく、それが一番「美味い」祭ではなかろうか。

 ふと、日本のイベントごとに置き換えて考えて、私は冬至の日以外にゆず湯に入る気にはならないなぁと、ぼんやりそう思った次第である。

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