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映画「ジュリア 幽霊と遊ぶ女」4Kレストア版ブルーレイレビュー「もうひとつの「白雪姫」」。

僕は今まで…努めて「分かり易いレビュー」を書き…。
未見の人でも「映画の筋」が分かる様にレビューを書いて来た…。

だがね。

僕はこれから…。
リミッターを解除して「メチャクチャなレビュー」を書こうと思う…。
型通りの御行儀の良いレビューをチンタラ書いていたら
僕が最も尊ぶ「真実の追究」の妨げになるからだ。

だから…僕のレビューを読んでも
誰の役にも立たないし参考にもならないッ!
僕はッ…僕の魂の結着の為に!
僕自身の為だけにレビューを書くッ!
このレビューを読むオマエ達の事など知った事かッ!
ダレも付いて来られなくていいッ!

警告はしたからなッ!
それでは行くぞッ!

昔々ある所に王様(ケア・デュリア)とお后様(ミア・ファロー)と
娘の白雪姫(ソフィー・ウォード)がそれは幸せに暮らしていました。

王様の前のお后様(キャスリーン・ネスビット)との間には
諸悪の根源子(EVIL CREATURE/サマンサ・ゲイツ)という
白雪姫ソックリのお姫様が産まれていたのですが
人の心を操りユダヤ人の子の四肢を切断して殺す等のオイタが過ぎたので
前のお后様に絞め殺されていたのですが諸悪の根源子はそれを逆恨みして
悪霊と化して自分の母親を殺す機会を伺っていたのですが
母親はキチガイ病院に逃げ込んで手が出せない。

そこで一計を案じた悪霊と化した諸悪の根源子は
今のお后様に憑り付いて一時的に「意地悪なお后様」に変貌させ
白雪姫に毒入りのリンゴを食べさせ窒息死させた後,憑依を解除して
良心の呵責からキチガイになったお后様に
実の母親を殺させる計画を立案・実行しました。

計画通りキチガイと化した今のお后様に
キチガイ病院に入院中の
実の母親の元に案内させた諸悪の根源子は
今のお后様に実の母親を殺させ,
今のお后様に良心の呵責で自殺する事を許しましたとさ。

めでたしめでたし。

ハッキリ言っておきますがね。

この映画はただボケーッと観てるだけでは絶対に内容を把握出来ません。
「2001年宇宙の旅」と理解するには原作の「歩哨」を読む必要がある様に!
キューブリックの「シャイニング」を理解するには
スティーヴン・キングの「シャイニング」を読む必要がある様に!
この映画の内容を理解するには原作小説を読む絶対の必要があるんです。

この映画がじっつっに分かりにくいのは!
原作小説の諸悪の根源子と白雪姫が異母姉妹で
お后様が諸悪の根源子に白雪姫の面影を見て罪悪感に苛まれ,
諸悪の根源子はそのお后様の罪悪感を巧みに利用して
「アナタは娘のワタシを殺した癖に
その娘のワタシの言うコトが聞けないんだあ~?」
「フゥゥゥン?」
「このッ…娘殺しの人殺しのクソ雌犬(fuckin-bitch)がッ!」
…と責め苛んで言う事を聞かせ
実の母親殺しに加担する事を強要させ,
最後には自殺に追い込んだ…。
…という原作のキモが割愛されているからなんですッ!

亡霊が非常に重要な役割を果たす「マクベス」を産んだ
英国の土壌無くしては産まれ得なかった映画であり
英国では拍手喝采で受け入れられたものの
米国では全く評価されなかったのは
英国と米国の「文化の積み重ねの差」を感じるのである。

「映画評論家」などクソの役にも立たないゴクツブシだと思っていたが…。
斯様な「分かりにくい映画」を解題する為に
禄を食(は)んでいるのだとよおく分かったよ。

「作家キム・ニューマンが過小評価された本作を語る」
という特典映像は必見である。

ミア・ファローにはティサ・ファローという
才能に於いても美貌に於いても劣る妹が存在する。

ホラー映画を愛好するものとして
「サンゲリア」で主演女優を演じたティサ・ファローを
決して軽んずるものではないが
「ローズマリーの赤ちゃん」「本作」「ナイル殺人事件」…と
ホラー・ミステリで順調にキャリアを積み重ねていて
本作での難しい役柄を演じ切っているのを見ると
ミアは太陽で自分自身の力で光り輝けるが
ティサは月で自分自身の力で光り輝けない日陰者だと思い知らされるのだ。


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