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アニメ「劇場版響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」レビュー「「一生懸命頑張る事」なんてバカバカしいし意味なんて無いねと笑う奴等の目を見て言ってやれ!「意味ならあるね!」と。」

アニメ「響け!ユーフォニアム」は
作家の武田綾乃氏の小説
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」
を京都アニメーションがアニメ化した作品で,
小学生の頃から「ユーフォニアム」という金管楽器の演奏歴のある
主人公・黄前久美子(おうまえくみこ)(黒沢ともよ)が北宇治高校に入学し
やる気の欠片もない吹奏楽部になんとなあく流れで入部したところ
滝昇(櫻井孝宏)と名乗る若き顧問が着任し,
非常に優秀ながら同時に非常に厳しい指導を行いつつ
吹奏楽のコンクールで全国大会を目指す…という
僕は「古い人間」なので「熱血スポーツ根性もの」と分類してしまうが
現在の言葉では「吹奏楽に懸けた青春もの」と言うらしい。

アニメ版は
黄前が吹奏楽部に入部してから京都府大会で金賞を取って
関西大会進出を決める迄を描いた1期(全13話)
関西大会でも金賞を取り全国大会へと進む2期(全13話)が描かれ
2期の最後に黄前は2年生に進級する。
2年生となった黄前の部活動は
映画「誓いのフィナーレ」でしか描かれておらず
内容はダイジェスト的であって
ファンの間では「2年生編」の
詳細なTVアニメ化が待望されているが
来年の4月から開始される「3期」は
「3年生編」で黄前は吹奏楽部の部長に就任している。

「響け!ユーフォニアム」はタイトルとして「長い」ので
ファンの間では「ユーフォ」と呼ばれている。
「ユーフォ」の映画の中で本作品は「1期」のダイジェスト的内容で
全13話・約325分を105分にギュッと凝縮し
アルティミシアの如く時間圧縮しており,
ファンとしてはアレがないコレがないと悲嘆の叫びが漏れるのは
致し方の無い事と言えるが一見さんにとっては格好の入門編であり
一見さんには是非とも本入門編で誼を通じていただき
「ユーフォ」沼に引き摺り込んでやろうと目論む昨今である。

まあオタクの妄言はさておき,本作品では
1.黄前の吹奏楽部入部
2.高坂麗奈との再会
3.滝教諭との出会い
4.厳しい練習
5.サンライズフェスティバルへの参加
6.吹奏楽コンテスト参加者を選抜するオーディションの実施
7.審査結果に不服のある一部生徒たちの造反
8.一部部員の再オーディション実施
9.滝教諭による黄前の一部戦力外通告
10.黄前が生まれて初めて死ぬほど悔しがり
中学の吹奏楽コンテストで高坂が
泣いて悔しがった気持ちを理解し,
以降,スカした態度を改め吹奏楽に真剣に打ち込む
11.府大会での金賞獲得・関西大会進出決定

と要所を抑えた内容となっている。

サンライズフェスティバルとはブラスバンドによるマーチング(行進)で
各校がパフォーマンスで鎬を削る祭りであって
府大会へ向けての前哨戦的意味合いを持つと滝教諭は解釈する。
マーチングにはTVアニメ版には無かった新作カットがあり眼福である。

府大会では黄前の台詞(モノローグ)が新規に録音し直されている…が!
この箇所は絶対にTVアニメ版の方が最高なので
是非とも全13話を履修して欲しいのだ。

エンディングも新規となってて1期主題歌をフルで聴ける。
映画が終わった後に「3期」の番宣が入っており
YouTubeのちっこい画面では伝わらない魅力が伝わって来る。

NHK Eテレで「ユーフォ」の映画が放映され,
「3期」が放送されると言う事は
「ユーフォ」が全国津々浦々で放映・放送されると言う事であり
「全国区」に進出したと言う事であり,
今まで「ユーフォ」に触れる機会の無かった人が
「ユーフォ」に触れる機会が生じたと言う事である。
また初の字幕放送になっている事も特筆すべきであろう。

僕は「一生懸命頑張ること」に不熱心だった黄前が
死ぬほど悔しい思いをして
「(高坂に)本気で全国に行けるとでも思ってたの?」
と高坂の熱意を鬱陶しく思い冷笑した
「私の考えは間違っていたッ」
と翻意する場面が本当に好きだ。

命を投げ捨てて一生懸命に「何か」に取り組む事の素晴らしさを
「ユーフォ」は教えてくれるのです。


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