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映画「アリゲーター2」2Kレストア版レビュー「雑草みたいな映画」

(あらすじ)
町の地上げ屋が公園の池に産業廃棄物を投棄して池に棲むワニが
ハリボテのワニにポケモン進化して
発泡スチロールの尻尾を振り回して大暴れ!さあ大変!

聞いた事もない俳優が聞いた事もない映画で
信じられん程低予算でヘッポコな演技を披露する…。
一見「アリゲーター2」に「アリゲーター1」に勝る点は
何ひとつない様に思える。

実際…最初は何で「アリゲーター1」しか4K UHD化しねえんだよと
思っていたが…「アリゲーター2」を観終わった今は
「ブルーレイ化してやっただけでも有難いと思え!」の一言に尽きる。

だがな。

吹き替え声優陣の豪華さで「アリゲーター2」が俄然キラキラ輝き始める。
ブラック魔王(大塚周夫),ターミネーター(玄田哲章),T1000(江原正士),
神崎メグ(吉田理保子),マーク(金城哲夫),野原ひろし(藤原啓治),
セーラージュピター(篠原恵美)…。

皆さんが「覚えておられる映画」ってきっと映画全体の5%にも満たなくて,
ホラー映画の場合はもっと状況は悪く1%未満だと思います。
残りの99%は「誰の記憶にも残らねえ雑草みたいな映画」なのですよ。

でもね。

上記綺羅星の如き声優陣が雑草に命を与え,
CMカットした「午後のロードショー」の録画データを再生するが如き…。
実家に帰ってオフクロの作ったおはぎを頬張るが如き
安心感を醸し出しているのです。

「アリゲーター2」はきっと…誰の記憶にも残らない映画だと思います。

河川敷を散歩しててタンポポやツクシの事は記憶に残るでしょうが
雑草の事など誰の記憶にも残らない様に。

「雑草などどいう草などない」

と葉隠覚悟は言ってますが
実際は「雑草みたいな映画」「雑草みたいな漫画」「雑草みたいなアニメ」が殆どじゃないですか。

豪華声優陣の活躍によって「雑草みたいな映画」に目を向ける機会が
生まれましたが…多分もう二度と見る機会はないと思います。

闇に生まれ闇に消える…それが「その他大勢」の定めなのです。

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