中学の時に出会ったマー子。
マー子は私よりも、もっとすごいくせ毛の子だった。
髪をふたつに結ぶと耳の下にマリモがくっついてる様に見えるくらいチリチリなくせ毛だった。
ある時、縮毛矯正をかけて登校してきた。
あまりの変貌ぶりに、同級生みんな度肝を抜かれた。
そんなマー子は、今どうしてるんだろう。

成人式で再会した。
マー子は、私が着ていた振袖を見ると
「あ、それ。私が選ばなかったやつだ。」と言った。
マー子は、余計なことを言う子だった。
(いいんだよ。あたしに選ばれて着物も喜んでるよ)
と心の中で思った。

成人式を機によく遊ぶようになった。
マー子の十八番は、一青窈の『ハナミズキ』だった。あまり上手くはないが、結構歌う方だった。

ある時、マー子の好みのタイプを聞いた。
「EXILEのTAKAHIROみたいな人かな。」とか言うから、
「現実見な。そんなのいないよ。同級生とかは？」と提案すると、絶対ヤダと頑なに拒否された。
そんな同級生と私はその頃から付き合ってたけど。
今もTAKAHIROとか言ってんのかなー。

友だち3～4人で集まると、1回は話題に出てくるマー子。
「ね、マー子ってなにしてんだろうね。」
みんな気になっていても、誰もそこからLINEしたりはしない。話の流れでちょっと挟まれるマー子。
結婚したとは聞いていない。
今じゃ、年賀状のやり取りだけがマー子と繋がる唯一の手段になってしまった。
しかし、ここ2年はうちで続けて不幸があり年賀状が出せていない。
マー子からの字が小さくてなんて書いてあるか読むのが大変な年賀状も貰えない。

マー子、なにしてんのかな。

私はたまに思い出してるよ。