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FF16ロアの日本語版・英語版の比較③(召喚獣と魔物)

限界トルガルです。引き続き、FF16のハルポクラテスのロアに関して、ハルポクラテスのロアの大項目である「登場人物」「地理と情勢」「世界と事象」「召喚獣と魔物」にそれぞれ分けて、英語版のロアを翻訳することで自分なりに気付いたことなんかを書いていきます。

今回は「召喚獣と魔物」について。

この記事は英語版と日本語版が違いに文句を言おうとかそういう意図ではないので、読んでいく中で「これは日本語版でも知りたかった!」みたいなことがあれば、知らなかった情報を知っていくことの楽しさや面白さを感じて貰えたら嬉しいです。

そしてこれは英語出来ない人間が、複数の翻訳サイトを駆使してある程度意味が通るように翻訳しているものなので、もしかしたら全然違うとか、そもそも書き起こした文章がちょっと間違ってるとか、そういうのもあるかもしれません。大目に見ていただけるとありがたいです。

まずとりあえず表題のFF16のロア「召喚獣と魔物」についてまとめたPDFを貼るので各自見たい方は見て下さい。文字だらけなので暇で読みたい方だけオススメします(見にくい部分はごめんなさい)


開くとこんな感じで見れると思います。

一応書面の上部にも書いてありますが、ロアの左側が日本語、右側が英語、そして中央の青い色塗りがしてある部分が翻訳したものです。

日本語と比較して表現の違いで個人的に面白い部分を「赤い文字」にしており、さらにその違いの中で個人的に重要そうな表現だなと感じた部分を「緑に色塗り」にしてあります。なので全部読むのが面倒な人は、赤い文字や、緑の色塗りのロアを見てみるといいかもしれません。

日本語版にしかない表現、英語版にしかない表現がそれぞれあり、言い回しを変えている所も両者にあります。個人的にはこういう国によって表現を変えるのは不自然とは思わないので、「なぜその表現を入れたかったのか」「なぜその表現を変えたかったのか」とかすら、考えるのが楽しいと思ってしまいます。ただ、確かに英語の方に追記されている感情や情報があるのは事実だと思うので、そういうのが知りたかった方がスッキリ出来れば更に楽しいですね。

※ちなみに「世界と事象」のロアは内部の小項目全部で63種類(全体690種類)、日本語版ロアの文字数 (これは間違いあるとは思いますが) は7,101字、英語版ロアの文字数は25,106字、翻訳版の文字数、これは自分が作ったので正解はないですが、9,668字となっています。

そしてここからは、個人的に「召喚獣と魔物」のロアで気になったもの(緑色に塗っていたロア)で思った事を書いていきます。


1.イフリート・リズン -フェニックスとの融合-

(日本語)
火の召喚獣であるフェニックスとイフリートが融合した姿。クリスタル自治領で起こったバハムートとの戦いで、追い詰められたクライヴとジョシュアの意思に呼応して新たな力が顕現した。イフリートの体躯にフェニックスの翼が生えたような姿をしており、高い戦闘力を持つ。

(英語)
The two Eikons of Fire united as one. Clive and Joshua manifested this being in the skies above the Crystalline Dominion after entreating their Eikons to grant them the power they needed to quell the raging Bahamut. It has the body of Ifrit, the wings of the Phoenix, and a might that far exceeds either Eikon alone.

(翻訳)
2体の火の召喚獣がひとつになった姿。クライヴとジョシュアは、荒れ狂うバハムートを鎮めるために必要な力を与えてくれるようそれぞれの召喚獣に懇願した後、クリスタル自治領の上空でこの存在を顕現させた。イフリートの身体とフェニックスの翼を持ち、どちらの召喚獣も遥かに凌駕する力を持つ。

まずはイフリート・リズン。

「entreating their Eikons to grant them the power they needed(必要な力を与えてくれるようそれぞれの召喚獣に懇願した)

これは、召喚獣とドミナントの関係性における概念みたいなところに踏み込んでいる感じがしますね。作中を通して、召喚獣そのものが顕現中以外で話をしたりすることは無いですが、クライヴが「来い、イフリート!」と叫んでいたりするので、ドミナントは顕現前に自分に宿る召喚獣に語り掛けるという動作を必ずしているのかもしれません。

イフリート・リズンに関してはジョシュア、クライヴ両者が、「それぞれの召喚獣に懇願した」と書いてあるので「今以上の力を貸してくれ」と召喚獣に語り掛けたという事実が読み取れます。

ここで不思議に思うのは、召喚獣の力とは、そもそもアルテマから分離した属性に派生するものです。「召喚獣」の日本語ロアには、

「尋常ならざる力を宿した神に近い存在。その正体は、アルテマの力を8つの属性に分割し、具現化したもの」

と書いてあります。つまり、元はアルテマそのものだった力でもあるんですよね。その分離した力そのものにはアルテマの意志が宿っているのか、それともドミナントの人格や感情に影響されて変化していくのか、それが気になります。

個人的には、ヴァリスゼアに辿りついた時に弱っていたアルテマが持っている8属性の力は、そもそも今ほど強くなく、その力を扱える肉体も朽ちてしまっていたため、分けた段階では「意志」というものが入りこむほどの力は無かったのかな、と思ってます。数千年の時の中で力も意志も増幅されていき、召喚獣もドミナントも、それぞれが一定の影響を受け続けながら次の代へと続いていった印象を受けます。

最終バトルでも、アルテマが言う召喚獣名はFF3時代のものでした。FFというゲームが、時間の流れと共に進化していったのと同様、ヴァリスゼアの世界でも人と共に進化していったのが、現在の召喚獣なんだとも思います。

アルテマが分け与えた力そのものが、最終的にはアルテマを倒すという展開になるのは凄く好きですね。


2.ラムウ -概要-

(日本語)
雷の召喚獣であり、シドルファス・テラモーンが顕現した姿。威厳を漂わせる老賢者の風貌で、万物に裁きを下すという杖を持つ。ラムウの力を持つ者は、この世の真理を知る者とされている。

(英語)
The Warden of Thunder, whose power most lately awakened within Cidolfus Telamon. The Eikon is known the realm over as a symbol of judgment, no doubt inspired by its sage mien and the scepter with which it summons its levinbolts. Folklore has it that not only are Dominants of Ramuh blessed with the command of lightning, they are also granted a deeper understanding of the true nature of the world.

(翻訳)
最近シドルファス・テラモーンの中でその力を目覚めさせた雷の番人。召喚獣は裁きの象徴として大陸中に知られているが、それは間違いなくその賢者のような風貌と、稲妻を召喚する笏(しゃく)に触発されたものである。民俗学によれば、ラムウのドミナントは雷を操る才能に恵まれるだけでなく、世界の本質をより深く理解できるようになるという。

【8/24追記】
続いてラムウ。

「most lately(最近)

"most lately" という表現はおそらく「最も遅く(目覚めた)」という意味になるので、意訳として「最近」という翻訳になっています。クライヴですら召喚獣化は、青年期段階で13年前、ジルも攫われて間もなくと考えると12,3年前とすると、シドはクライヴと出会った青年期の時点から5,6年前にラムウに目覚めた、とかそんな状況でしょうか?

隠れ家設立当初、オットーやカローンなど、非戦闘員は多く誘っていましたが、ウォール―ド王国を裏切った脱走兵としてもシドはマークされていたと思うので、ベアラー救出に関しては、1人で割と無茶をして能力使いまくっていたのかもしれないですね。数年間で左腕が大きく石化していたのであれば、自分が隠れ家のリーダーとして動ける残された時間の事も考えだして、ジルを確保しに行ったのかもしれません。結果的にあそこでクライヴに会えた事が、シドにとっての救いになったのだとも思います。

自分に出来る能力を使って、仲間を増やし、自分の信念や思いを実現出来るチームを作っていく。凄く現実的でありながら、その仲間のほとんどをベアラーで構成しようとするのは、あの世界では並大抵の努力や信念では続けられないですよね。

それでもシドは「この人と一緒にいればなんとかなるかもしれない」と、周りがついてこれるように、常に余裕で、常に冷静で、常に飄々とした態度を見せようともしていたのかもしれないと考えると、そういうシドがやっぱり好きだな、と思ってしまいます。


2.ドラゴン種

(日本語)
ヴァリスゼアに現存する最大級の魔獣。伝え残る文献では最古の魔獣といわれ、野生の個体を目にすることは極めて稀。ザンブレク皇国ではグエリゴール全教の教義と共に神聖視されており、うち1体はドレイクヘッドのクリスタル神殿を守護していた。また、聖竜騎士団で使役されている個体は、バハムートに次ぐ強さを誇るという。

(英語)
Majestic winged beasts that are commonly considered to be some of Valisthea’s most ancient creatures. Albeit rarely sighted in modern times, there are countless myths and legends regarding dragons, one of the most prominent being that Valisthea itself was formed when a mighty drake fell from the sky. According to the Greagorian faith, dragons were created by the goddess herself to serve as holy sentinels over her earthly demesne and as such, have long been employed by the Holy Empire of Sanbreque in various martial roles within and without the Imperial Legion.

(翻訳)
雄大な翼を持つ獣で、一般にヴァリスゼアで最も古い生物と考えられている。現代ではめったに目撃されることはないが、ドラゴンにまつわる神話や伝説は数え切れないほどあり、その中でも最も有名なもののひとつは、ヴァリスゼア自体が、空から強大なドレイクが降ってきたときに形成されたというものである。グエリゴール人の信仰によれば、ドラゴンは女神が地上の領土を守る聖なる番兵として創造したものであり、そのためザンブレク皇国によって、皇国軍団内外のさまざまな軍事的役割に長い間利用されてきた。

続いてドラゴン種。

日本語ロアでも気になる部分があるので最初にそっちを。

「聖竜騎士団で使役されている個体は、バハムートに次ぐ強さを誇るという」

という文章。これ、スヴァローグでしょうか?
スヴァローグは急にザンブレクの空き地に出てきた最強のリスキーモブって感じでしたが、在りし日のザンブレク皇国ではあの強さのドラゴンですら使役していたのかもしれません。


そして英語ロアの方ですね。

「there are countless myths and legends regarding dragons, one of the most prominent being that Valisthea itself was formed when a mighty drake fell from the sky.(ドラゴンにまつわる神話や伝説は数え切れないほどあり、その中でも最も有名なもののひとつは、ヴァリスゼア自体が、空から強大なドレイクが降ってきたときに形成されたというものである)

英語ロアにはこのドラゴン種のロア内に、ヴァリスゼア創世のドレイク神話が登場します。ドレイク神話に特に触れているものは、作中の防具のフレイバーテキストなどがあります。

【ドレイクスレイヤーベルト】
高い防御力を持つ腰帯。
マザークリスタルの名前の由来にもなったドレイク神話から名付けられた。
「空に雄たけびを轟かせ、彼女は竜の首に剣を振り下ろした。息絶えた竜は海に落ちたが、その体が沈むことはなかった。」
ドレイク神話(歴史学者モース翻訳)より

【ドレイクスレイヤーリスト】
高い防御力を持つ腕輪。
マザークリスタルの名前の由来にもなったドレイク神話から名付けられた。
「竜の目が曇り息絶えた後、彼女はすべてを脱ぎ捨て、竜の口に投げ入れた。それらは今も竜と共に眠る。」
ドレイク神話(歴史学者モース翻訳)より

これらからわかる事をまとめると、

ヴァリスゼア創世期に、空中で竜と女の戦いがあり、とどめを刺された竜は海に落ちるが沈む事はなかった
・そして、その竜こそがヴァリスゼアの大地そのもの(もしくは一部)になった可能性がある
・そして、その息絶えた竜の口に、女が脱ぎ去った全てが投げ入れられたということ

ですね。ヴァリスゼア本土そのものが超巨大な竜の骸の可能性すらあると。凄く夢が広がる話です。ではこの竜と戦った女とは誰なのでしょうか?そして、脱ぎ去った全ては今もヴァリスゼアに存在しているのでしょうか?

日本語の「グエリゴール全教」のロアを見ると

ザンブレク皇国の国教。皇国の創成記に伝わる、女神グエリゴールを唯一神として崇めている。教会の最高位は、枢機卿団によって選出される教皇だが、実際は神皇が最高権力を持つ。女神グエリゴールが従えたという伝説により、ドラゴンが聖なる生き物とされ、積極的に保護と従属化が進められた。

という文章があります。おそらく、この竜と戦っていた女こそが「女神グエリゴール」と呼ばれる様になった元の人物であり、今も続くザンブレクの国教となる礎になっている人物ではないでしょうか。

つまり、ドレイク神話とは、女神グエリゴールとドレイクの戦いから派生した神話であり、ヴァリスゼア自体の成り立ちと大きく関わっている可能性がありますね。

またFF16には作中 (ロストウィングの教会内) でこんな文章が登場します。

聖書や神話にそこまで詳しい訳ではないですが、「72の光の神々」は、ソロモン王が使役されたとされる悪魔72人の「ソロモン72柱」、もしくはその悪魔に対応した「72人の天使」がモチーフだと思います。この「聖なる導き手」がクライヴを表しているのか、他の誰かを表しているのか、それはわかりません。ただ、このソロモン72柱には、不死鳥フェニックスと同じ存在とされる「フェネクス」が存在しています (自分はまだパッチ4.0付近なので見てないですが、FF14にもフェニックスとフェネクス、両者出てくるようです)

現実世界の伝承では72柱の悪魔として存在しているフェネクスですが、ヴァリスゼアの伝承、72の光の神々の中では聖なる導き手フェニックスという名で連なっていたんでしょうか?

この辺はまだまだ考察出来る余地が多々ありそうですね。皆さんはどう思いますか?

また、このグエリゴールのモチーフはその天使を束ねていたと言われる、大天使ミカエルかもしれないですね。

ミカエルと竜を題材にした、画家ラファエロ・サンツィオの作品「聖ミカエルと竜」のwikiにはこんな主題が書かれています。

「ヨハネの黙示録」12章には次のように語られている。天において大天使ミカエルおよびその御使たちと、巨大な竜とその配下の者たちとの間に激しい戦いが起きた。しかし竜や配下の者たちは応戦したが勝つことはできず、天に彼らの居場所がなくなった。この竜こそは悪魔あるいはサタンなどと呼ばれる全世界を惑わす古き蛇であり、彼らは皆もろともに地上に投げ落された。

聖ミカエルと竜 - Wikipedia

ミカエルには、竜を倒した伝説があるようです。そしてここで記載される「古い蛇」、これにも見覚えがあるんですよね。神話では蛇=竜と呼ぶ表現が多々あるようで、ここで、FF16の防具のフレーバーテキストをまた見てみると、

【ウロボロス】
優れた防具のひとつ。
刻まれた「世を喰らう蛇」の紋章は、死と再生を意味する
「終焉は、起源の糧となり。」
ヴァリスゼアに古くから伝わる言葉より

「古くから伝わる言葉」と「世を喰らう蛇」、つまり「古き蛇」です。女神グエリゴールとヴァリスゼア創世前に戦った竜 (ドレイク) こそが、この「世を喰らう蛇ウロボロス」なのかもしれないですね。そうすると、このフレーバーテキストに書いてある、「終焉は、起源の糧となり。」という言葉も、竜 (ウロボロス) の死によって、ヴァリスゼアという大地が生まれたという意味になり、竜の終焉が、全ての起源の糧となったと考えられるのかもしれません。

そして、ウロボロスにはもう1つ、フレーバーテキストがあります。

【サンズオブウロボロス】
優れた防具のひとつ。
刻まれた「世を喰らう蛇」の紋章は、歩いてきた道筋とこれから続く旅路を示すという。
「世を喰らう蛇にはふたりの子がおり、彼らはいつまでも過去を見つめていた。」
ヴァリスゼアに古くから伝わる言葉より

ここでいう、世を喰らう蛇にいた「ふたりの子」とは何を示しているのでしょうか?FF16で「ふたりの子」として連想されるのはクライヴとジョシュアだと思いますが、この2人が直接関わる何かという意味ではなく、「過去を見つめる二つの何か」を子供という比喩で表現してるのかもしれません。
これも、まだまだ考察の余地がありますね。こういうのに絡めたDLC、300本くらい出してくれても、全然大丈夫ですからね。

皆さんの考えも是非聞かせてください。(この辺は特に神話絡みかもしれないですね)


3.ストラス

(日本語)
他者の思考を伝達する能力を持つ鳥の魔物。額の石に思考を載せたエーテルを一時的に蓄え、そのエーテルを他者へと浴びせることで、思考を伝達している。主には王侯貴族や各地の主要な施設が連絡を取り合うために用いられる。機密性が高く、急を要する報せに最適。

(英語)
Owls capable of transmitting the thoughts of others—specifically those with whom they are attuned. In response to an ancient incantation, their lithified “third eyes” store these thoughts in the form of aether, allowing them to be passed on as and when required—though only to the intended recipient. Stolases are mainly kept by royals, nobles, and other figures of authority for the purpose of sending secret or urgent messages, and are seldom available to commonfolk.

The incantation “0 mia lost elan. Tu isag elythe” can be loosely translated as “My will is now thy burden. Ne’er cleft our bond shall be.”

(翻訳)
フクロウは他者の思考を伝達する能力を持つ。古代の呪文に応じ、石化した「第三の目」がエーテルの形で思考を保存し、必要なときに必要な相手だけに伝えることができる。ストラスは主に王族や貴族、その他の権力者が秘密や緊急のメッセージを送るために持っているもので、一般庶民が利用できることはほとんどない。

「オミアラステラン、トゥイサゲリス」の呪文は「私の意志は今、汝の重荷である。私たちの絆は決して切れることはない」と訳すことができる。

続いてストラス。

「The incantation “0 mia lost elan. Tu isag elythe” can be loosely translated as “My will is now thy burden. Ne’er cleft our bond shall be.”(「オミアラステラン、トゥイサゲリス」の呪文は「私の意志は今、汝の重荷である。私たちの絆は決して切れることはない」と訳すことができる)

このロアが、そもそもこの「全英語ロア翻訳」をやろうとするきっかけになったロアですね。この文章を英語版に見つけたことで、色々な可能性や新しい発見を見つける事が出来ています。

「オミアラステラン、トゥイサゲリス」をストラスに言う事自体は、長くストラスを利用してきたそういう世界観の中での必要な呪文なんだと思うし、それはそういうものだという納得が出来ます。

ただ、「これはなにを意味するんだろう」と思ったきっかけは、作中で、ヨーテとクライヴが初めて出会った後、ジョシュアが、別れるヨーテにこの「オミアラステラン、トゥイサゲリス」を言う場面でした。最初はクライヴ達が知らなかったジョシュアのヨーテだけの時間軸の中で、おまじないや決め事のように言い出したものかと思っていました (勿論そういう側面もあると思います)。

しかし、この呪文の翻訳の意味を知って、あの時のジョシュアが、不安になるヨーテに対し、「不必要な責任感を負う必要はないということ、そしてそれはお互いの絆が切れる事にはならないこと」を言っていたと知りました。

ジョシュアに関してはまた個別でnoteを書くと思いますが、ジョシュアはきっと、自分もその使命に苦しんでいたからこそ、ヨーテが持っていた不死鳥教団としての使命の重荷から解放されて欲しいと、常々そう思っていたんだと思います。そして、その使命を重荷と感じていた可能性があるジョシュアを想像していくと、個人的にはジョシュアの色々な行動の違和感が無くなって、凄く衝撃を受けた感覚がしたのを覚えています。

FF16のロアの中で、一番好きなロアですね。


4.アルテマ・プライム

(日本語)
オリジンで待ち構えていたアルテマがクライヴに見せた姿のひとつ。黒いイフリートと同じく、かつてのアルテマが捨て去った肉体ではあるが、創世に備えて留め置いていたため、原形を保っている。召喚獣に顕現したクライヴ、ジョシュア、ディオンを相手に、激しい戦いを繰り広げる。

(英語)
One of Ultima’s many discarded avatars, this iteration of the self-proclaimed deity was awaiting Clive, Joshua, and Dion upon their arrival above Origin. Though structurally similar to the Infernal Eikon, centuries within the dark crystal served to dramatically slow its deterioration, preserving both form and function.

(翻訳)
アルテマに数多く存在する廃棄されたアバターのひとつである、この自称神の行う繰り返し行為とも言えるものは、オリジン上空に到着したクライヴ、ジョシュア、ディオンを待ち受けていた。構造的には黒いイフリートと似ているが、闇のクリスタルの中に何世紀もいたため、劣化が劇的に遅くなり、形と機能の両方が保たれていた。

最後はアルテマ・プライムです。

「One of Ultima’s many discarded avatars,(アルテマに数多く存在する廃棄されたアバターのひとつである、)

日本語ロアでは「クライヴに見せた姿のひとつ」と書いてあるので、他の姿もあるのかな、と思っていましたが、英語ロアではよりわかりやすく「数多く存在する廃棄されたアバターのひとつ」という表現で書かれています。

アバターは一言だと翻訳が難しいですが、入れ物って感じですかね。神が人間や動物の姿を借りて現れるという意味で「化身」と翻訳されたりもするようです。

アルテマ自身はエーテル体で構成され、分裂や一体化を繰り返す「プラナリア」みたいな生物なんだと思います。プラナリアは調べて貰えばわかりますが、切断すると1体が2体になり、脳を切ったとしても切断後の2体に記憶が残るという、謎しかない生き物です。

アルテマもエーテル量さえあれば、無限に増殖ができ、また一体化も可能な生命体な気がします。その特性ゆえ、色々な星の生き物を見つけてはその肉体を乗っ取り、外側の身体として魔法を活用し、生活してきた生命体なのかもしれません。

イフリートとフェニックスが融合した様な姿のイフリート・リズンは、過去のアルテマが身体を乗っ取ってきた生き物の中で一番エーテル耐性が強く、強力な魔法も使える強靭な肉体を持っていた為に、最終的に肉体が滅んだあとも、同じような肉体を作ろうと考え、自分で生き物を作り、育て、品種改良 (言い方がアレですが) していこうと考えたのかもしれないですね。

他に廃棄されたアバターも気になるなと思いましたが、アルテマの意志が反映されているのであれば、現在存在する他の召喚獣、ラムウ、ガルーダ、タイタン、シヴァ、オーディン、バハムート、リヴァイアサンも、アルテマが過去に移動してきた歴史の中で乗り換えてきたアバターの姿なのかもしれないな、と思ったりもしました。



という事で英語翻訳ロア「召喚獣と魔物」編はこれで終わりにします。63ロア中ピックアップしたのは4ロアでしたが、内容は割と濃くなった感じもしますね。247ロアの「登場人物」編、133ロアの「世界と事象」よりはだいぶ短いですが、他にも読んでいて面白いロアはあるので、この記事の最初に貼ったPDFを暇な時にでも読んでみて下さい。

残すは247ロアの「地理と情勢」を書こうと思います(翻訳終わり次第)。

読んでくれてありがとうございました!
FF16と読んでくれた方に愛を込めて!!!

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