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「新版 伊達の十役」の余韻

今も余韻に浸っています。
歌舞伎座 第一部「新版伊達の十役」はあと9回です。

前の記事で、本来の「伊達の十役」は口上がある話をしました。無い場面は他にもたくさんありますが、その一つ、宙乗りもありません。

現在の歌舞伎座ではお客に近づくことは、感染予防対策としてNGです。もちろん宙乗りもNG。今まではそんなに感じませんでしたが、伊達十を観て、改めて思うのです。猿之助さんの宙乗りが観たいなと。あの日々は当たり前ではなかったのだと思い知らされます。

本当なら’床下’の場面で、スッポンから現れた仁木弾正は宙乗りで引っ込みます。琴の演奏にのり、幻想的に優雅に。。翔んでいるというよりは、宙を歩いているかよう。長袴をなびかせながら。

今回は設定はそのままで、花道を歩いて引っ込みます。
その時の猿之助さんの足運びに目が離せませんでした。うまく言葉にできないのですが、腰を落とし気味にしたまま、足を前に出すごとに体を動かしているように見えました。まるで本当に空を歩いているよう。と同時に、その身体能力というか鍛錬というか。。ものすごいなと。

あああ。。これは宙を翔んでいたら綺麗だったろうな。。
そんな妄想をせずにはいられませんでした。

後半に細川勝元で揚幕から登場する時、通常の長袴の歩き方をしますので、比べると全く違うのがわかります。とても面白い比較でした。是非、注目してください。

ちなみに細川勝元のその歩き方がすばらしく美しい!猿之助さんの長袴の捌き方が大好きです(笑)

また、化粧も少しつづ変わってきたのかな。。と思って観てました。累が最高に可愛かったのと、細川勝元が以前は弾正の化粧味が強かったのが無くなっていたような。男前でテンション上がりました。

そして玉太郎くんとの踊りがより楽しくなっていて、観ていると自然と笑顔になってました。玉太郎くんって本当に色気があるなと思う。ねずみのしっぽが可愛いし。短いシーンでも存在感抜群です。

巳之助さんの八汐がさらに恐ろしく、中車さんが登場すると空気が変わります。寿猿さんは、ほっこり。猿之助さんと並んだ姿はいつでも観たい。

一幕見席があれば通っていたと思う。前半だけでも、後半だけでも観たいです。復活しないかな。。

aya

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