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伊達の十役を役者さんで楽しむ

初日の感想が猿之助さんだけでしたので、共演の皆様のお話。

私の楽しみの一つ、中車さんと市川右近ちゃん。
中車さんは、今「日本沈没」で観ているから女形で登場した時に脳内の修正が大変でした。栄御前はお家乗っ取りを企む一味。仁木弾正や八汐と通じています。

過去に観た栄御前は全てベテランでした。先代の芝翫さん秀太郎さん東蔵さん吉弥さんなどなど。今回、中車さんと知り驚きました。これはもう、若手に大役を任せるのと同じくらいすごい。

花道から登場した中車さんは、いつもながらに想像を超えてきます。足の運びや佇まいは敵わずとも、その雰囲気というか、オーラは役の風格そのものでした。政岡の子、千松が死に至るお菓子を差し入れる張本人。顔を扇で隠しながら、殺される我が子に対して政岡がどんな反応をするのかチラ見しているのです。

政岡より栄御前のほうが格上なので、そのあたり、猿之助さんに負けてほしくないなと思います。千穐楽までの進化が楽しみです。

それにしても、従弟同士。。クセのあるお役だと似ているだろうな。。と先月の高師直に続き妄想が止まりません。

右近ちゃんは市川右團次さんのお子さん。澤瀉屋。もう11歳なのですね。猿之助さんと並ぶと、大きくなったなぁと感動です。猿之助さんと右近ちゃんのペアが好きなので共演しているだけで嬉しい。間近で見る猿之助さんの政岡を語り継いでくれるのだろうなと思う。お芝居はやはり安定な右近ちゃんでした。

また、政岡が守る若君の鶴千代役も登場します。驚いたことに高麗屋の松本幸一郎くん。本名で子役さんとして舞台に上がり、2019年に幸四郎さんに入門したばかり。今年はGOEMONで今井翼さんに、先月は壱太郎さんに可愛がられ、引っ張りだこですね。猿之助さんのもとでも見ることができるとは。10才だったかな。右近ちゃんと同世代とは楽しみが増えました。

そして巳之助さんの八汐が怖かった。
お家乗っ取りを企む一派の仁木弾正の妹。もうお顔からして悪(笑)八汐は立役の役者さんが演じるお役です。歌舞伎座さよなら公演では、玉三郎さんの政岡に、仁左衛門さんの八汐でした。そのほか、歌六さん梅玉さん愛之助さんでも観ています。巳之助さんは先月の五郎の怒りが憑依したようなすさまじさ。スキがなく、声の威圧感がものすごい。千松を殺すシーンは客席が静まりました。

そうそう、後半部分の玉太郎くんの’ねずみ’の美少年姿!こんなに色気がある役者さんだっけ?と思うほど華がある。猿之助さんとの絡みのシーンが可愛らしくて。いつかのエンスタライブ(猿之助さんのインスタライブ)の’玉ちゃん可愛い~’という猿之助さんの言葉がよみがえりました(笑)

前半は笑三郎さん&笑也さん、後半は猿弥さん&弘太郎さんがペアで登場し、澤瀉屋ファン歓喜です。猿弥さんはまさかの女形。。セリフでわかったという(笑)弘太郎さんもですよね?弥次喜多を思い出す楽しさで、ああ、こういうの観たかったよーと嬉しくなりました。

一門の皆様のお顔も嬉しい。澤瀉屋の狂言を見ている充実感がたまらない。

ストーリーがわからなくても面白くできています!というか、猿之助さんが作るお芝居は観て楽しいから初めての方も大丈夫。今日は学生の団体が楽しんでいたようですし。土日も盛況でありますように。

aya

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