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當世流小栗判官 初日!

七月大歌舞伎初日おめでとうございます。そして笑也さんが宙乗り1000回達成です。おめでとうございます。

女形でこの回数は異例なことだと思います。ほとんどが立役と相乗りだそうですが、すごい記録です。1回目と同じ小栗判官で今日、1000回を無事に翔びました。そのお祝いを兼ねて第一部「三代猿之助四十八撰の内 通し狂言 當世流小栗判官」を観劇です。


さすが猿之助さん!もうそれに尽きます!

11年前、新橋演舞場で拝見した時は正直言って「長かったなあ」という印象でした。当時は16:30開演で、20分30分の幕間を挟んで20:30が終演でした。今回は11:00~13:45まで。30分の幕間があります。約3時間のお芝居を約2時間に縮めています。

こんなに面白かった???失礼ながら11年前のテンションが嘘の記憶のようになってしまった。スピーディで、シンプルで、ストーリーがわかりやすい。言葉もわかるし、人物関係も完結。良い人と悪い人が一目瞭然です(笑)

記憶に新しいスーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」とは全くの別物です。が、語り継がれる小栗判官の話が先代から四代目の頭の中を通って、あの最新の新版オグリになった澤瀉屋の歴史を思うと感慨深いものがありました。(この小栗判官が進化してあのメタリックなオグリになるとは!)

それに別物ではありますが、猿之助さんの小栗判官姿は新版オグリ彷彿とさせるものがあり、エモい(笑)

暴れ馬の鬼鹿毛を従順にさせてしまう場面はたっぷりで、猿之助さんがこれでもかとキメ顔をしてくれます。歌舞伎って、馬の足を務める二人にいつも感動します。今回もすごいので必見です。

こんな感じで見せ場はたっぷりなので、あまりはしょった感はありませんでした。

猿之助さんは二役です。11年前は三役していました。だからかもしれません。以前は猿之助劇場みたいな印象です。でも今回は若手がまたまた大活躍しています。

猿之助さんの立役二役はわりとキメキメなお役(笑)久しぶりにthe歌舞伎で、どの形も気合が入り乱れず、美しさ全開です。いつもどおり息は上がっておらず余裕のビジュアルです。ドンと芝居の中心にいる感じ。

まわりの皆様に活躍の場をそれぞれ与えてるよう。たぶん猿之助さんのカットの仕方でそういう印象になっているのかと妄想するわけです。

幕間を挟んで前半は巳之助さんがすごい。疫病が流行ってから、こんな巳之助さんは初めてかと思うので必見です。昔の様々な記憶がよみがえるし、知らない方は新たな一面を知ることになるでしょう(笑)

それに!!
あんなに猿之助さんをいじれるのは巳之助さんだけかと!!というか、もっともっといじってほしい(笑)猿之助さんの表情が動くのを見たいです。巳之助さんの場面は毎日変わりそうで楽しみです。

後半は右近さん眞秀くんが大活躍です。右近さんは、以前に猿之助さんが演じていたお駒。情熱的な女性は右近さんにぴったりで切なくて美しい、そして怖い。巳之助さんと全く違う空気感を作っていました。ここがすごい場面だからこそ、その後のストーリーに説得力が出てくるのだと思いました。

眞秀くんは大きくなり、全身から演じることが好きなのだなぁと感じさせてくれます。見せ場もしっかり務め、かっこよかったです。遊行上人役の歌六さんと並んだ絵もほっこりしていいです。

猿之助さんの愛だなぁと思いました。もちろん本人の見せ場もたくさんあるけど、けっして猿之助劇場ではない印象です。育てるとはこういうことなのかと改めて思う。

また、笑也さんの奇跡の照手姫が最高でした。また照手を観る日が来るなんて。笑也さんの「あ~れ~」が好き(笑)連呼してそれしか言っていない場面は面白かったです。

寿猿さんもたっぷり見せ場があり感動。右若さん右田六さんが澤瀉屋の芝居にいる現実に歓喜。これぞ澤瀉屋の芝居で嬉しい。全く古い感じはしないのもすごい。さすが猿之助さんなのです。

宙乗りの場面も自然にやってきてびっくり。馬(もちろん作り物)が新しい歌舞伎座を翔ぶのは初めてです。猿之助さんが1000回記念をお祝いする言葉を入れ込んでお客は大盛り上がり!笑也さんは満面の笑みで応えていました。

三階席でお迎えしました。猿之助さんはやや笑顔←判官様なので(笑)悠然と翔んでいきました。馬の足、首が全て動いていて驚きました。歌舞伎の裏方さんは本当にすごいです。


面白くてあっという間。驚くほどわかりやすい。テンポよく猿之助さんがバンバン見得をしてキメるのが爽快。観る前は、断然「新版オグリ」のほうが好き!と思っていたけど、こちらの猿之助さんも素敵です。そして、現代人のスピードにあった歌舞伎らしい歌舞伎にあっぱれでした。

次回は進化が楽しみです。

終演後は、歌舞伎好きな女将がいるお店「しらたまや」さんで初めてお食事です。やっと行くことができました。同じテンションで話せる女将って唯一無二(笑)季節の料理も美味しく、特に鮑のご飯が最高でした。また行こう。ご馳走様でした。

お料理は週替り

aya


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