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【2019シーズン】ヤクルトスワローズ観戦記

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ヤクルト観戦記、2019年シーズンはこちらにまとめて入れていきます。(オープン戦含む) 勝った日も、負けた日も、試合のある日は毎日更新しています。
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#オープン戦

「良いチーム」で育った高梨くんが新しい環境で活躍できますように 【オープン戦 3/24 日ハム○】

慣れ親しんだであろう札幌ドームで、高梨くんが一球一球、古巣相手に投げ込んでいく。気負う部分もあるだろう、やりづらい部分もあるだろう、緊張だってするだろう。でもしっかり向き合って、一人一人打ち取ってゆく。プロだから当たり前なのだけれど、その姿はやっぱり素敵だ。 「バッティングはひどい笑」と、言われていた高梨くんの打席をひっそり楽しみにしていたのだけれど、多くの人の予想を裏切り(すみません)、高梨くんはツーベースを放つ。私は京都の実家でおもわず爆笑する。札幌ドームからは、なんと

こうして今年も私たちはカツオさんを頼るのである 【オープン戦 3/23 日ハム○】

もうさすがに受け入れたつもりでいたけれど、相手チームのベンチで笑っているやちくん、というのを見るとやっぱりちょっと切なくなってしまう。やちくんの打球を村上くんが処理すると、松山では一緒にやってたやんか!と、いう気持ちにもなる。なかなかに、未練がましいのである。 でも、それはそれ、これはこれ、である。やちくんのことは一生応援していくけれども、勝負は勝負なのである。カツオさんはついこの前までチームメイトだったやちくんを打ちとらなければならない。てっぱちは、やちくんがセカンドに打

声は小さくても、数は少なくても、小さな希望はいつか大きな力になる 【3/21 オープン戦 広島△】

いつのまにかとうしゅおうこくになっている…!先発がみんな10勝して試合数が足りなくなってしまう…! と、思っていたのはいつのことであっただろうか。今日の私が言いたいことはただ一つである。 「だから20点取ってって言ったのに!!!」 これに尽きる。いつも言ってるのにさっぱりとらないのだ20点。あれだけ言ってるのに。4点なんて点差のうちに入らない。20点とらないのが悪い。石山は悪くない。松本くんだって悪くない。20点とらないのが悪い。 まあでもやっぱり、一つ一つ「苦手意識

他より高いところに立つピッチャーが、そこで誇り高くあるように 【4/20 オープン戦 阪神⚫️】

ピッチャーを好きになるというのはつらいよなあ。と、ほしくんを見ながら思う。ピッチャーの奥さん、というのも大変なのだろうなあ。とか、そこまでつい考える。 バッターは、打てなくても、守備でミスがあっても、取り返すチャンスがすぐに巡ってくる。でもピッチャーは、特に先発のピッチャーは、一人で、孤独にマウンドに立ち、黙々と投げ続け、そこで打たれて試合を作れないと、挽回するチャンスはなかなか巡ってこない。いつ、そこに立つかもわからない。立つ姿を見られたとしても、それはつらい試合かもしれ

ベテランと若手が一緒に躍動するこの一年は、きっとぜいたくな一年になる  【オープン戦 3/19 広島⚫️】

雄平が、村上くんに何か教えている。みやさまと必死に特訓してフォームの微調整をしてきた村上くんに、変なボールの打ち方教えているんじゃなかろうかと私はどきどきする。そんなことはつゆ知らず(当たり前だ)雄平はにっこにこ笑っている。とてもかわいい。今日も平和だ。 「レギュラーじゃない若手たちは、開幕一軍を勝ち取るために、オープン戦に合わせて調子を上げてくる。ベテランたちは、開幕に合わせて調子を上げてくる」と、少し前に親愛なる先輩が言っていた。 ぐっちのオープン戦の打率を目の端でそ

「かわいくない後輩だな」と言えちゃう五十嵐さんがとても素敵だ 【3/17 オープン戦 ソフトバンク⚫️】

19歳と、39歳が、グラウンドで目を合わせて合図を送る。カツオさんの半分しか、まだ生きていないんだなあ村上くんは。と思うと、なんだか不思議な気がする。言うまでもなく私はカツオさんとの方が歳が近く、村上くんに至っては、私との歳の差よりも息子との歳の差の方が近いのだ。 39歳のカツオさんが投げる。早速ホームランを浴びたりする。かと思うとゲッツーをとったりする。うむ、いつものカツオさんだ、と私は思う。 そして気づけば2点が入っている。うむ、いつものカツオさんだ、と私は思う。

「楽しい」野球はやっぱりいいものだーー神宮にかかる虹と、鮮やかな芝生と 【3/16 オープン戦 巨人⚫️】

張り替えられた内野の人工芝の緑がとても鮮やかだ。「なんかじんぐう、ひさびさだね!!」とむすめが言う。「ほんとだねえ、なんか嬉しいねえ」と私は言う。 相変わらずシンプルで、情報量の限りなく少ない電光掲示板を見ながら、帰ってきたなあ、と思う。ただいま、と思わずつぶやく。 「じゅりがマウンドに立つだけで泣ける」といつもと同じことを思っていたら、いつもと同じようにじゅりは5点取られていた。 ・・・5点?いやそれは気のせいだ。いつもは3点のはずだ。 気のせいだとは思うけれども、

最初から「ノーノー」を目指すのではなく、小さな達成を積み重ねていく 【3/13オープン戦 ロッテ○】

「おまえがきめろ!タイセイ!」と、レフトスタンドから声が響く。出ましたルーキー頼り!と、思っていると、タイセイくんは本当に、本当に、「決めた」。おいおいそれは希望すぎるよいけめん、と思いながら私はウーロンハイを飲んだ。 昨日とはうって変わって風が冷たく強く(強いなんてもんじゃない、強すぎる)、身体は芯から冷えた。私は、観戦用のポーチの奥に入っていたカイロを取り出した。そうだ、このカイロは去CS用にポーチに入れていたんだった。使うことなくあっという間に終わったけど。と、思い出

ビジターで訪れるマリンスタジアムの楽しさと、何もない神宮の素晴らしさと 【3/12オープン戦 ロッテ○】

四年くらい前になると思うのだけれど、仕事終わりにオットから連絡が来て、「マリンに野球観に行こう!!」と、言われたことがあった。 確かお盆の時期で、私もオットも仕事がひますぎたので、それは大変良い考えだということで、子どもたちを保育園に迎えに行ってそのまま球場へ車で向かった。(全く予定していなかったので、息子は保育園の服装のままフロンターレのユニフォームを着ていた。) なんと言ってもその頃全く野球に興味はなかったけれど、例に漏れず、ビールがとてもおいしかった。たぶん一塁側の

もう誰にも怒られることのないベテランに、今日もエールを 【3/9オープン戦 ソフトバンク⚫️】

「もう二度とヤクルトの試合は見ません」と、今年最初のこの文言を先輩たちとのLINEグループに送った。今年は何回これ言うんだろう。まあもう見ないから二度と言わないはずなのだけれど。 サヨナラの1点はいつもとても辛いので、その1点は色濃く残るわけだけれども、しかもエラーが絡むとそれが焼付くわけだけれども、みわちゃんのあの試合の時も言ったけれど、取られちゃいけない1点はその1点だけじゃなかったし、さらに、取らなきゃいけない1点だってあったのだ。数字上、その1点は同じ意味を持つ。

石山の「魔法」は、それでもとけない。 【3/7オープン戦 オリックス⚫️】

そりゃもちろんノーノーはつらい。しかもCSでノーノーはありえない。あの日のスガーノと小林の顔は忘れられない。だがしかし、世にはもっとつらいことがある。それが「クローザーが打たれる」ことである。(さらにつらいのは「死球で退場者が出る」だけれどもそれはまた別の話)※すべて個人比です。 クローザーに転向した後の石山が逆転もしくは同点に追いつかれて負ける、というのは記憶の限り3回ほどしかない。京セラ(阪神戦)のサヨナラ、マツダのサヨナラ、神宮の広島戦の同点打。そう、3回ほどしかない

その日の「チームのため」は将来の「自分のため」につながってゆく 【3/6オープン戦 オリックス○】

試合が終わった瞬間、Apple Watchが「深呼吸しましょう」と提案してきた。よっぽど呼吸が乱れていたらしい。疲れた。どっと疲れた。つい「勝ちたい」と思ってしまった。この「勝ちたい」という気持ちを持ち始めるとまずい。この人たちはそこに付け入り胃を痛めまくってくる。 というわけで私は今日もまた「こりゃだめだいつものヤクルトだ」と言ってさじを投げた。良い流れに乗り切れない。相変わらずのミスがある。点を取った直後に取り返される。ここでとらなきゃいつとる!というチャンスで凡退する

人は失敗しちゃいけない場面で失敗をする生き物だけれど 【3/5オープン戦 オリックス ⚫️】

「今でも忘れられないエラーがある。(大学)4年生最後の試合は私のトンネルで終わった。私は社会人野球に進むことが決まっていたが、大学で野球を引退する部員が大勢いた。私が最後の出場機会を奪ってしまったわけだ。エラーの感覚は今でも残っている」 さてこの「やっちゃいけない場面でエラー」したのは誰でしょう。 答えは、他でもない、みやさまだ。 宮本慎也『洞察力――弱者が強者に勝つ70の極意』 ▶️https://amzn.to/2TBKo9E みやさまもにも、やっちゃいけない場面

三塁側からの新鮮な景色を見ながら、おじさんたちと若手たちを想う 【3/3オープン戦 巨人○】

カツオさんはあっちを向いて投げ、じゅりはこっちを向いて投げる。てっぱちはあっちを向いて打ち、ぐっちはこっちを向いて打つ。「三塁側からの景色」は新鮮だ。 外野寄りの三塁側内野席に座っていると、いつの間にか荒木が目の前でレフトを守っていた。いつのまにかまた、ユニフォームが泥だらけになっている。荒木はどこでも、本当にどこでも守るのだ。 高梨くんは、新しいユニフォームに身を包み、「こっちを向いて」投げ続ける。今年もやっぱり大変こわい阿部慎之助に打たれたって、そのあとをしっかり押さ