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SEMI ROCK 2023

2023年、まだ彼らの声を聞いてはいない。
夏の風物詩、セミ。
多分、あまり好かれていないセミ。

季語にもなっているのに、鳴き声が暑さを助長させるからか。
もしくは成虫期間の短い彼らが夏の終わりに至る所に転がり、
虫嫌いの人々を怖がらせるからか。

転がった彼らは、
表向きだとまだ生きている。
ひっくり返っていると死んでいる。という説があるけれど、
個人しらべ的には一概には言えない。

さらに、飛ぶ方向を見誤って人や電柱に突撃してしまったり、
生死不明の状態で急に鳴き出すことから
「セミ爆弾」
というネーミングも。(これ付けた人すごいなあ。うまいこと言う)

ちなみに私はセミが好きで(説明不要ですね)
関東には翅は透明で身体はごっつい黒いクマゼミが
あまりいなくて寂しいなあとか、
どこにでもいると思われている茶色の翅のアブラゼミは
海外の愛好家の間ではたいへん珍しがられるんだよな〜とか
セミを見ると毎年思い出している。(海外のセミの翅は透明が多い)

なんなら、綺麗な状態で亡くなった成虫を持ち帰って
その絵を描いたりする。

去年拾ったアブラゼミをピャーッとスケッチしたもの


アブラゼミってめちゃくちゃ美しいんです。
つぶらな瞳、おでこのクリリン的模様の単眼、繊細な翅の脈、
オウロラっぽい光沢のあるボディ。うっとり。それくらいには好き。

従姉妹の家の庭に無数に残されたセミの抜け殻を頭に付けまくって
従姉妹と叔母からドン引きされたことも良い思い出。


友人からのセミネタ

このnoteを始めるとお知らせをした時に、
高校時代の友人がメッセージをくれた。

「いいねしたよ❣️セミ踏んだ時の音教えてもらったことは
ずっと一生忘れてないし、いろんな人に語り継いでるからな!」
(原文ママ)

思わず吹き出してしまったが、我ながら私っぽいエピソード。
しかも私は話した記憶がなかった(よくある)
そんなん言うたっけwと覚えていないことを友人に返すと、

「身体が空洞やから踏んだらサクッて音する言うてた😂😂
😂落ちてるセミ見たら今も音想像して震える🤣」(原文ママ)

な、なんちゅう話を…でも全くもってその通り。
サクッ、カシャッって感じです(仔細)

震える知識を与えてしまった友人には申し訳ないのだが、
(夏やしちょうどいいか、許しておくれ)
私の友人になるとこういうことに見舞われるので、
皆さん覚えていてくださいね(笑顔)

そう。小さなセミがあれだけ大きな音を出せるのはお腹が空洞だから。
ギターホロウ(空洞)と同じ原理。
うまくできていると思いませんか?

セミの身体の中はざっくり描くとこんな感じ、顔も可愛い


そして鳴くのはオスのみ。
複弁というオスだけが持つことを許された器官で大声を響かせる。
もちろん、かっこいい音を鳴らすやつのところにだけ、
可愛いあの子(メス)はやってくる。
さながらセミ・ロック。
陶酔しながら自分の音をかき鳴らす愛しい野郎ども…

卵から1年(!)経ってから産まれ、地中で長い期間を過ごし、
やっと地上に出れても天敵に見つかることなく、
うまく羽化できたものたちだけに許された真夏のステージ。

今夏もご近所中に鳴り響くであろう、今だけの音を奏でる彼ら。
こんな風に感じてみるのはどうでしょう。

「あ〜〜あいつらうるさいけど…
命ある限り、マイギターをかき鳴らしてるんだ…」

いつもはうるさく感じる、聞き慣れた鳴き声も違って聞こえるかも。
特に男性陣は哀愁も感じながら、見(聴き)守ってあげてほしいです(笑)

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