【聴く小説】sad number by Laura day romance
この夜行バスはどこへ向かうのだろう。
分からないけれど、答えを突き止める気も起きなかった。
だって、君と行けるならどこでも良い。
悔しいけれど、これが本音なんだ。
いつだったかな。何を話すにもドキドキしたよね。
恋って不思議だ。最初の数年でどんどん形を変えてさ。
いつの間にかふわっと大きな目に見えない空気になって
あの日君にどんな気持ちを抱いていたのかも
やがて忘れてしまうなんて。
「さっきから何を見てるん?」
「いやぁ、この辺、こんなに真っ暗なんだと思って」
「何言うて