見出し画像

新しいバロック・フルートがやってきた

2023年1月にモダン・フルートからバロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)にレッスンを切り替えて2年目。これまでは先生の楽器をお借りしていたのですが、ようやく、フルート工房にお願いしていた木製のフラウト・トラヴェルソがやってきました。
こちらは、1720-1750年ごろのパリのシャルル・ビゼイという職人さんの工房で作られていたもののコピーです。
ちょっと膨らんだ装飾デザインがフランス・バロックな感じで好みです。
バッハの年代とも被りますので、その時代の演奏はどこの国でも大丈夫だそうですが、ブラヴェやルクレールなどフランス作曲家にはバッチリです。

鳴り方は18世紀貴族の舞踏会のための華やかさとそれでいて落ち着いた音色を兼ね備えたタイプだそうですが…まだよくわかりません。
本当のピッチはヴェルサイユピッチ392Hzですが、現代の古楽の共通ピッチに合わせて415Hzにしています。
木の種類は湿気にも強く、割れにくい柘植(つげ)にして、無垢な感じにしたかったので、ステインも透明にしていただきました。
モダンフルートと比べると、羽根のように軽く、音も小さいです。
息の量も半分以下だと思いますが、見ての通り、穴は7つしかないので、
指遣いは慣れるまでなかなか大変で、指が攣りそうになる時もあります。

乾燥が大敵で、徐々に部屋の湿度に木が慣れてくるように1年間は毎回練習を始める前に中に薄くオイルを塗る作業をし、
最初の2週間は練習を30分程度、3週目は40分、4週目は50分、5週目は1時間と約1か月で徐々に慣らしていきます。
練習のハーフタイムに、湿気った中を布棒で拭く作業を入れます。

ケースにはしまわず、オイルを塗って放置しています。ダイソーのお皿たてが役立っています。

今はオイルを塗って、手入れをしながら眺めている時間が一番心が落ち着きます。
楽器の手入れをしている時間にいつも思い出すのは、イチロー選手が試合後にグローブのお手入れをしている様子。テレビのドキュメンタリー番組で、試合が終わって、おしゃべりしている仲間とは違い、今日の試合の反省点をグローブのお手入れを黙々としながら自問自答している姿に、美しさを感じてしまいます。道具を愛する姿は人を惹きつけますね。

冬場はとても乾燥する時期なので、慎重にとのこと。
しかしまあ、相当スカスカな音で大丈夫か?と最初は思いましたが、2週間くらい経過し、練習終了間際になると、ちょっとまろやかな音になってきたかなという状態です。木製なので、楽器が温まるまで時間がかかるようです。金属のモダン・フルートより、ちょっと手間がかかりますね。

バレンタインデーに納品になったので今、1か月ちょっと経過したところ。
だんだんと木の変化を楽しめるそうで、見た目も音色も変化していく過程を楽しみたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?