名曲646 「アジアの純真」【PUFFY】

ーー90年代を代表する芸術。世界観を楽しむ鑑賞曲ーー

【puffy アジアの純真】

 芸術的な曲は好きだ。頑張って意味を理解しようとしてもよし、流れるままに何も考えず聴くのもよし。それが仮に自分の感性にピンとくるようなら……アジア。

 PUFFYはいくつも代表曲があるが、個人的にはこの「アジアの純真」が好み。過去には「愛のしるし」も部分的に書いたが、それはスピッツのイメージが強い。PUFFYの地位を高めたのは、この曲のおかげではないかとにらんでいる。

{北京 ベルリン ダブリン リベリア 束になって 輪になって イラン アフガン 聴かせて バラライカ (北京 ベルリン ダブリン リベリア イラン アフガン 聴かせて バラライカ)}

 さあ出た。始まりの試練。これが私の中で難解極まりなかったのだが、意味は考えなくてもいいか。作詞は井上陽水。氏の雰囲気から意外そうに見えるが、けっこう適当に詞を作ることもあるようである。この曲もそうなんじゃないかと。

{美人 アリラン ガムラン ラザニア マウスだって キーになって 気分 イレブン アクセス 試そうか (美人 アリラン ガムラン ラザニア 気分 イレブン アクセス)}

 しかしながら中毒性が強い。妙に語呂がいいのだ。意図して作っていないのだとしたら天才だ。

{開けドア 今はもう 流れでたら アジア}

{白のパンダを どれでも 全部 並べて ピュアなハートが 夜空で弾け飛びそうに 輝いている 火花のように (北京 ベルリン ダブリン リベリア 美人 アリラン ガムラン ラザニア)}

 サビもかなり難解だ。隠喩なのかもわかりづらい。だがそれでいいような気もするのだ。意味はわからないまま、なんとなくチョベリグであれば。

 当時の世相がちょっと見えていて個人的には芸術性の高い曲と見ている。文化財みたいな扱いだ。PUFFYがカリスマになっていたのもうなずける。意味がわからなくても自信満々で歌いあげる。こりゃどこか惹かれてしまう。

 余談を二つ。この曲のおかげで妙にダブリンとリベリアが頭に残るようになった。時々、リベリアがマラリアになったりするけど。あと、いまだとふわちゃんが歌うと似合う気がする。令和のカリスマが平成のカリスマの曲を歌う。なんかいい。世代交代。バラライカ。

       【今日の名歌詞】

北京 ベルリン ダブリン リベリア 束になって 輪になって イラン アフガン 聴かせて バラライカ


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