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名曲90 「プラスティック・ラブ」【竹内まりや】

ーー現時点で私が最も好きな女性シンガー。国民栄誉賞を検討してほしいーー

【プラスティック・ラブ】

2021年現在、歌手で国民栄誉賞を受賞したのは美空ひばり、藤山一郎のふたりである。両者とももし目の前に現れたら30秒は頭を下げなければならない大レジェンドなので納得(レジェンドという言葉では軽いか。神と同等だ)だが、続く歌手の国民栄誉賞は出ていない。

竹内まりやはそれに値する人物ではないかと思ってしまう。私が現時点で最も好きな女性歌手である。名曲は挙げたらきりがなく、曲の構成について感服してしまうのである。完成度が高すぎるのだ。

プラスティック・ラブは一押しの神曲だ。ここ数年で1位に君臨する好きな曲である。この曲は8分ほどある長さなのだが、飽きがこない。4回聞くとそれだけで30分が経過してしまうとはいえ、それを惜しむことはないほど引き込まれる。ちなみに海外での人気が非常に高い。

ベスト盤だとちょっと短縮されているのだが、私は8分バージョンが好きだ。前奏、ラストがベスト盤と比べてそれぞれ長くなっている。しかしいつまでも心地よくきいていられるので、ちょうどよく感じる。ただいたずらに長くしているわけではない。私にとってちょうどいい時間、それも計算されていたのだ。

{突然のキスや熱いまなざしで 恋のプログラムを狂わせないでね 出逢いと別れ上手に打ち込んで 時間がくれば終わる Don't hurry!}

歌詞も味がある。この曲では歌詞よりもまずタイトルが秀逸だ。

{私のことを決して本気で愛さないで 恋なんてただのゲーム 楽しめばそれでいいの}

それはサビでよくわかる。プラスティックのように使い回しできるような恋愛なわけである。この軽い感じがまた男を惹きつける。一夜限りの関係、それも受け入れるかのような、いわゆるいい女。竹内まりやはそういう女心を掌握した歌詞が群を抜いてうまい。

{氷のように冷たい女だと ささやく声がしても Don't worry!}

いい。よくわからないけど歌詞に出てくるその女性と会ってみたい。

{I'm just playing games I know that's plastic love Dance to the plastic beat Another morning comes}

最後は永遠に聞いていたい美しすぎるアウトロ。死の間際に流してほしいレベルだ。それは大げさだとしても、自分が納得いっていない恋愛をしている方は刺さるのではないか。なんでこの部分を反芻しているのか。想像してみると胸が締め付けられる。まだこの曲を知らないという方は最後だけでも聞いてほしい。曲が終わってしまうのを悲しみ、自然と手がリピートさせているに違いない。

名曲89のラストでこの方を予想した人も多いだろう。山下達郎と竹内まりやは隣同士にしたかった。

【今日の名歌詞】

私のことを決して本気で愛さないで 恋なんてただのゲーム 楽しめばそれでいいの


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