【ドラゴンのエッセイ】ドラゴン流恋愛論②

 前回、出会いから告白に至るまでの理想的なプロセスを書いた。今回はその告白が成功した前提で、付き合い始めて以降ぶち当たる最大の問題について語っていきたい。
 その問題とは、浮気への不安である。

 前回も書いたように、恋愛というのはお互いが相手のことを好きだから成り立つものである。その気持ちがずっと維持できれば、浮気の心配なんてする必要はない。
 理屈ではそうだが、理屈ではどうにもならないのが恋愛であり、人間という生き物だ。

浮気についての持論

 結論から言おう。浮気というのは、100パーセント男性が悪いと俺は思っている。男性が浮気をしたとしても、されたとしてもだ。その理由を解説しよう。
 まず、男性側が浮気をした場合。これはもちろん、100パーセント男性に非がある。「この人を一生愛するんだ」と決断したのに、「やっぱりこっちの人の方がいいや」となってしまうわけだから当たり前だ。女性に責められても仕方ない。

 次に、女性側が浮気をした場合。これも男性側が悪い。女性が浮気をしてしまうのは、彼氏に相手を満足させられるだけの器が備わっていないからだ。ここからは、俺の持論を少し書かせていただく。

 古くは縄文時代から、生活の中で優位に立ってきたのは男性である。狩りをするのは男性だったし。それ以降の時代でも、「女性は家庭に入っていればいい。労働するなんてもっての外」というような価値観がスタンダードだった。現代では女性の社会参加を支援するような法律もできて、スタンダードな価値観というのは変わりつつある。
 そんな変化の時代に、古い考え方に囚われているのは往々にして男性の方が多いと感じる。もちろん、意識して女性差別をしている人は少ないだろう。しかし、現在放送中のある恋愛ドラマに、こんなやり取りがあった。
 主人公が言う。「君のこと、ずっと守ってあげたい」。それに対してヒロインはこう返す。「守るって、何?」。
 これなのだ。主人公は良かれと思って、なんなら決め台詞だと思って「守る」という言葉を口にしている。だが、女性は本当に守ってほしいと思っているのだろうか? 事実そのドラマの別のシーンには、別の女性が「守りたいなんて言われたら、バカにされてるって思う」と口にする場面がある。
 こういった小さなすれ違い(このレベルのことがもしもカップル間であれば大げんかだろうけど)が、女性の浮気を誘ってしまうのではないだろうか。「この男といても私は楽しくない。満足できない」と考えるだけのダメージを、彼女に与えてしまっているのだ。
 こういうケースでタチが悪いのは、彼女が彼氏のことを嫌いではないという点だ。不満はあっても、別れるほどじゃない。でも、不満は解消したい。彼女のこうしたサインに気づけないと、彼氏の方はずっと浮気をされ続けるだろう。そしていつかそれがバレた時には、一気に修羅場となるのである。

 要するに女性が浮気をしてしまうのは、男性の理解が足りないからだ。もちろん、他人のことをすべて理解しようなんてことは不可能である。ならばせめて「すべてを理解しようとする努力」を怠ってはいけない。人間は誰でも、日々進化している。変化、といってもいい。それは自分でも気付けないような小さなものかもしれないし、誰の目にも明らかなものかもしれない。すべての変化を捉えきれないのであれば、せめて捉えられる変化は積極的に捉えるべきだ。これは恋愛に限らず友人関係でもそうだ。相手の変化に気付き対応していくことで、個人だけでなく関係性も変化していく。それがいい変化になるか悪い変化になるかはあなた次第、というところだろう。

実践編

 では、どうやって変化に気付けばいいのか?
 答えは簡単だ。常に相手のことを見ていればいい。とはいえこれは、彼女のことをジロジロ見ろ、という意味ではもちろんない。
 嬉しい時にはどんなふうに喜ぶのか。寂しい時にはどうやってそれを表現するのか。泣くのか、強がって微笑むのか。彼女が落ち込んでいる時、どういうアプローチをすれば笑顔になってもらえるのか。どういったことで怒るのか。
 上記のような点に注意して、相手をさりげなく観察するのだ。そしてこれが分かるようになると、自然に小さな変化にも気付けるようになる。例えば、髪型やメイクを変えたとか。

 それでもやはり、小さな変化には気付けない場合も多い。好きな人の変化には敏感な自信がある俺だが、たまには「???」となるときももちろんある。特に髪型なんかはとても微妙な変化だったりもするので、注視していても全く気付けないことが多々ある。
 そんな時に、彼女の感情表現を観察してきたことが役立つ。何かしらポジティブな変化があったら、彼氏には真っ先に気づいてほしいはずだ。だから、何かのサインを出している。それを感じ取れるかどうかが勝負だ。

 最後に、もしサインを感じ取れても、具体的な変化に気付けない場合。こうなったらもう最終手段しかない。
あ、今日いつもと雰囲気違くない?
 これは男性にも女性にも効果がある魔法の言葉だと思う。気づいてほしい人が自分の変化に気付いてくれた! という喜びで、あとは相手が嬉しそうにどこがどう変化したかを話してくれる。これで彼女は喜ぶし、彼女の笑顔を見られて彼氏も嬉しい。お互いハッピーだ。もし変化の種類がネガティブなものだったら、彼女はとぼけるだろう(例えばちょっと太っちゃったとかね)。その場合は、それ以上詮索しなければいい。

 さて、今回は浮気について書くつもりが、俺が実践してきた女性との接し方についての方が分量が多くなってしまった。なので今回の記事は、あまり女性には読まれたくない(笑)
 最後に、今回は自分も男性でありながら男性批判を書きすぎたと少し反省している。考えてみれば男性は、恋愛において悪者扱いされることが多い気がする。「女たらし」という言葉はあるが「男たらし」はあまり聞かない。「魔性の女」とはどんな男でも手玉に取ってしまう危険な女性のことだが、「魔性の男」になると「女性が放っておけない、何でもしてあげたくなるような男」という意味になるらしい。男の方がちょっとダサい気がするのは俺だけだろうか?
 恋愛においてはやはり、女性には敵わないのかもしれない。だったらいっそ、とことん振り回されてみるのも楽しそうだと俺なんかは思ってしまう。もちろん、毎回じゃ困るけども(笑)

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