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私の”フォトグラメトリワークフロー” ー失敗メモ その2ー

 「私の”フォトグラメトリワークフロー” ー失敗メモー」シリーズでは私がフォトグラ作業をしていて「失敗したなぁ」とか「こういう所は気をつけなくちゃ行けないんだな」と気付いたことをメモしていきます。フォトグラメトリを始めたばかりの方々の参考になれば幸いです。

石造物のフォトグラ -特に刻印文字-

 今回は失敗というほどではなく、気付きを得たと言うところでしょうか。単純に「刻印文字を復元するには高精細モードで処理すれば良かったのだ」といいことです。
 私はフォトグラメトリの処理にRealityCapture(version 1.3.2.117357)を使っています。RealityCaptureのメッシュ構築処理は”Normal Detail”モードと"High Detail"モードがあり、当然"High Detail"モードの方が再現性の高い3Dモデルを生成できます。ただ、私のパソコンはメモリが少ないこともあったので、これまでずっと"Normal Detail"モードで処理していました。そして、いつの頃からか何も考えずに"Normal Detail"モード一択になっていました。
 最近、石造物の刻印文字のデジタル拓本の興味がでたので、いくつかの拓本をやってみたのですが、文字が鮮明にならないので写真の撮り方やカメラの性能に問題があるのかと悩んでいました。そんなとき、"High Detail"モードがあるのを思いだして試しに処理をし直してみたところ、「あら、まぁまぁいいじゃない」という結果になりました。下の図は、左が"Normal Detail"モード、右が"High Detai"モードで処理した結果です。当然(?)、"High Detai"モードで処理した方が文字が鮮明に読み取れました(高解像度画像はこちらです)。
 写真の撮り方やカメラの性能の面で試行錯誤しようとしていたのですが、その前にソフトウェアの使い方や設定を見直せ、ってことを再認識しました。

メッシュ構築モードの違い
左:Normal Detail
右:High Detail

 ちなみに上の石造物は実際はしたのがぞうのような感じで祀られています。Scaniverseの3D Gaussian Splattingで生成した動画もあります。

今回の石造物が祀られている風景

おわり