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ステージに立つときに

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演奏、表現、クリエイティブな空間で思うこと
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「もっていない」に戻る

 文章を書くのが好きな人は、それ以上に読む-「読む」までいかなくとも「言葉に触れる」のが…

静寂のとき

 静寂のときを守る。沈黙のうちに、ひとの思考は目まぐるしく駆け巡っている。多くを想うが、…

むこう側のなにか

言葉を愛する  言葉をひとつ選ぶ。その言葉の持つ色合いと温度がより一層浮き立つことを期…

無名の宝

 あまりに知られているものを例にとってしまうが、プルーストは紅茶につけたマドレーヌから記…

過激じゃなくたって

 この世にこんなにも優しい音楽があるのかと思ったのは中学生の頃、シューベルトのピアノソナ…

憧れを追い続けて

憧れのサロン『火曜会』  大学生の頃から、タイムスリップしたい時代は?と問われると「マ…

音楽に託されたもの-メシアン、ベリオ、レヴィ=ストロース

人間の解放  さまざまな方向から見た立体面をひとつの絵に収める-一風変わった面白い手法をパブロ・ピカソは試みた。彼の最初期のデッサンを見れば「普通の」絵もとんでもなく緻密に描けることがわかる。その彼が、顔があちこち向いているような不思議な絵を描くというのはなにか「実験」が行われていたのだろう。このような手法は立体派=キュピスムとして広まり(その衝撃と非難は凄まじかったという)、間もなくコラージュという技法も出始めた。いわゆる「切り貼りの作品」を作品と呼べるのかという論争も当

与えられた有り難いもの

 忘れる-できればしないほうが良いものかもしれないが、最近はこれができることで人は起き上…

音楽が凶暴になるとき

音楽と凶暴性  凶暴さとはなにか。普段生活するなかで危険視されるそれを、私は時に、音楽に…

「行間」が消えないように

演奏会のスケジュールはだいたい2年先まで決まる。 その2年の感じ方が、この1年間で大きく変…

だから、文化を。

多量のインプットは、個としての思考を停止させる、と私は思う。 私たちは機械じゃない。 イ…

【御礼】山手ゲーテ座

こちらでお礼を言うのが遅くなってしまいました。 お知らせしておりました3月13日の岩崎ミュ…

モーツァルトの光と闇

モーツァルトは無邪気だとか快活だとか言われるたびに考え込んでしまう自分がいた。そうしてい…

人と人の仕事

事務所に入らないの?と、しばしば聞かれます。 その道に長いマネジメントのプロの方々のもと、アーティストとして所属をすることは、たしかにとても魅力的です。 でも一方で、まだいまいち踏み切れない自分がいます。 学生のころからご厚意を賜っている業界人、企画部、ディレクター、事業者、ホールの方々は、本当に丁寧で温かくて、手取り足取り、「人と人」の仕事の重みを教えてくださいます。 いままでの繋がりを、このまま自分の言葉と態度で大切にしたいと思うと、これからもそうして地道に繋がり