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「恋に落ちる」ということ

一応、アマチュアといえども物書きなので、作品設定についてはそれなりに考えます。書いているのが恋愛小説ですから、登場人物それぞれの「気持ち」の設定がわたしの中では特に重要です。

男女がいる。恋に落ちる。Why?

最初の頃はいろいろ考えました。彼女は彼のこんなところが好きなんだなぁとか。それで、その設定がしっかりしていればしつまかりしている程、物語に真実味が増すと思っていたんです。

でも、どうでしょう?恋をするのに理由は必要なのかな?

ある日、突然、その人のことが気になって胸がドキドキしたり、そわそわしたり、Twitterのリプやファボあるかなって気になったり……(今どきの子ってそんなんで合ってます??)そういうのが恋と呼ばれる症状で、理由なんて後付けなんじゃないかな?

どうしてあの人のこと、気になるんだろう?わたしはあの人が好きなのかな?でもどうして?

ここで初めて「やさしくしてくれたから」とか、「話が合うから」とか、理由が出てくる。

なので、先に理由を考えるのはやめました。きっと登場人物たちも気がついたら恋に落ちてて、それがリアリティなんだろうと。もちろん、どうして好きなのかと問われれば、何らかの答えが返ってくるんでしょうけど。

村上春樹さんの本の中で、恋に落ちるというのは洗濯機にネコが落ちるようなものだとあり、言い得て妙だと思いました。ネコは大嫌いな水の中でネコ掻きをしてもがくんですけど洗濯機からはまず出られない。まさに恋の渦ですよね?

わたしの小説の登場人物たちはかわいそうに、恋という名の洗濯機の中に無理やり、わたしの手によって突き落とされてるんですね。不憫。そしてその中でもがきながら、もつれながら、物語を紡いでいく。それぞれ、どうしてそこに落ちたのかという理由を考えながら。

……まったく、若いっていいですね!の一言に終始。

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