私は人間らしい人が好きなのだと思う。

私の思う人間らしさ。

本能のままに生きている人を野生的、と表現したりするような気がする。

人間には理性がある。

理性があってこそ人間だ。

もちろん、それはそうだと思う。

思うがままに突き進んで、他人のことなんて関係ない、という生き方は人間的とは言えない。

理性があってこそ人間。

でも私が思うのは、理性と本能がバランス良く、時にはバランス悪く共存していることこそが人間らしいのではないかということ。

例えば「誹謗中傷はやめましょう」とかいう言葉。

言葉としてはとても正しい。

でも、実際問題誹謗中傷を全くできない世の中は、本当に良い世の中なのだろうか。

人間だからこそ、時には他人を嫌いになって、悪口を言ったりする。

時と場合にもよるが、たまには腹の立ったことを発信する方が人間らしくない？

人間ができているなぁと尊敬される人が「実はあの人嫌いなんだ」なんてコソッと言ってきたら、私はそれだけで更にその人を好きになるだろう。

あーこの人も人間なのだなぁと。

時と場合をわきまえているけど、たまには毒づきたくなるんだなぁと。

誰彼構わず常に他人の悪口を放っている人は本能でしか生きていないつまらない人間だと思う。

誹謗中傷を無くしたくもなる。

でも、時と場合を間違えなければ、たまに悪口を言ったっていいんじゃない。

人間ができているなぁと思う人が、他人の迷惑にならないところでコソッと言う悪いことは、人間らしくて面白い。

いつもは私に「自暴自棄になっちゃいけない」とかしっかりした言葉をかけてくれている人が、忙しさのあまり多少パニックになってイライラしていたところに居合わせた。

もちろんその場では私もそのイライラを受けてしまうので、多少息苦しさはあったが、後々考えてみると、なんて素敵なことなのだろうと思ってしまった。

まぁ、大好きだからこその感情かもしれないけど。

毎日毎日、同じような悪口をダラダラと垂れ流してるのはあまり理性的ではないけれど、たまにコソッと「あの人嫌いなんだよね」って言う人は割と素敵だと思ってしまう。