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40代の転職は何が大変だったのか?ミドル世代の転職に備えておきたい事

44歳の時に7年間勤めた会社を退職して、外資系企業に転職をして1年が経ちました。

一昔前は35歳限界説という言葉の通り、一定年齢を超えると転職の案件が極端に少なくなり、転職が難しいとされていましたが、今の時代は
35歳以上で転職する人も増えていて、ミドル層における転職のハードルは以前よりも低くなっています。

ただ、僕の場合は転職活動を始めて、転職先を決めるまでに9ヶ月ほどかかりました。正直こんなに時間がかかるとは思っておらず、精神的にもなかなかキツかったです。しばらくは転職活動はしたくないと思うほどです。

一定の年齢を超えると、マネジメント経験があるか、実績を残しているか等は当然見られますが、ある程度仕事にコミットした人なら、ハードルは高くないと思いますし、転職活動をする上で、この2つで苦労したわけではありません。

実際に転職活動を始めて1.2ヶ月、2社からこの役割で入って欲しいと具体的な話しをいただきました。

20代の時であれば業界が伸びていて、給料が上がって、面白そうだと感じた会社であれば、深く考えずにそのままジョインしてしまうかもしれませんが、そこは年の功といいますか。

具体的な話になればなるほど、オファーを受けていいのだろうか?と迷うことになります。

では、何がミドル世代の転職の決断を難しくしているのか?

若い時と明らかに異なるのは、ある程度キャリアと年齢を重ねると、多くの人が自分の仕事に対する価値観が明確になっていることではないでしょうか。

自分の価値観が明確になるということは、自分の好き嫌いがはっきりするということです。自分の得意な領域、苦手な領域もはっきりしてくるので、失敗を避ける選択をしようとします。

そうすると、必然的に選択肢は狭くなってしまうのです。だからこそ、自分の価値観に合う会社を探すのには時間がかかるとも言えます。

ある程度仕事をやり切った感があり、異なる環境でまた自分の力を試したいと思った時、迷ってしまうんですよね。

今の恵まれた環境から、不確定要素の強い、良さそうだけど入ってみないとわからない環境に移ることが正しいのだろうか。

こんなことをあれこれ思いを巡らせて転職活動をしていると、最後の決断に至るまでの会社はごく僅か。
自分にフィットしそうでここなら大丈夫と確信が持てたのは、今の会社だけでした。

もちろん、今の会社でもかなりの苦労はありますし、想定外の事がたくさん起きていますが、仮に自分がリストラされるような事があっても、その時の決断に後悔をする事はありません。

価値観が合うかどうかって、どういう事?と思う方もいると思いますが、以下のような観点で面接を受ける時に照らし合わせていました。

1.ビジョンや会社の理念に共感できるか。
書いてあることと、実際に見える事にGAPがないか。
自分の場合は、中長期的な観点で物事を捉えている会社なのか、サステナビリティを強く意識して実践しているかをみていました。

ホームページだけではどうとでも表現できるので実際に面接で会う人たちの雰囲気や言葉、プロダクトやお店、サービスを使ってみて確認していました。

2.会社のカルチャーとフィットするか?
トップダウンというよりは、ボトムアップの社風の方が自分には合っていると感じていました。

経営陣にビジョンがあるかも重要視していたので、トップと近い位置で本音を言い合える環境かも見ていました。
特に中小企業に行く場合は、経営者との相性が合うかは面接で確かめた方が良いです。


3.自分のこれまでのスキルを活かせるか?
40歳を超えて、さすがに未経験の環境に飛び込むにはリスクがありすぎます。当然ながらある程度の経験をしていないと、ミドル世代の採用は難しくなります。

また、よく言われるのが異業種になるとダメなのか?ですが、これまでやってきた事を体系化、抽象化することができれば、異業種でも通用すると判断してもらえます。

4.人との繋がりを感じることができるか?
会社を通して、仮面をかぶった自分ではなく、より自然体に振る舞う事ができる自分でいられるかもポイントでした。

上司や同僚となる人と一緒にやっていけるかも気にすべき点ですが、面接で弱みを正直に打ち明けられるか?は大事な視点かもしれません。

面接時に包み隠さず自分の弱みを言うことができ、それを受け入れてくれたのが今の上司でもありました。オンライン面接でも30分も話せばその方がどんなキャラクターなのかは何となくわかるものです。だからこそ、自分の直感は信じた方が良いと思います。


5.給料やポジションは自分の能力に見合っているか。

給料が上がることだけが、良い転職とも言えませんが、必要以上に自分の価値を下げることもありません。給料は前職ベースで話が進むことが多いですが、外資のポジションは選択肢の幅が広いです。
ただあまりに現状からかけ離れていると、役職や求められる役割とフィットするかは慎重に判断した方が良いです。

6.個人の発信ができる環境にあるか?

前職でSNSを使って個人のことも会社のことも良い意味で公私混同で発信していました。終身雇用の会社に転職しない限りは、やはり自分自身の名前が公になる環境で働く方が良いとも言えます。

7.英語がいかせる環境か?
英語をビジネスレベルで使いこなし、グローバルな環境に身を置き、多様性を感じる職場で働きたい意向が強くありました。やはり英語が話せる、話せないでは条件面もそうですし、転職先の選択肢も一気に変わってきます。

以上、7つの視点を元に会社に応募する時に、○△×で優先度をつけていきました。
そうすると、なんとなく感情的に流されてこの会社良さそうかな、とかイマイチかなと思うだけでなく、客観的な視点で判断できるようになります。

優先づけもポイントでして、自分の価値観に全て当てはまる会社があれば理想に越したことはありませんが、そうでない場合もあると思います。

僕の場合は、想定よりも大きな会社に転職することになり、SNSの発信は少し制限が出てくることが判明しました。

ただ、転職活動をしたときは、せっかくこれまで培ってきたのだから、個人でも会社のことを発信できる形が理想と思っていましたが、よくよく考えてみると、社名と個人をリンクさせての発信にこだわりがないことに気づきました。

最後に

転職活動は会社探しから、職務経歴書の準備、面接、内定までの条件詰め、引き継ぎと想像以上にパワーを使います。

だからこそ、その時の気分で行動するのではなく、しっかりとした準備をした上で望むのが良いでしょう。

転職したい、と思ってもすぐにできるわけではありませんし、この会社に行きたい!と思っても自分のスキルがポジションに見合うか、応募する資格があるのかは気にしないといけません。

その意味では、転職するしないに限らずに1年ごとに、職務経歴書をアップデートしたり、時にはキャリアコンサルや信頼できるエージェントの方と話すと、自分に足りないスキルや、これから伸ばしていきたい領域が見えてきます。

この先どんなキャリアを描くのか想像できませんが(8年前にタオル屋で働くなんて夢にも思わなかったですし、今の会社に転職することも、考えた事なかったです)、転職は準備で9割が決まります。

だからこそ、バッターボックスに自分が回ってきた時にいつでもフルスイングできるように準備をしていきたいと思います。

最後に僕の好きな森信三さんの言葉を紹介します。自分に合う会社も、準備をしていればきっと出逢うべくして出逢うはずです。

森信三『人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。』




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