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感想 スイス時計の謎  有栖川 有栖 表題作のスイス時計の謎は、ミステリーファン必読の優れた本格ミステリーでした。時計一つでここまでやれるというのがすごい。

有栖川有栖さんの作品で火村が出てくる作品群はかなり面白い。
その頭脳のキレは、アガサクリスティーの生み出した天才ポアロに匹敵します。
悪魔的とも言える推理に驚くばかりでした。

あるYの悲劇は、クィーンのYの悲劇風でした。
ダイイングメッセージが鍵です。

次の女性彫刻家の首という作品は、何故に、犯人は被害者の生首を持ち帰ったのかという謎です。
最後まで読めば納得しますが、冷静に考えると変です。

シャイロックの密室という作品のシャイロックは、あのシェークスピアの名作と関係があります。
この作品は倒叙ミステリーなのが良い
佐井六助という悪徳金貸しが被害者ですが
名前が・・・・。

佐井六助 シャイロック。

ダジャレかよ!。

表題作のスイス時計の謎は、短編の秀作です。
被害者の死体から、時計がなくなっている。
それが、あるサークルのメンバーだけが持てる限定品であることから犯人は、その中にいるのですが、犯人の追い詰め方がすごい。
消去法です。

論理的に可能性を消去し、犯人を限定していくのです。

この悪魔的な推理力に脱帽しました。

このシリーズ、探偵の火村はもちろん魅力的ですが、助手の有栖川有栖のキャラもいい。
このサークルのメンバーは、被害者も含めて有栖川有栖の高校の同級生なのです。

学生時代のあだ名が 「偽美少女アリス」 というのが笑ってしまった。




2024 4 7
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