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感想 民王 池井戸 潤 入れ替わり小説を池井戸さんが・・・、楽しくて読後感がとても爽快。


総理大臣とバカ息子が入れ替わるというコメディ。
まったくもって池井戸さんらしくない、なのに、楽しい。
その魅力の中心は爽快感にある。

まるで池井戸さんの政治の理想を、麻生さんを想起させる武藤総理に憑依させたみたいな感じなのだ。
バカ息子は、漢字を間違える。
親友の官房長官は女性問題を起こす。
めちゃぐちゃなんだけど、官房長官をこのバカ息子が庇う。
そのシーンは鳥肌ものだ。
予算委員会でえんえんと不倫の話しをする野党議員やメディアへの痛烈な批判が見てとれる。ほんと、あれは滑稽だ。時間の無駄だと思う。

この武藤総理こそ、本当の政治家の姿なのかもしれない。
大切なのは、不倫じゃない。
国民の生活を良くすることだ。


設定は明らかに無理がある。
総理と息子。
野党党首と娘。
歯医者で詰め物の治療されて、それで入れ替わるとか
アニメみたいだ。

コメディなのに、政治を絡めるところが池井戸さんらしい。

バカ息子は、未曾有を みぞゆー と読み間違える。
他にも漢字の読み間違いを連発する。

これは麻生元総理ですよね。
未曾有という漢字は難解ですけどね。

そんなバカ息子の就職面接に総理は代わりに行き
そこで息子の問題意識に気づく

頭は悪いのかもしれないが、しっかり問題意識は持っている
それは自分が失った情熱だった。

息子の翔が吐く言葉が好きだ。

政治家が国民のことを考えなくなったら、政治家じゃねぇ。薄汚い政治屋だ。


製薬会社に献金貰っているから新薬の規制緩和はできないとか
それで癌の人が助からないとかおかしい。それはできるのにやらないということだ。人殺しに加担しているとも言える。
色んなことで雁字搦めになって何もできない総理
息子の心情に影響を受けて原点に返り、本当の政治家に戻る話し。
そこが爽快なのです。



2023 8 15



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