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アフターコロナの音楽コンテンツの行方

アフターコロナに向けて、音楽に携わる方々は今後「業界」や「マーケット」がどう変わっていくのか?がとても興味深いところかと思います。
それどころか「生き残り」に向けて、何をしていけばいいのか?どこに注力していけばいいのか?を毎日模索している方々も多いのでしょう。

そのような時期に、例によって個人的な考えを文章にしてみました。
そんな事はもう判ってるよ、って内容かも知れませんが、ミュージシャンや業界スタッフや、そして音楽活動を続けて行きたいと考える様々な立ち位置の方々対しても、改めて再認識を促し、多少なりともお役に立つ内容であれば幸いです。

まず、お客さんを入れて行うホールやライブハウスでの「生ライブ」は、絶対に無くなる事はありません。

その理由として第一に、コンサートやライブハウスの音響設備から、普段聴けない「音量の大きさ」という、家庭のスピーカーやイヤフォンでは味わえない「非日常」が得られるからです。
それに加えて「視覚での刺激」が味わえます。演奏者や出演者のパフォーマンスはもとより、照明や舞台装置の効果などです。
さらに「会場内での一体感」が追加されます。これには周りの観客の歓声や空気感や匂いなども含まれます。

普段聞きなれていない「音量」「音圧」で音楽が流れると、それだけで聴覚が多少麻痺します。さらに視覚の大部分を舞台装置や照明で刺激させられ、その他の思考が一時停止したりします。
もちろんそこが「非日常」に埋没でき、陶酔出来る「生ライブ」の最も良いところでもあるのですけど笑。
「大音量」「視覚効果」「会場内での一体感」という意味ではクラブやディスコなども含まれますね。

ただし、そのような「非日常」感や「陶酔」感を得た分、人によっては逆に失われるものもあります。「楽曲の良し悪し」とか「歌詞の深読み」とか「歌唱力・演奏力の正常な判断」などです。

言い換えればコンサートやライブハウスでの生の音楽鑑賞では、ある種の「誤魔化し」が出来るという事です。
多少レベルの低い楽曲であっても、大したことのない演奏や歌であっても、「生ライブ」に慣れていない観客は「大音量」や「視覚効果」により「非日常」感を与えられ、容易く感動してしまう場合があります。
つまり「生ライブ」を会場で体験すると、音楽のクオリティが低くてもそれなりの「満足感」を得てしまうケースが起こり得るのです。

アフターコロナも、特にライブハウスには厳しい状況が続きます。
バンド、シンガーソングライター、ミュージシャン、そしてライブハウスはお客さんが戻って来てくれるのか?が最も懸念するところでしょう。

最初に戻って来てくれるお客さんは「生ライブ慣れ」した方からだと思います。ライブ好きで耳の肥えた、音楽を知っているオーディエンスの方々です。このような方々は僕も何人も存じ上げてますが、実は音楽のクオリティにはかなり厳しい方々です。
とはいえそんな方々は、コンサートやライブハウスでの観客総数からすると三分の一も行かないでしょう。

コロナ後、さらに少なくなったお客さんを呼び戻すためには、今まで以上にライブ内容のクオリティコントロールが必須となります。
ただやかましいだけのバンドや、耳を傷めそうな爆音出しているハコは考えを改める時期です。
「大音量」や「視覚効果」による「誤魔化し」がいつまで持つでしょうか?

残念ながら幾つかのライブハウスは閉店してしまいました。でも実はまだハコの数は多すぎます。少なくとも首都圏では・・。
コロナ前からそうですが、ライブハウスやミュージシャンの過当競争はこれから本格化します。

さらに厳しく言えば、「ノルマ頼りで、お客さんの数に頼らない経営」をしているライブハウスや「ノルマを払って、ファンが増えない」ミュージシャンやバンドは今後、淘汰の対象になって来ると考えます。

さて、かたやコロナ禍の中、浸透しつつある「音楽配信」を分析してみましょう。

「音楽配信」は「コンテンツ」さえあれば、ライブ映像だろうが、MVだろうが、はたまた音源そのものだろうが、全てのネット利用者が視聴できます。そして手数料は取られるものの課金が出来て、視聴数に応じてマネタイズが可能です。
キャパが決められた閉ざされた会場ではないので、システムにもよりますが「音楽ライブ生配信」の視聴総数は、数十万人ですら可能です。
アーカイブに残せばリアルタイムではなくても、課金視聴が出来ます。
会場となるホールやライブハウスと使用料の調整をして、店内がお客さんゼロ人でも、ネットから課金して頂いた視聴者数に応じて、双方が収益化できるのです。
もしかすると、数百キャパのライブハウスを満杯にするよりも、実入りが大きくなるミュージシャンやバンドが居るかも知れませんね。

ただし「配信」においては「音量」「音圧」は家庭内のスピーカーや、イヤフォン・ヘッドフォンの限界値の範囲内に留まります。「視覚」はモニターやスマホのディスプレイの中に閉じ込まれます。
そのような視聴環境だと「音楽ライブ配信」は視聴者がライブ会場にいる時よりも、客観視した状態になります。

つまり「生ライブ」では「大音量」や「視覚効果」によって誤魔化せた、楽曲の出来不出来や演奏力のパフォーマンスは、「音楽ライブ配信」ではそのベールを剝ぎ取られます。楽曲や演奏力の実力、音楽そのもののクオリティが白日の下にさらされます。

もちろん音楽のクオリティが高ければ、「生ライブ」のような「音量」「音圧」「生の視覚効果」などが無くても感動は得られますよね。

さあ、今やyoutubeなどで、海外併せて圧倒的なクオリティを持つミュージシャンたちの演奏がいつでも視聴できますよね。
数十年前から現在に至るまでの、ポップス・ロック・ジャズ・ソウルなどのレベルの高い音楽ライブ映像が無尽蔵に存在します。
ここ数年、特にコロナ禍以降の「音楽動画」は刺激的な映像よりもバランスの取れた聴きやすい「音質」を提供してくれます。「ライブ映像」であってもプロがMIXしてますからね。
そしてそれは「無料」で視聴できるのです。

「音楽ライブ配信」はそこと同じ土俵に立つこととなります。

もし課金しているのならば、さらに高いハードルが掛けられます。
それがどういうことか?賢明な皆様にはお判りのことだと思います。

「音楽配信」はネット環境さえあれば世界のどこからでも視聴できる、グローバルなマーケットの中に飛び込むことが可能です。
その分、自分たちの音楽が世界に認知される可能性は広がると、多くのバンドやミュージシャンたちは考えるでしょう。
しかし、その土俵には世界でトップレベルのミュージシャンやパフォーマーが君臨しているのです。

ただ楽しいからやりたいだけのミュージシャンやバンド、金になりさえすれば内容など気にせず、ノルマ取って運営しているライブハウスは、その音楽クオリティの「差」に耐えられるでしょうか?
そんなバンドやハコが「音楽ライブ配信」にチャレンジすれば、視聴数が絶対的な目安となって、取捨選択が行われます。

例えば「youtube」で数千人のチャンネル登録者を集め、数万回の動画視聴数を得られれば、そこそこの収入にはなります。
でも、もしライブをやってもお客さんがなかなか増えない貴方が「音楽ライブ配信」を打ち出の小槌と考え、「そこだけ」に活路を見出そうとするならば、僕は厳しい目に遭うと思います。

古今東西の「名音楽ライブ」や、お金とセンスをかけまくった「ミュージックビデオ」などが、見放題、選び放題の環境を与えられた音楽ファンは、自動で出現するオススメ動画を視聴する事によって、結果として聴き比べをする事になります。

悲しいかなアマチュアのミュージシャンや中途半端な音楽関係者は、一般音楽ユーザーの感性と聴く耳を舐めています。
それも国内の一部の緩いファン層から、一気に世界中の音楽ファンに判断を仰がれるわけです。

でも、僕は音楽活動をしているバンドやミュージシャンは、アマプロ問わず形はどうあれ「音楽配信」を行うべきだと思います。
視聴に課金するしないは自由ですが、出来れば今後もいつでも自由に視聴できる環境で残すことが重要です。そして出来る限り「音のバランス」や「音質」にこだわって下さい。可能な限りプロの手を借りてください。

「良いクオリティを持つ音楽」は必ずいつの日か発見されます。

そんな例は近年いくらでもありますよね?
もしかすると、国内のミュージックシーンの本質化が一気に進むかもしれません。
これは望ましい未来かも知れませんね。

もちろんアフターコロナで、ライブハウスなどでの「生ライブ」も、今まで以上にお客さんと一緒に楽しんでください。

まあつまり「生ライブ」も「音楽配信」も、よりクオリティアップをしましょうという、ごく当たり前の話でした笑。

そういえばyoutubeの音楽コンテンツで、新規チャンネル作って、確実に数万のチャンネル登録者数行けて、楽曲ごとに数十万は視聴数稼げる(かもしれない笑)アイデアあるんですが、それなりに準備とお金が必要なんで、興味とお金のある方はテキトーに連絡ください笑。

この項終わり。

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