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<今から20年後位の爺と孫の妄想会話>


「昔、ロックっていうジャンルの音楽があったんだよ」
「へーどんなの?」
「うん、当時は政府や権力に反発する精神を強く持ってるミュージシャンがいて・・」
「え?ミュージシャンって、もしかしてアーの事?じいちゃん、言い方が古いよー笑」
「アーって何だ?」
「ん?アーティスト?の略だったと思う・・」
「あー、まあそういう人達がバンドを作って・・」
「え?バンドって何人かで集まって音楽するって事?へーみんな暇だったんだね、今は一人で何でもできるのにね」
「ああ・・。で、そんなバンドが大音量でガツンとくる演奏で、歌詞の中に反体制の意味を上手く紛れ込ませて・・」
「え?政府の悪口を歌ってたの?今だったら即逮捕じゃん!」
「うむ・・。で、メンバーは全員長髪で、凄いアクションしながらヴォーカルが歌うんだ・・。」
「へー、どんな種類のダンス、踊ってたの?」
「あ?いや、ダンスはしない・・」
「え?ダンス踊らないの?あ、ダンサーが別で居たって事か。」
「いや・・、ダンサーも居ない・・。とにかくバンドメンバー一人一人が凄いテクニックを持ってて、ギター弾いたり、ドラム叩いたりして・・」
「え?実際にギター弾いたりするの?ドラムって音は判るけど見たことないし・・。音楽って一人でコンピューターで音出せばいいだけじゃん」
「だから、それぞれの楽器を生で演奏するって事が・・」
「ふーん、めんどくさい事やってたんだね、昔の人は・・」
「とにかくロックってのは、爺ちゃんたちには心が震えて、熱狂的になれる音楽だった訳で・・」
「へーそうなんだー。あ、八代目イグアナザイルのライブが始まるー!
今日はAKB144とコラボなんだよー!昔、東京オリンピックの開会式にも出た凄いアーが沢山出るんだよー!
あれ、パスワードどしたかな?視聴料5万円もしたのにー・・」
「いや、ロックだって商業主義にまみれて、それはそれは悲しい事態に・・」
「何言ってるかわかんなーい。あとにしてー!」

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