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私は子宮 ~子宮の詩~

私が看護師の頃、一緒に働いていた助産師さんが、母親学級のパンフレットに載せていた詩があります。

子宮の詩

その頃の私は、イメジェリーやヒプノバースなんか、もちろん知らない。だけど、読んだ時に、陣痛のイメージが変わったことを今でも覚えています。


そうだよね、そうだよねって思って、何度も読み返しました。


助産師学生の時も、妊娠中期から分娩、産後まで受け持った妊婦さんに、この詩を読みましたし、自分が助産師になってからも、母親学級で繰り返し読み続けました。


今も語り継がれているのかな?


想像の翼を広げ、リラックスしてゆだねること。女性には自然に産める、そのチカラが備わっています。


この詩の本当のタイトルは子宮の詩。

私は子宮です。
私の唯一の働きは収縮です。収縮はエネルギーです。
今、私は妊娠して赤ちゃんを抱えています。
きれいな羊水をいっぱいに満たし、その中に赤ちゃんを浮かべて育てています。
時々はかわいくてたまらず、優しく収縮して抱きしめてしまいます。
しかしやがて赤ちゃんとの悲しい別れが来ます。
お産の時がくると、私は赤ちゃんをこの世に送り出すために
収縮して子宮口を開きます。
そしていよいよ赤ちゃんが生まれる時には
収縮するたびに赤ちゃんの胸を圧迫して呼吸運動を整えます。
私の不満は、私の主人であるあなたが、私に『陣痛』という名前をつけて 嫌な目で見ていることです。
私は何もあなたを苦しめるわけではありません。
むしろ私と一緒になって赤ちゃんの誕生に力を貸してください。
いえ、そんなに難しいことではありません。
私が力いっぱい収縮したら
『あら、ご苦労さま。お願いね』と言って
心と身体をリラックスしてくれれば、それで十分です。
そしてゆっくり息を吐いたり、動きたいように動いてみてください。
それだけ私の仕事ははかどります。
まあ、妊娠中も時々は私に会いに来てください。
そして私が抱いている赤ちゃんに会ってくださいね。
私たちはよい仲間なのですから、さわったり、なでたりしていただくと 私は本当にうれしいのです。
それではお産の時にまた会いましょう。
さようなら。

九島璋二先生著【安心できる はじめての妊娠と出産】から引用


九島先生の「安心できる はじめての妊娠と出産」は、とても古い本で、絶版になっているようです。


「痛い」「怖い」イメージの陣痛も、赤ちゃんが産まれるには必要なエネルギーです。子宮の詩が、あなたの「いいお産」体験のエッセンスになれたら幸いです。



お産が怖い方、不安な方にイメジェリー法などをアドバイスしています。


パラレルキャリアをもつフリーランス助産師です。歩くパワースポットと呼ばれるくらい幸運体質な私が、妊娠/出産/子育て/女性の健康/の情報発信と日々のくらしのよしなごとをエッセイでつづっています。サポートしていただけたら最高にうれしいです!