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東京からの1day Trip~栃木県佐野・足利②〜

こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。
インフルエンザ罹患ですっかりこちらの続編を書きそびれておりました。

前回は佐野ラーメン食べて、カフェでお茶して、JR両毛線の電車乗り間違えたとこまででしたね。この後、私は「栗田美術館」へ向かいました。今回はこの栗田美術館についてオススメします。

栗田美術館までのアクセス

栗田美術館は伊萬里、鍋島を館蔵する世界最大級の陶磁器の私設ミュージアムです。江戸時代に肥前鍋島藩で生産された伊万里、鍋島のみが展示されています。3万坪の敷地に手入れされた庭、本館、歴史館、資料館などをゆったり歩きながら鑑賞します。坂含め、まあまあ歩きますので、歩きやすい靴で行くことは必須です。

公式サイトの交通アクセスによると、このような記載。

  • 東武線足利市駅下車タクシー利用、15分

  • JR両毛線富田駅下車、徒歩10分

  • JR両毛線あしかがフラワーパーク駅下車、徒歩10分

「へー、富田とあしかがフラワーパークの中間くらいか」→「じゃあ、あしかがフラワーパークから歩いてみよう」

この判断はあまり正しくなかった・・・確かに地図上の距離も、特段何もない景色も同じくらい、かもしれませんが、「あしかがフラワーパーク」駅はあくまでその冠であるパークユーザーのための駅で、栗田美術館徒歩ユーザーのルートとしては体感が遠いです。駅の改札が2つ分かれていればいいのでしょうが、改札出てから踏切を渡るまでが遠い・・・ 足利からタクシーもまあまあかかりますので、車移動でない方は富田駅(ここも相当さびしい駅ではありますが、風情がある)からをお勧めします。

栗田美術館、ようやくついたよ

栗田美術館の推しポイント

創設者の伊萬里、鍋島を調べまくる研究者としての熱量!そこかしこにその熱量が感じられるのです。

栗田美術館は創立者故栗田英男(平成8年没)の蒐集による、伊萬里、鍋島を館蔵する世界最大級の陶磁美術館である。
 美術館は足利市の郊外にあり、三万坪の景勝の地を選び自然を生かし、山野草を中心とした作庭の中に本館、歴史館、無名陶工祈念聖堂、陶磁会館が屹立し、また阿蘭陀館、世界陶磁館がある。
 建築物は極めて格調高く、展示する名陶と共に陶磁器を愛する世界の人達から個性豊かな魅力ある殿堂として多くの期待と賞賛を浴びて今日に至っている。
 この地には日本最古の大学「足利学校」、足利尊氏の始祖が創建した「ばんな寺」等があり、古き歴史の香り高きところである。
美術館の極めて大きな特色は江戸時代(1603-1867年)肥前鍋島藩で生産された伊萬里、鍋島のみを展示するもので、これ以外の作品に対しては一顧だにせざる信念と一貫した思想の美術館であるところに大いなる特色がある。
 いうなれば美術館全体が伊萬里、鍋島に至心の気魂と情熱を傾けて建設した城郭なのである。

栗田美術館公式サイト http://www.kurita.or.jp/kannituite/index.htm

創設者の栗田英男さんは3期にわたる衆議院議員だったそうなのですが、「政治活動をしていては、コレクションや理想の美術館運営ができない」という、高い志で議員という身分を投げ打って自ら土地を買い、建物を建て、また「文化財は私有ではダメだ」「たくさんの人に見てもらわねば!」と博物館法に適したミュージアムを開設したとのこと。

その壮大な意志にただただ感動。写真撮影は大壺が飾られた部屋のみOK。ほんとはもっと撮りたかった…

フレディ・マーキュリーが1986年お忍び来日。自宅に日本庭園を造るほど日本びいきだったらしく、この美術館で、大きな壺を売ってほしいとリクエストしたというエピソードで、また一気に関心高まりました。

伊万里はヨーロッパに多く輸出され、民間の窯で多く作られ、一般向けに多くアレンジされたのに対し、鍋島は軍家への献上、幕府の重臣や他藩の大名などへの贈り物、鍋島家が普段使うためだけに、鍋島藩の窯でのみ焼かれていたそうで。鍋島は採算度外視、材質などが高価であるということもなるほど、勉強になりました。

伊萬里がかつてヨーロッパ向けに輸出していた、要はヨーロッパ好みに各国向けにカスタマイズされているデザインは非常に見応えあり。

このような壺がいくつも展示されていて圧巻
フレディ!!
プライベートでこんな地方に来ていたなんて

本館や資料館同様に、陶磁会館に喫茶室もあり、これだけ歩いたのだからお茶くらいして休みたい欲望はありましたが、前回の記事で電車を乗り間違えたロスが響き、次の足利学校への時間(なんせ電車の本数も心配)もあったので、お茶できず。伊萬里でコーヒー飲みたかったな。

栗田美術館公式サイトよりお借りしました↑
http://www.kurita.or.jp/syokuji/index.htm

栗田美術館、もっとメジャーになるはず(私見)

地方に行くべき美術館と称される場所はいくつかあります。栃木という場所柄もありますが、この近辺で観光地としてよく挙がるのは「あしかがフラワーパーク」や「足利学校」で、正直栗田美術館は「穴場」です。

週末に行ったにも関わらず、さほど混み合わず(それなりに来場者はいますが)このような展示を鑑賞できます。

さすがに足立美術館レベルのお庭の手入れ、とまではないにしても、かなり手入れも行き届いており、春や秋にはとても美しいだろうなぁと思います。

仕事柄つい、「ああ、Webサイト、だれか手をかけてレスポンシブにしてあげて」など思うところはあります。スマホ対応でないサイトは正直厳しい・・・

行政が関わらないミュージアムの場合、森美術館やサントリー、SOMPOなどの巨大資本は別格として、運営が厳しいことは想像できます。そうなると、個人有志からの寄付などしか道はないのでしょうか。

私が大好きな地方のミュージアムのひとつ、静岡三島に程近いクレマチスの丘も、いくつかの施設のうち、ヴァンジ彫刻庭園美術館とクレマチスガーデンは昨年9月末に閉館となり、静岡県への無償譲渡の要請をしたとのこと。

閉館になる前にどのようなミュージアム経営が必要か、そのための行政の支援はどのような策が有効か、昨今の政治への不信感を見るにつけ、このような地方の私設ミュージアムがどうあるべきか、考えさせられます。

ということで、皆さん、栗田美術館にもぜひ足を運んで、入場料1,250円にて勝手に応援しませんか。

次回は佐野、足利編の最終回「足利学校」を書こうと思います!






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