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老いることが怖い

私は介護事業にも携わったことがあり
介護保険をご利用の高齢者の方にお会いすることが多くありました。
以前 少しだけ体調を崩され、幸いにも自宅療養するだけで
元気になられたのですがこのまま動けなくなって死ぬんじゃないかと怖くなった。と教えてくださった方がいらっしゃいました。

皆さんは老いることについて、考えた事がありますか?
老いることの不安はありますか?
死を想像することはありますか?


1,迷惑をかけたくないからリハビリ頑張る

私は老人保健施設、デイケア、訪問看護時代もセラピストの指導の下簡単なリハビリを実施してきました。
脳梗塞や他の病気で入院し、いざ自宅退院をしようとしても身の回りのことが出来なくなったり、思うように身体が動かせなかったりして老人保健施設への入所、リハビリテーション病院への転院などをする方がいらっしゃいます。
そこで行う事は階段昇降が出来るようになる事、一人で買い物に行けるようになること、着替えが一人で出来るようになること等を目標にリハビリメニューを行います。

もう一つの目標は家族に迷惑をかけないように生活したいです。
表面的な目標は~が出来るようになることですが
心の中では家族に迷惑をかけず、動けるようになりたいと願っておられます。
自分の事ではなく家族を思ってリハビリをされているんですよね。
誰かのために頑張っておられるんですよね。
現場にいるとそういう方が多い印象です。

ぴんぴんコロリを目標にされている方は多いと思いますが
医療の進歩に伴い寿命が延びているのも事実です。
延命が先決なので、生活できる自身の機能維持は後回しになることもあります。何を優先にして病気の治療をするかが大切ですね。
そして、それは自分の本心なのかここが最も大切だと思います。


2,日々一瞬一瞬を楽しむこと

病気をしたり、身体が動けなくなると
生きる資格がないと感じる方もいらっしゃいます。
「死んだ方がマシ、中途半端に麻痺が残るなら死んだ方が良かった」などと言う発言もありました。

先日、がん治療後デイケアでリハビリされていた方の言葉が印象的でした。


リハビリを頑張って買い物に行けるようになりました。
その次はね、色んな勉強をしたい。今、YouTubeにはまっているの。
YouTubeの音楽聴くだけで薬なしで眠れるようになったの。
私、もったいない事しました。こんな世界があるなんて。
自分の視野が広がり凄く楽しいの。まだまだ知らないことばかりね。


健康管理やリハビリは大切だけど、やりたいこと、心残りなことがないように毎日過ごす事も大切なのだと思います。
この方はある程度動けるようになったから
違う目標を持てたのかもしれません。いつもと違う視野で自分を見ることで
本当にやりたい事を見つけれたのかもしれないですね。
この方の老いや生活に向けての姿勢がとても素晴らしく
素敵だなと感じました。見習いたいとも感じました。

介護保険といえばリハビリの優先順位は高くなりますが
自身が活き活き過ごしていれば、それが傍から見たら常識外れでも
良い老後なのではないかと思います。

3,身近な死が与えるもの


私は広島に住んでいます。
被爆者の方から被爆体験を聞かせていただく機会が他の方より多いと思います。小学校の時から平和学習で戦争や原爆などの話は聞いていました。

大人になってからも学習のために被爆体験を聞かせて下さいと
お願いすることが合ったのですが
半分以上にお断りされてしまいました。
それはあの日の怖くて辛くて憎くて、大切な方を一瞬で失ってしまう絶望感を思い出したくないからだと、忘れたいからだと言われました。
間近で見る死がそういう状況だと誰にも話したくないのは当たり前です。

今、身近な人の死に立ち会うことが少なくなっていると思います。
死をイメージ出来ないと、老いていく過程も怖くなるのは頷けます。
昔は家で亡くなる方が殆どでした。訪問診療や訪問看護も充実してきて
在宅看取りを推奨されていますが、現実的には病院で亡くなる方が多いのが実情です。

これから私より若い方たちが死に触れることがほとんどなく
人生を終えることになるのがとても心配です。
心配を通り越し、バーチャルな世界として捉え
寂しさや感情もなくなっていくのかもと考えたりもしています。

身近な方の体験や、昔の記憶などが死を怖いものにしたり
介護を大変だと思い込んでいたりすることがあるのではないでしょうか。

私は祖母や母の看取り体験を多くの方に伝えて、老いること、看取ることの不安が少しでも軽くなればよいなと思っています。


4,第2回目 親のみとり意見交換会を開催します


自身の老いや介護の心配などもありませんか?
親の介護状態を見て自身の将来も心配になったりしていませんか?
中々介護や看取りの話はしずらいですよね。
同僚や友人にも中々言い出せない。
同じ境遇の人もいない。
そのような環境にいらっしゃる方、
すでに看取り体験した参加者の方の話を聞き参考にしたり
同じ疑問を解決したり
その時々でテーマは違うかもしれませんが
まずは安心して交流できる場所づくりにも励んでいきます。
ご参加をお待ちしています。



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