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徹底解説!仮面ライダーBLACK SUN キングストーンの謎 〜改造手術や創世王との関係〜

2022年10月にAmazon Primeで配信された仮面ライダーBLACK SUN
1987年〜1988年にかけて放送された仮面ライダーBLACKのリブート作品で、
設定を引き継ぎつつも時代背景やストーリーが異なる作品に仕上がっています。

物語の鍵となるアイテムが「キングストーン」。
人の手によって初めて生み出された怪人である「創世王」の誕生に深く関係し、
また、次期「創世王」を生み出すためにも必要なアイテムです。

キングストーンは重要なアイテムなのですが、普通に作品を観ただけではよくわからないこともたくさん出てきます。今回は、2023年11月に発売された仮面ライダーBLACK SUN “THE BLACK BOOK”の情報を踏まえて、キングストーンに関する疑問にお答えできればと思います。


この記事でわかること

・怪人を作るための改造手術の流れ
・なぜ、体内のストーンを取り出しても変身できるのか
・創世王がどのようにして生み出されたのか
・キングストーンは、通常のストーンとは何が違うのか
・なぜ、次期創世王を生み出す上で2つのキングストーンが必要なのか
・なぜ、南光太郎と秋月信彦にキングストーンが埋め込まれたのか

そもそもなぜ人間を怪人に改造するかのかというと、日本政府が戦争に勝つために、強い力を持つ兵士を求めていたからです。

では、さっそく見ていきましょう。

改造手術の流れ

前提知識として、怪人を生み出すための改造手術の流れについて説明します。

◾️手術に必要なもの

・ストーン
 →他生物のDNAが注入された鉱石(作り方は後述)
・バックル状の器具
 →ストーンを活性化させ、他生物のDNAが全身に行き渡るようにする器具

理論的には、この2つのアイテムがあれば怪人を生み出すことができる。ただし、成功率が低い。改造手術の成功率を上げるために必要なアイテムが、創世王のエキス。

・創世王のエキス
 →他生物のDNAを全身に行き渡らせやすくする液体
 →これがあると、手術の成功率が飛躍的に高まる

なお、手術が成功すれば(全身に他生物のDNAが行き渡って変身できるようになれば)、その手段として利用したストーンとバックル状の器具は、変身に必須のアイテムではなくなる。実験が成功すれば、実験に使った触媒や器具が不要になるのと同じ。

つまり、怪人は体内に埋め込まれたストーンを取り出しても、身体中に他生物のDNAが行き渡っているので自分の意思で変身できる。

ではここから、改造手術のステップについてご説明します。

◾️改造ステップ1:ストーンを作る

・オーパーツ的なレアな鉱石である「命脈煌」を用意する。
・命脈煌に特殊な処理を施した上で、
 他生物(昆虫、植物、動物など)のDNAを入れる。
・他生物のDNAを宿した命脈煌がストーンとなる。

◾️改造ステップ2:創世王のエキスを注入する

・輸血のような形で、対象者の身体に創世王のエキスを注入する。
 これによって、改造手術の成功率を高める。

◾️改造ステップ3:バックル状の器具を埋め込む

・改造対象者の腹部を切開し、バックル状の器具を埋め込む。

◾️改造ステップ4:ストーンを埋め込む

・バックル状の器具の中央部にストーンを埋め込む。
・ストーンを埋め込み、成功すると対象者の身体が怪人化する。

創世王誕生の経緯とキングストーン

次に、最初に生み出された怪人である、「創世王」の誕生の経緯を見ていきましょう。

・1930年代初頭から、実験施設で怪人を生み出す研究がなされていた。
・1936年の某日、南光三博士と秋月総一郎博士は、ある被験者に対して、バックル状の器具とストーンを埋め込んで改造手術を行なった。また、別の被験者に対しても同様の改造手術を行なった。
・しかしいずれの被験者も、怪人にはならずに失敗したかのように見えた。
この日、偶然にも日食と蝗害が重なり、二人の被験者の身体に埋め込まれたストーン(元々バッタのDNAが注入されていた)に、何百万ものバッタのDNAが反映された。ただし、ストーンにそういう現象が起こったということは、博士たちにはわかっていない。博士たちの認識はあくまでも「日食と蝗害が重なった時のストーン(創世王が生まれた時に使ったストーン)」であり、後にそれを「キングストーン」と呼ぶようになる。
キングストーンを体内に宿した二人の被験者が融合し、最初の怪人である「創世王」が誕生した。「二つのキングストーンが融合して創世王が生まれた」というところがポイント。

ただ、誕生した怪人(創世王)は、元になった被験者の意志が弱く、また、融合が中途半端であったため、自我や意志がほとんど無い怪人になったのです。

初めて実験が成功し、博士たちはこの調子で次の怪人を生み出そうと試みますが、なかなか成功しません。博士たちは、「怪人を生み出すためには、創世王が生まれた時がそうであったように、“日食と蝗害が重なる“という条件が必要なのでは」と考えます。ただ、その条件を満たす日など滅多に来るものではなく、悠長に待っているわけにはいきません。

その後も怪人を生み出す研究が重ねられ、「被験者にストーンを埋め込むときに、創世王のエキスを被験者に注入すると怪人が生まれやすくなる」ことが判明します。つまり、「怪人を効率的に生み出すためには、創世王のエキスは欠かせない」ことになります。

ここで、一つの問題が生まれます。創世王が死んでしまったら、怪人を効率的に生み出すためのエキスが得られなくなるということです。なので、次の創世王をどうやって生み出すかが、怪人を必要とする日本政府にとって重要課題となったのです。

次期創世王を生み出す条件

次期創世王を生み出すにはどうすれば良いのか。

博士たちは、「日食と蝗害が重なる日に、ストーン(キングストーン)を埋め込んで改造した二人の人間が融合して今の創世王が生まれた」のならば、それと同じようにすれば良いのではないかと考えました。

具体的な内容は次のとおりです。
・改造手術を行う日は、「日食と蝗害が重なる日」にする。
・この日に使うストーンは、今の創世王が生まれた時と同じ条件のストーンになる。それを「キングストーン」と呼び、二人の被験者に埋め込む。
(日食と蝗害が重なった日のストーンには、何百万ものバッタのDNAが反映されるため、実質的に特別なストーンになる)
・今の創世王が生まれた時のように、その場で二人の被験者が融合して次の創世王が生まれるか、融合せずに二人の怪人として存在することになるか、どちらになるかはわからない。
・いずれにしても、二人の被験者は体内にキングストーンを持った怪人となり、お互いのキングストーンを何らかの方法で融合すれば、二人の被験者は一つになり、次期創世王が誕生するはず

ここで問題になるのが、「日食と蝗害の日に改造手術を施す被験者(次期創世王の候補者)を、誰にするか」ということです。

南博士と秋月博士の決断

南光三博士と秋月総一郎博士は、日本政府からの指示とは言え、戦争の兵器になり得る怪人を生み出してしまったことに責任を感じていました。彼らは、戦後不要になった怪人たちと共に暮らしていましたが、世代を経るにつれて怪人の能力は薄まっていき、人間と同程度になり、逆に人間から襲われるようになりました。

怪人が社会の火種になり、人間から虐げられるようになると、二人の博士は自分たちが生み出してしまった怪人の暗い先行きに責任を感じるようになります。一方で、政府からは次期創世王を生み出すことを求められます。戦争は終わりましたが、政府は怪人を裏の仕事で使ったり、見せ物にして資金源にしたりしていたのです。政府にとって、便利に使える怪人を効率的に生み出すことは重要で、それに欠かせない「創世王のエキス」を確保すること、すなわち、次期創世王を生み出すことが緊急の課題でした。

南博士と秋月博士は、自分たちの息子である南光太郎と秋月信彦を次期創世王の候補者として選び、日食と蝗害が重なる日に改造手術を施します

仲の良い二人なら、政府の方針に反対する道を選び、これ以上怪人を生み出さないよう(創世王のエキスを得られないよう)創世王を倒すことになったとしても、またその反対に、怪人たちを導く「意志を持つ創世王」になる道を選び、怪人のために生きることになったとしても、二人は協力して怪人の未来を選んでくれるだろうと、博士たちは考えたのです。

つまり博士たちは、息子たちを次期創世王候補という名のもとで怪人に改造し、二人に怪人の未来を託すことで、哀れな怪人を生み出した責任を取ることにしたのです。

物語の最後、心臓だけになった創世王に対して、南光太郎は右手で攻撃しました。この時、自分のキングストーンと、亡くなった秋月信彦のストーンを左手で握り締めていたため、二つのキングストーンが組み合わさり、秋月信彦の肉体と融合し、意図せず新しい創世王になってしまったのです。南光太郎はこれまで、これ以上怪人を生み出さないよう創世王を倒すという考えで行動してきたので、創世王になってしまった自分を、葵にサタンサーベルで倒させたのでした。

いかがだったでしょうか?
南光三博士と秋月総一郎博士の苦難の歴史を垣間見た感じですね・・・

今回は以上です。この記事が、みなさまの仮面ライダーライフに少しでもお役に立てたなら嬉しいです。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!