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善人ヅラした悪徳面接官に気をつけろ!

最近、wantedlyを中心にオフィスに遊びに行く(=実際には遊びに行かないけど、カジュアルに話を聞きに行くこと)がだいぶ浸透してきました。

これは実にいいことです。

かつては最適な手法であったリクナビNEXTのような求人広告に出稿したり、人材紹介会社に丸投げしていても、今や十分な有効母集団(書類選考を通過できるような応募者のこと)は確保できません。

(そもそも母集団とか、採用のKPIとか言っている時点で少し微妙ではあるのですがそれは置いておいて)採用企業側にとっては、カジュアル面談により応募のハードルが下がり、面接という"土俵"にまで上がってくれる可能性が高まるのは良いことでしょう。応募者が集まらないくらいなら、せめて面接を辞退してくれた方が諦めがつく...と言った裏側の心情もあります。

そのため、面接は数年前に比べより重要な選考プロセスとなり、面接に関する意識や関心が高くなっているのがここ最近の流れです。

しかし、それにより出てきたのは、善人の仮面を被った面接官です。


◼️何でも聞いてください!っていう私、素敵でしょ。

実際に”カジュアルに会う”とは、通常の面接とは異なり、どちらかというと面接官側から色々な情報を提供し、応募者からの質問に答えたり、自分の希望とあっているのかどうかを判断してもらう、そういう場です。

そうすると、出てくるんです。

カジュアル面談の冒頭で、
何でも聞いてくださいね
って笑顔で言ってくる面接官です。

心の中は、

候補者のことを考えて、何でも聞いてください!っていう私、なんて素敵なんだ。絶対いい印象持たれるわ。いやあ、昔の圧迫面接してるおじさんはダメだね。自分みたくやらないと!どんな人が働いているかとか早く聞いて!質問を切り口に色々話しようよ。

みたいな。完全に自己陶酔にはまっています。


考えてみてください。

カジュアルに会いに来たくらいなので、応募者もその会社のことを詳しく知っている可能性は極めて低く、wantedlyとか、greenの求人情報の写真見て、「楽しそうだな」という理由だけで応募をしてくる人も多いくらいなので、できる質問も限られてくるのです。

なのに、冒頭から「何でも聞いて!」ってドヤ顔で言われても応募者は困ります。

面接官側から会社やサービス、働いている社員、どんなビジョンやミッションで仕事をしているのか、そして、当然面接官である自分はどんなキャリアでどんな仕事をしていて、これからどんなことを成し遂げたいのかを話した上でないと、まともな会話もできず、ロクな質問も出てこないのです。

そしてロクな質問が出てこないと、
面接官はマイナスの印象を持つでしょう。

「何だ、こんな質問しかできないのか?」
「質問がないってうちに興味ないんだろうな」
「◯◯の経験がない奴はダメだな」

面接官の自己陶酔による先入観で、本来の能力に比べて低い評価をすることになり、入社後お互いにとって不幸で、早期退職や、本来のパフォーマンスを出しきれないこともありえます。

もはや、これは善人ヅラした悪徳面接官でしかありません


◼️出会ってしまったらどうする?

さて問題は、こういう面接官にあってしまったらどうするかです。

一番の対策は、その面接官からは何も有益な情報が引き出せずと判断できたら、逆にその面接官を満足させるように振る舞うことです(本来は、面接官が応募者の興味や関心を上げなきゃならないのですが、当の本人は気が付いていないので)。

具体的には、
「実は色々と質問準備してきたのですが、本当に聞いてもいいですか?」と面接官の善意を受け止める質問をしたり、新卒の面接で聞くような「会社で活躍している人がどんな人ですか?」とか、その面接官が話好きだったら、「どうして御社に入社されたんですか?」くらい聞いておけば十分です。

そして、最後に満足した表情で「こんなに丁寧に質問に答えてくださる方とお話しできたの初めてでした」と一言添えておけば、確実に落ちるでしょう。

こういう面接官が出てきても、そこで自分と合わないと思わないこと。次で出てくる人がちゃんとしていることもあるし、悪気なく、ほんとにいいことだと思ってやっている人の可能性があるからです(そういう人に限って、入社後色々教えてくれたり、随分と優しかったりする。要は使い方です)。


◼️蛇足

最近では面接で志望動機を聞いてはいけないという流れになっています。確かにただその企業の上っ面の美辞麗句を並べられても、この情報社会においてはあまりメリットもないので、時代の流れです。とはいえ、個人的には、志望動機は聞き方とタイミングだと思ってはいますが。

実はこれ、先ほどの「何でも聞いてください」と同じように、面接の冒頭で、志望動機を聞こうとする面接官が結構います。

「当社のどんなところに興味を持って、今日は話を聞いてみたいと思ったのですか?」

聞いた本人としては、そこを会話の糸口にしたいのでしょうが、完全に志望動機聞いているのと同じですよね。

どちらかというと、こちらの方が善人の仮面被っているかもしれません...。

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