#409 びじゅチューンと出会ってしまった
2023.8.17.
2泊3日の姪たちの襲来が終わった。いきなり抜け殻になる私と母優子。反動は恐ろしい。
私はこれまでNHKコンテンツにとてもお世話になったきた。
我らの強い味方、NHK for schoolはもちろんのこと。
スペシャル番組は面白いものがたくさんあるし。
「ピタゴラスイッチ」や「だんご三兄弟」の産みの親である佐藤雅彦さんから、コンテンツ制作を通していろんなことに気付かされたり。
だが、Eテレは私のテリトリーに入っていなかった。だから出会っていなかったのだと思われるのだが、先日、Yuuu35さんの記事から衝撃的な番組の存在を知った。
それが「びじゅチューン」である。この番組の認知度はどのくらいのものなんだろう。子育てをした人は通った道なのか?何で誰も教えてくれなかったのだろうか。(または、教えてくれていたのにその当時の私のアンテナに引っかからなかったのか。)
美術作品の紹介。オリジナルソングあり、アニメあり。私の刺さるカテゴリーが満載だ…。
Yuuu35さんの記事を読んで、とりあえず「何にでも牛乳を注ぐ女」を見てみた。
え…衝撃的。
なんだこの耳から離れないメロディーは!
「唐揚げ、しめ鯖、カンジャンケジャン」に吹き出し、もう一度見返して、途中の合いの手「はあ〜どうだ〜どうだ〜どうだ〜?」に大爆笑。
作った人、天才か?
これ、映像作家の井上涼さんが作詞・作曲・歌・アニメーションの全てを制作しているそうで、私はその存在を知ってからもっぱらYouTubeでオリジナルソングを聞いているのだが、曲や作品の趣旨解説を含む5分番組全部を見た方がより楽しめるのだろうと予想している。
しかもこの番組、2013年8月11日から放送されているそうで、おお、なんと10周年!そして作られた曲は122曲!2014年から数年は1か月に2曲も作られている。このクオリティで…!
作った人、天才か?
私が中毒になっている曲たちをいくつかご紹介↓
★貴婦人と一角獣
もうね、手を合わせて謝るユニコーンが愛らしくて仕方ない。
一番は「聞きました?泣かせるでしょ?」からの間髪入れず「書面のミス等ごめユニコーン」のくだり。涙を誘うからの謝罪という速攻切り替えの場面で書面のミス等っていうワード入れてくるの凄すぎる…!
★唐獅子図屏風
超有名曲も途中で使われていて、一層頭に残りやすい。一番は「お互い獅子なら気高くね」という、秀吉の仲裁のセリフが秀逸。右下の歌詞のところに時々唐獅子図屏風の作者である狩野永徳が出てきて、音楽の発想記号なるものを出しているのも笑える。芸が細かい!
★見返り美人図
見返り美人が見返り過ぎて回っちゃってほぼドリルになってみんなの役に立ってると…笑。一番は「あの子はこの前飛んでって隕石の軌道逸らしてくれた」かなあ。役に立つスケールが急に大きくなる…!
★グランドジャット島の日曜日の午後
もうまずこの回の場合は、「グランドジャット島の日曜日の午後」の絵にある影がみんな憂鬱になりがちな月曜日という発想が凄すぎる!(これって井上涼さんの独自のアイデアよね?)ポップで楽しげなメロディで絵の紹介しつつ月曜日に向けての激励の曲みたいになっている。
★ダンスII
あ!この絵見たことある!というところからスタートし、回転寿司を機械ではなくこのダンサーたちが回しているという奇妙な設定、くせになるメロディ、ラストの「ダンス!ダンス!ダンス!ダンス!ダンス!ダンス!」の畳み掛け…。もう笑うしかない。
★他にも
「ナルキッソス天気予報」、「委員長はヴィーナス」、「特急三日月宗近」、「オフィーリア、まだまだ」など、よくこれだけの作品が作れるものだ。
これ、うっかり姪たちに見せたものだからすっかりハマり、いくつかは曲を覚えてしまった。これでまた変なことを吹き込むなと姉や義兄に怒られるだろう。大人の私でも気付くと脳内で曲が再生されていたりする。そしてうっかり口に出している。中毒性すごい。
曲の紹介でも少し書いたが、ものすごく細かいところまで作り込まれている。歌詞にその作品の情報を入れるのは当たり前、歌詞の提示方法、登場人物…。特に、長い番組なので作品(オリジナルソング)同士で関連があるものなどがあり、私が気付いたことなんてほんの一部だろう。
これを解説している方がnoteにいたー!読む猫さん。
この方も、天才か?
ひとつひとつの作品の作り込みっぷりも本当に素晴らしいと思うのだけれど、こういうものを知るとやっぱり「作品と人を繋ぐ」というのはすごいことだと思う。
例えば、昔意味もわからず暗唱させられた文学作品の出だし。高校生とかになって教科書をめくっていたら知っているフレーズが出てきて「これ知ってるー!なんか暗唱させられたわ!今も言える!」みたいなことになる。
それって、その作品について深く知ったり調べたりしようという糸口になるよね。
きっとこのびじゅチューンは、いろんな人と美術を繋ぐ助けになっているだろう。うーん、すごい!
皆様もぜひ興味のあるものを聞いて&見てみていただきたい。
ただし、中毒性があるのでご注意を。
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